全世界トータルセールスは1億1000万枚を記録し、3つのグラミー賞を受賞しているアメリカの大人気バンド Maroon 5（マルーン5）は、約3年ぶりの来日となる『Maroon 5 WORLD TOUR 2022』を2022年12月3日（土）、4日（日） 東京ドーム、12月6日（火）京セラドーム大阪にて開催されたが、初日公演となる12月3日の東京ドームのオフィシャル・レポートとライヴ写真が到着した！
▼ Photo : Travis Schneider
また、来日公演初日のセットリストがプレイリストとなって公開されているの、気になる方は要チェックだ！
とにかく終始ヒット曲満載のコンサートで、そのイントロで会場を埋め尽くした観客から歓声が上がり、大合唱や手拍子が湧き起こる。彼らのヒット曲が持つエネルギーを濃厚に感じる時間となった。
▼ Photo : Travis Schneider
ライヴは、マット・フリンによる轟音のドラムで幕を開け、流れるように "Moves Like Jagger" が始まった。誰もが知っている全米 NO.1 ヒット曲で、こういう自然に体が揺れるキャッチーなポップソングが Maroon 5の強みなんて思っていたら、続く2曲目のイントロではそれを数倍も上回る大歓声が上がった。2002年のデビュー・アルバム『Songs About Jane』からのシングル "This Love" だ。
アルバムもシングルも時間をかけて、じわじわとヒットしたから、この曲がチャートを昇りつめたのは2004年だったはず。それでも19年前のヒット曲だ。観客の年齢層は幅広く、小さな子を連れた親子、カップル、高校生、女性2人組などさまざまだが、そのなかでも人数的に目立っている20代がまるで最新ヒットのように熱狂するのは驚きだった。
そこから Adam Levine（アダム・レヴィーン）が参加した Gym Class Heroes（ジム・クラス・ヒーローズ）の "Stereo Hearts"、"One More Night"、"Animals" が続く。しかもノンストップで、ライティングを演出に使いながら、巧みなアレンジで流れるように次の曲に展開していく。観客の興奮を途切れさせない編成というか、ドラマの録画を倍速で観る世代を意識してのものか、ほとんど MC もなく、メンバー紹介すら曲の合間にサラリと終わり、バンドのライヴでよくあるソロ演奏の長い見せ場もない。
▼ Photo : Travis Schneider
だから、自ずと気持ちが曲に集中していくわけだけれど、"Animals" で起きた大合唱などを聴くと、ドームに響き渡る観客の歌声とこの光景を思い描きながら書いたのだろうと、彼らの曲作りが垣間見えてくる思いがする。会場の一体感を作り出す曲がいくつもあるのだ。そんなことをつらつら思うなかで、"What Lovers Do"、"Maps" などが続いた後、"Harder to Breathe" が始まった。
そして、アリーナに張り出して作られた小さなステージに椅子が3つ置かれて、そこに Adam Levine、Jesse Carmichael（ジェシー・カーマイケル）、James Valentine（ジェイムス・ヴァレンタイン）が座る。デビュー時からのメンバー3人だ。Adam Levine が MC で17年前の初来日から始まった日本との関係を少し話し、アコースティックセットで歌い始めたのは "Payphone"。意外な選曲だけれど、違和感はなく、反対にアコギ2本のシンプルなアレンジに彼らの歌のポテンシャルが感じられた。
▼ Photo : Travis Schneider
ここから終盤にかけて、ラッパーのフューチャーの映像と共演する "Cold"、これまたイントロで大歓声が起きた "Sunday Morning"、そして、最後の1曲は、ギターのイントロですぐに手拍子が始まった "Girls Like You"。客演した Cardi B（カーディ・Ｂ）とともに PV に出演した Camila Cabello（カミラ・カベロ）、Ellen DeGeneres（エレン・デジェネレス）、Jennifer Lopez（ジェニファー・ロペス）らがスクリーンに大きく映し出される。ラヴ・ソングのはずだけれど、多様性の時代に新しい意味が加えられたような、そんな胸の鼓動が高まる曲になっていた。
アンコールは、大きく異なる編成となった。ドームのような会場ではその規模に負けない音量が求められる。現在は6人編成で、キーボードがソロでも活動するPJ Morton（PJ モートン）、ベースが Sam Farrar（サム・ファラー）である。Adam Levine のハイトーン・ヴォイスは、唯一無二の魅力だけど、繊細な声質ゆえにともすると、そこに埋もれがち。その声をじっくり聴かせてくれる編成だ。
▼ Photo : Travis Schneider
たとえば、Adam Levine の親友でバンドのマネージャーでもあった Jordan Feldstein（ジョーダン・フェルドスタイン）通称 Jordi（ジョーディ）に捧げた "Memories"。印象的なカノン調の曲を歌い終えて天を仰ぐ Adam Levine に、この曲の意味を知っている観客から心のこもった拍手が送られる。
