11月初旬、初のジャパンツアーを開催し大盛況となったスウェーデン発のメロディック EDM デュオ、NOTD(ノーテッド)。彼らから、貴重なインタビューが到着!! ジャパンツアーで発生した忘れがたいアクシデントについても語ってくれた彼らの初来日の様子を、アフターレポートと合わせてお届けしよう。
NOTD の記念すべき初来日ツアーに参加したファンは、これを読めばきっと公演を振り返って感慨深い気持ちになれるかも?


 

NOTD Live Set 2023-11-9 @wwwx

「AM:PM」「I Wanna Know」などのヒットで知られるスウェーデン発のメロディック EDM デュオ、NOTD が初来日。東京、京都で計3公演から成るジャパン・ツアーを行った。初日となったこの日の東京・渋谷 wwwx での公演は、発売と同時にソールドアウト。急遽追加公演も決定。人気が加速度的に高まっている。会場には、高校生くらいと思われる男女の姿も多く、若いファンの期待と熱気が渦巻いていた。


オープニングアクトの DJ KDH がアッパーなヴォーカル EDM でしっかり会場を温めた後、NOTD の2人は登場。いきなりピョンピョン跳ね回りながら「I Don’t Know Why」でスタートした。背の高い方のトビアスは、DJ 機材を弄ったり、パッドを叩いたりと大忙し。ステージ前方に出てくるとかなりの迫力だ。サミュエルはギターを持ち出してそれに応戦する。そしてオーディエンスはといえば、もちろん大盛り上がりで一緒に歌っている。そう、彼らの曲は、一緒に口ずさみたくなる歌メロが満載なのだ。とりわけ北欧系の女性シンガーの涼やかな歌声が、フィーチャリングされた時の相性が抜群だ。ステージ後方には、ハートマークやブラウン管の旧式テレビが描かれた可愛いイラスト動画が、めまぐるしく映し出され、Y2K というキーワードが脳裏をよぎる。


ノンストップでどんどん繋がれていき、前半からかなりの飛ばしよう。アバの「Gimme! Gimme! Gimme! (A Night After Midnight)」なども飛び出して、彼らがスウェーデン出身であることを思い出させてくれる。もちろん彼らが大きな影響を受けてきたというアヴィーチーの楽曲もこの後、しっかり顔を覗かせる。「みんな楽しんでる? 初めての東京なので僕たちもすごく嬉しいです」という挨拶からは、彼らの興奮も伝わってくる。その後もペースを落とすことなく、来日記念アルバム『NOTED...JAPAN EDITION』の収録曲、彼らが手掛けた他アーティストのリミックス曲、未発表曲などが次々と投下されていった。
ケイティ・ペリーの「Firework」に、ポーター・ロビンソンの「Language」をマッシュアップするなど、技アリなミックスも随所に挿入。一筋縄ではいかないところを窺わせる。前述のアヴィーチーの「Without You」、ゼッドの「Clarity」では、ひと際大きな合唱が巻き起こり、オーディエンスも年代に関係なく、EDM ヒット曲をよく知っている。それに NOTD の2人が、想像していたよりもアンセム系 EDM、ビッグルーム寄り EDM なアプローチだったことにも驚かされた。自宅やヘッドフォンや聴いてる時とはまた違ったアッパーな魅力で聴かせてくれる。もちろん腹の底まで響きそうな大音力のベース音にも圧倒された。


中盤には、メロディが染み入る「Keep You Mine」のシンガロングで一体感を倍増させた後、一旦音楽を止めてから「新曲です。みんなも気に入ってくれると嬉しいです」との紹介付きで、最新シングル「Hold On Me (feat. Emei) 」を披露。メリハリを付けることも忘れない。


終盤にはグウェン・ステファニーの「Hollerback Girl」、ジョン・サミットの「Where You Are」などで爆アゲ。その鮮やかなお手並は、おそらくクラブDJとして現場で培ったノウハウなのだろう。一方、彼らの代表曲「AM:PM」は意外なほどサラッとプレイされて、あれれ?っと思っていたら、最後の最後に再びしっかり披露。彼らのヒット曲「I Wanna Know」、「So Close」と続いた後に、彼らが先導する形でコール&レスポンスで、じっくり歌って聴かせて、みんなで一体感を共有。誰もがハッピーで笑顔の大団円だった。とはいえ、80分余りのライヴは、アッという間だったという印象も。アンコールを求める声が鳴り止まなかったのも頷ける。しかし、初来日公演でこれだけ盛り上げてくれたのだから大成功。NOTDの2人もきっと大満足だったに違いない。

Written by 村上ひさし

 

NOTD 初来日公演記念インタビュー

iFLYER:今回、日本のファンが待ち望んでいた初の来日公演となりますが、東京・京都公演は即日完売となり、日本のファンたちからの注目度の熱さを改めて感じます。初来日公演とのことですが、これまでプライベートで日本に来たことは?

