前夜祭も大盛り上がりとなった2017年のフジロックは、蓋を開けてみると連日あいにくの雨模様。しかし突然の土砂降りすらも、まるでアーティストたちのライブを盛り上げる演出のような役割を果たすことに。初日には、有り余る体力と、音楽と苗場の自然が織りなす年に一度の一大フェスティバルへの期待から、小雨の振る中も元気いっぱいに広い会場内を行き来する人たちの姿が多かった。



RED MARQUEEとWHITE STAGEでの出演経験のあるThe xx。今回はメインステージであるGREEN STAGEへの出演となり、着実にステップアップしている実力派バンドの演奏を見せつけてくれた。RomyのウィスパーボイスとOliverの渋み掛かったボーカルの掛け合いが、観客でいっぱいのグリーンステージをエモーショナルな切ない雰囲気で満たした。


日本勢ではRAD WIMPSが、一世を風靡したアニメ映画「君の名は」の主題歌「前前前世」でオーディエンスを沸かせた。あいにくの天候で夏を感じきれていなかったフジロッカーたちを、一気に真夏気分に持って行ったのがスチャダラパーの往年の名曲「サマージャム」。待ってましたとばかりに合唱が沸き起こり、老若男女に夏の訪れを再確認させた。


そして、忘れてはならないのが、2度のフジロックの出演キャンセルを経て、14年ぶりの来日を果たしたQUEENS OF THE STONE AGE!本当に来日してくれるのか…というファンの心配をよそに、安定の骨太なロックを披露。8/25日発売のニューアルバムからの1曲で、ファンの熱気は最高潮に。他にもこれまでのアルバムの中からバランス良く選曲されたライブセットで、ファンたちの興奮を全く冷めさせぬままA Song For The Deadでライブは終了。



1日目のトリはデーモン・アルバーン率いるGorillaz​。コミカルなGorillazのキャラクターメンバーたちのポップなアニメーションと、いくつになってもチャーミングなDamon Albarnのボーカルと鍵盤ハーモニカのメロディ、そしてバンドメンバー、コーラス隊、ゲストボーカルたちの歌声が一体となり、彼らのライブを見る日を夢見ていた日本のファンたちを最高のトリップへと導いた。


夜更けのRED MARQUEEでは、奇妙な動きで観客を翻弄するダンサーたちと、美しくも激しい鬼才Clarkの作り出す幻想的な電子音に、観客たちは昼間の疲れも忘れて早朝まで踊り明かした。