数ヶ月前、ドイツのハレ大学医療センターは、ライプツィヒのクオーターバック・イモビリエン・アリーナで、新型コロナウイルスに関するコンサート実験を行い、大規模なイベント中に新型コロナウイルスがどのように拡散するかを調査。

この実験では3つのシナリオが用意され、それぞれで1,200人のボランティア間の接触が追跡された。
3つのシナリオとは、以下のものとなる。

・社会的距離がないコンサートの場合
・中程度の社会的距離があるコンサートの場合
・キャパシティを減らし、それぞれの参加者グループ間の距離を充分に取った場合

この結果によると、誰もが推測できるように、社会的距離を取らない1番目のシナリオにおけるウイルス拡散リスクは酷いものとなった。しかし、社会的距離と換気がより厳密に実施されるにつれ、ウイルスが広がる潜在的なリスクは低下した。

この研究における研究者のマイケル・ゲクレ博士によると「積極的にキャパシティを減らし、すべての参加者に常に "N95マスク" を着用させたコンサートの場合、感染するリスクは非常に低いことに議論の余地はない」とのことで、更にウイルス拡散リスクを低下させるためには「発券、セキュリティ担当者といった会場スタッフを増やす」ことも必要であるそうだが、これは「会場を管理する人間を増やす」という意味合いがあるということだろう。

この研究では、適切な部屋の換気も不可欠であることも判明しているが、これらの要因のほとんどは一般的に、会場にとって費用効果が高くない……つまり負担となりやすいとのこと。

この実験結果が示しているのは、しっかりとガイドラインに則った上で新型コロナウイルスに対して安全な環境を作り出すことは可能であるが、それを実際に実行するのはなかなか難しいところである。