NOTD:日本に来るのは初めてだったけど、本当に素晴らしかった。ファンの人たちはとても親切で、空港に降り立ったとき、看板を持って出迎えてくれた人たちもいたんだ! 僕たち2人とも、長い間訪れたいと思っていた場所だったから、やっとここに来ることができて超嬉しいよ。

iFLYER:次回日本に来たら行ってみたい場所や、やってみたいことを教えてください。

NOTD:今回は都市部にいたから、次は郊外に行きたいな。富士山を見るのもいいかも。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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iFLYER:今回、初来日公演にも関わらず、日本のファンも非常に多かったのが印象的です。YouTube を見てみても、日本のファンからのコメントがたくさんついていますが、お二人は日本での NOTD の人気をどのように捉えていますか? この人気の理由について、ご自身ではどのような点が日本での人気に繋がったのだと思いますか?

NOTD:「So Close」をリリースしたときから、多くの日本のファンが僕たちについてきてくれるようになったと思っているんだけど、2023年の初めに「AM:PM」をリリースしてからは、本当に盛り上がったんだ。コメントや DM が全て日本から来ているように思えたよ!

iFLYER:「So Close(feat. Georgia Ku)」では、MV を東京で撮影されていますが、なぜ東京の地を撮影場所として選んだのでしょうか? 

NOTD:僕たちは曲と雰囲気にとても合っていると感じたんだ。それに、僕たちが想像していた通りに出来上がったよ!

iFLYER:「So Close(feat. Georgia Ku)」の歌詞は、いい感じだと思っていた恋愛がうまくいかずにん別れてしまった二人についてを歌っていますが、MV はどちらかというとポジティブな印象を受ける仕上がりとなっています。また、地味なスーツ姿のサラリーマン男女がプライベートではストリートファッションで軽快に夜の街で踊りまくるという展開がユニークで非常に日本的だなと思ったのですが、この MV が作られた背景を教えてください。

NOTD:その通りだよ。「本を表紙で判断してはいけない」ということわざは、この曲とビデオ、そして僕たちの音楽の多くに当てはめることができると思うよ。

iFLYER:お二人が音楽を始めたきっかけをそれぞれ教えてください。また、一緒にデュオとしてやっていこうと決めたきっかけは? 一緒にリミックスを作り始めた後で高校が一緒だったことを知ったという逸話も目にしましたが、高校の時はお互いに全く接点がなかったのでしょうか?

NOTD:
サム「僕は幼い頃(8歳)からギターを弾き始めて、人生の大半はバンドに参加したり、音楽を聴いたりすることで回ってきたんだ」
トビー「14歳くらいから本格的に音楽を始めたんだ」
僕らが一緒に仕事をするようになったきっかけは、サムがトビーのサウンドクラウドのページを見て、彼が作っているものを気に入ったんだ。そうしたら、サムの方から、一緒に曲を作ろうと誘ってくれた。制作してみて、お互いのエネルギーとスキルが本当に補完し合うと感じたから、有名なアーティストのリミックスを手がけるようになり、それらのリミックスがリリースされる前に、僕らのプロジェクトを NOTD と呼ぶことにしたんだ! 最初にサムから連絡があったときは、わずか数ヶ月後に同じ学校に通うことになるとは知らなかった。

iFLYER:Ed Sheeran の「Shape of You」のリミックスはElectronic Music AwardのRemix of the Yearにノミネートされており、更にDJ Khaled と Rihannaの「Wild Thoughts」のリミックスはBillboardの「best remixes of the song」リストに掲載されており、二人はオリジナル曲ばかりではなくリミックスでも非常に高い評価を得ています。リミックスを作る際に気をつけていることがあれば教えてください。

NOTD:もし自分たちの曲だったら、NOTD がどうプロデュースしただろうかということを考えながら、すべてのリミックスをプロデュースしているよ。それにオリジナルの曲とは違ったものを曲にもたらすようにしているよ。

iFLYER:2019年に、米・ビルボードのダンスチャートで世界1位を記録したヒットシングル「So Close」や、今年リリースされたヒット曲「AM:PM」など、多数のヒット曲を抱えている NOTD ですが、エモーショナルでダンサブルなトラックが多いですが、楽曲を制作する際に心がけていることは? また、これまでに作った曲で特に思い入れが深い曲があれば、その背景も含めて教えてください。

NOTD:曲を作るときは自分たちのフィーリングに従うだけで、エモーショナルな曲作りに取り組み、踊れるような作品を作っているよ。それが僕たちの音楽の特徴となっているんだ。

iFLYER:これまで Maia Wright、Sia、Bea Miller、Captain Cuts、Georgia Ku等、様々なアーティストとコラボされてきていますが、コラボ相手を選ぶ際はどのように決めているのでしょうか? また、今後コラボしてみたいアーティストは?

NOTD:ヴォーカルをもうひとつの楽器と考え、僕たちにとって最も重要なのは、アーティストの名前や知名度ではなく、声が合うかどうかだと思う。
僕たちには複数の夢のコラボアーティストがいるけど、The 1975が一番かな。

iFLYER:今回、日本にて3公演開催しましたが、公演中に起きた日本公演ならではのエピソードがあれば教えて下さい。

NOTD:京都のクラブでは、私たちが出演するために到着したとき、クラブは超満員で、ステージに入ることができなかった。そのため、僕らはクラブの裏に回り、下水道のハッチからトンネルに降りて、ステージに上がらなければならなかったんだ。これまでに一度もこのようなことが起こったことはなかったよ(笑)。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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