2021年末、世界 TOP DJ の David Guetta(デヴィッド・ゲッタ) は「ダンスミュージックの最盛期は、パンデミックの後に訪れる」と主張していたが、それが真実であったことが証明されつつある。

最新の年次 IMS ビジネスレポートは、2022年のダンスミュージック業界の評価額は、前年比で34%成長したと発表している。

MIDiA Research のマネージング・ディレクターである Mark Mulligan によると「これは単に立ち直ったということではなく、立ち直り、トランポリンからほとんど跳ね返ったということだ」とのことだ。

この急成長により、業界の世界的な評価額は113億ドル(約1兆5,558億1,790万円)に達し、パンデミック前の水準と比較して16%の純増となったとのことだ。昨年の報告書では、世界各地での様々なロックダウン状態を経て「正常な状態への回帰」が始まったことが特徴的だったが、結局、業界はパンデミック前の最高値を2桁ポイント下回って推移していた。

Mulligan と MIDiA Research の共同執筆によるこの報告書では、活況を呈しているライブ・パフォーマンス部門が業界の最大の牽引役であることが明らかにされている。売上高は前年度比65%増の41億ドル(約5,645億3,310万円)となり、ブッキングの面では、フェスティバル・サーキットのブッキングにおける EDM ジャンルの占める割合が前年比6%増の39%となった。

ダンスミュージックの伝統的なレコーディングおよび出版部門、並びに制作技術部門は、音楽業界全体と同程度の緩やかな成長を遂げており、ライブ・パフォーマンスの収益がこれらの部門を大きく上回ったことを考えると、良くも悪くも、エレクトロニック・ミュージックのライブ・パフォーマンス部門への依存度は非常に高い状況となっている。

しかし、一方でこの報告書では、AI 技術によるユーザー生成コンテンツや、生産性の向上、アーティスト主導のデジタルコミュニティの台頭、TikTok のような音楽発見のための新時代の手段の継続的な普及など、ライブ分野以外のいくつかの新たなトレンドについても明らかにしている。

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