そして、彼の隣でギターを弾く James Valentine に目を移すと、サッカー日本代表の青いユニフォームを着ている。いい人だなぁ。しかもそれをアピールしたりしない。初来日時のインタビューでも取材続きで疲労困憊のアダムの隣で、「僕が答えるから」と言ってくれたのが James Valentine だった。
▼ Photo : Travis Schneider
アンコールで Adam Levine が出演した映画『はじまりのうた』の劇中歌 "Lost Stars" が演奏されるらしいと知って期待していたが、よくわからないくらいのサワリを James Valentine がギターで弾いただけで、Adam Levine が一番好きな歌詞という「She Will Be Loved」にスイッチされた。その曲の中盤でバンドが合流し、ラストの "Sugar" へつながった。
▼ Photo : Travis Schneider
バルーンとか、紙吹雪とか、火とか、水とか、東京ドームで見てきた派手な演出はほとんどない。ステージセットもライティングも衣装も特別豪華なものではない。コンサートの中心にあるのはあくまでも誰もが聴きたいヒット曲。それをどう編成することで、また、どういうアレンジを加えることで、ライヴ・パフォーマンスで一番輝かせられるのか。そこのこだわりが貫かれていたと思う。ここがポップ・バンド、Maroon 5 の魅力であり、覚悟にさえも感じられた。
▼ Photo : Travis Schneider
自分の好きな曲が始まると、ワクワクする女性客の肩がかわいく上下に揺れて、その背中から伝わる歓びに私までうれしくなった。こういう感情の積み重ねが胸高鳴るヒット曲のエネルギーとなり、若いファンが育っている Maroon 5 の人気の理由ではないだろうか。
文：服部のり子
2022年12月3日（土）東京ドーム
2022年12月4日（日）東京ドーム
2022年12月6日（火）京セラドーム大阪
https://umj.lnk.to/Maroon5_JORDI
『Jordi』通常盤
2021年6月11日 発売
\2,750 (税込)UICS-1373
『Jordi』デラックス・エディション
2021年6月25日 発売
\3,300(税込) UICS-9170/1
▼ Photo : Travis Schneider
また、来日公演初日のセットリストがプレイリストとなって公開されているの、気になる方は要チェックだ！
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今回の来日は、シンガポールからスタートしたアジア・ツアーの一環で、日本公演はちょうど中盤にあたり、東京と大阪で3公演が行われたが、いずれもドームが会場だ。入場ゲートに辿り着くまで大行列で、だいぶ時間がかかったが、その間に耳に飛び込んでくる会話は、方言がいろいろ混じっていて、チケット争奪戦を勝ち抜いたファンが全国から集まってきたことがわかった。とにかく終始ヒット曲満載のコンサートで、そのイントロで会場を埋め尽くした観客から歓声が上がり、大合唱や手拍子が湧き起こる。彼らのヒット曲が持つエネルギーを濃厚に感じる時間となった。
▼ Photo : Travis Schneider
ライヴは、マット・フリンによる轟音のドラムで幕を開け、流れるように "Moves Like Jagger" が始まった。誰もが知っている全米 NO.1 ヒット曲で、こういう自然に体が揺れるキャッチーなポップソングが Maroon 5の強みなんて思っていたら、続く2曲目のイントロではそれを数倍も上回る大歓声が上がった。2002年のデビュー・アルバム『Songs About Jane』からのシングル "This Love" だ。
アルバムもシングルも時間をかけて、じわじわとヒットしたから、この曲がチャートを昇りつめたのは2004年だったはず。それでも19年前のヒット曲だ。観客の年齢層は幅広く、小さな子を連れた親子、カップル、高校生、女性2人組などさまざまだが、そのなかでも人数的に目立っている20代がまるで最新ヒットのように熱狂するのは驚きだった。
そこから Adam Levine（アダム・レヴィーン）が参加した Gym Class Heroes（ジム・クラス・ヒーローズ）の "Stereo Hearts"、"One More Night"、"Animals" が続く。しかもノンストップで、ライティングを演出に使いながら、巧みなアレンジで流れるように次の曲に展開していく。観客の興奮を途切れさせない編成というか、ドラマの録画を倍速で観る世代を意識してのものか、ほとんど MC もなく、メンバー紹介すら曲の合間にサラリと終わり、バンドのライヴでよくあるソロ演奏の長い見せ場もない。
▼ Photo : Travis Schneider
だから、自ずと気持ちが曲に集中していくわけだけれど、"Animals" で起きた大合唱などを聴くと、ドームに響き渡る観客の歌声とこの光景を思い描きながら書いたのだろうと、彼らの曲作りが垣間見えてくる思いがする。会場の一体感を作り出す曲がいくつもあるのだ。そんなことをつらつら思うなかで、"What Lovers Do"、"Maps" などが続いた後、"Harder to Breathe" が始まった。
そして、アリーナに張り出して作られた小さなステージに椅子が3つ置かれて、そこに Adam Levine、Jesse Carmichael（ジェシー・カーマイケル）、James Valentine（ジェイムス・ヴァレンタイン）が座る。デビュー時からのメンバー3人だ。Adam Levine が MC で17年前の初来日から始まった日本との関係を少し話し、アコースティックセットで歌い始めたのは "Payphone"。意外な選曲だけれど、違和感はなく、反対にアコギ2本のシンプルなアレンジに彼らの歌のポテンシャルが感じられた。
▼ Photo : Travis Schneider
ここから終盤にかけて、ラッパーのフューチャーの映像と共演する "Cold"、これまたイントロで大歓声が起きた "Sunday Morning"、そして、最後の1曲は、ギターのイントロですぐに手拍子が始まった "Girls Like You"。客演した Cardi B（カーディ・Ｂ）とともに PV に出演した Camila Cabello（カミラ・カベロ）、Ellen DeGeneres（エレン・デジェネレス）、Jennifer Lopez（ジェニファー・ロペス）らがスクリーンに大きく映し出される。ラヴ・ソングのはずだけれど、多様性の時代に新しい意味が加えられたような、そんな胸の鼓動が高まる曲になっていた。
アンコールは、大きく異なる編成となった。ドームのような会場ではその規模に負けない音量が求められる。現在は6人編成で、キーボードがソロでも活動するPJ Morton（PJ モートン）、ベースが Sam Farrar（サム・ファラー）である。Adam Levine のハイトーン・ヴォイスは、唯一無二の魅力だけど、繊細な声質ゆえにともすると、そこに埋もれがち。その声をじっくり聴かせてくれる編成だ。
▼ Photo : Travis Schneider
たとえば、Adam Levine の親友でバンドのマネージャーでもあった Jordan Feldstein（ジョーダン・フェルドスタイン）通称 Jordi（ジョーディ）に捧げた "Memories"。印象的なカノン調の曲を歌い終えて天を仰ぐ Adam Levine に、この曲の意味を知っている観客から心のこもった拍手が送られる。
そして、彼の隣でギターを弾く James Valentine に目を移すと、サッカー日本代表の青いユニフォームを着ている。いい人だなぁ。しかもそれをアピールしたりしない。初来日時のインタビューでも取材続きで疲労困憊のアダムの隣で、「僕が答えるから」と言ってくれたのが James Valentine だった。
▼ Photo : Travis Schneider
アンコールで Adam Levine が出演した映画『はじまりのうた』の劇中歌 "Lost Stars" が演奏されるらしいと知って期待していたが、よくわからないくらいのサワリを James Valentine がギターで弾いただけで、Adam Levine が一番好きな歌詞という「She Will Be Loved」にスイッチされた。その曲の中盤でバンドが合流し、ラストの "Sugar" へつながった。
▼ Photo : Travis Schneider
バルーンとか、紙吹雪とか、火とか、水とか、東京ドームで見てきた派手な演出はほとんどない。ステージセットもライティングも衣装も特別豪華なものではない。コンサートの中心にあるのはあくまでも誰もが聴きたいヒット曲。それをどう編成することで、また、どういうアレンジを加えることで、ライヴ・パフォーマンスで一番輝かせられるのか。そこのこだわりが貫かれていたと思う。ここがポップ・バンド、Maroon 5 の魅力であり、覚悟にさえも感じられた。
▼ Photo : Travis Schneider
自分の好きな曲が始まると、ワクワクする女性客の肩がかわいく上下に揺れて、その背中から伝わる歓びに私までうれしくなった。こういう感情の積み重ねが胸高鳴るヒット曲のエネルギーとなり、若いファンが育っている Maroon 5 の人気の理由ではないだろうか。
文：服部のり子
Maroon 5 WORLD TOUR 2022（マルーン・ファイヴ・ワールド・ツアー・ニセンニジュウニ）
日程・会場：2022年12月3日（土）東京ドーム
2022年12月4日（日）東京ドーム
2022年12月6日（火）京セラドーム大阪
>> Maroon 5 来日公演特設サイトはこちらから！
Maroon 5『Jordi』試聴・購入リンク:https://umj.lnk.to/Maroon5_JORDI
『Jordi』通常盤
2021年6月11日 発売
\2,750 (税込)UICS-1373
『Jordi』デラックス・エディション
2021年6月25日 発売
\3,300(税込) UICS-9170/1
