音楽金融スタートアップの Duetti が、インディーズアーティスト向けの初の2023年音楽経済レポートを発表した。
この定量分析は、独自のデータセットから抽出された数百万のデータポイントと、公開されているリソースを組み合わせて、複雑なストリーミング状況を分析したものとなる。

それによると、インディーズアーティストが米国労働省が定めた連邦最低賃金の時給7.25ドル(約1,000円)を達成するためには、年間500万回の再生回数を達成する必要があるとのことだ。

年間500万回再生を達成してやっと最低賃金に到達するというのは、インディーズアーティストにとってあまりにも過酷な現実を突きつけられる結果となっているが、しかしアーティストの収益はストリーミングによるもののみならず、ライブ、物販等もあるため、それらも含めるとまた話は変わってくる。

しかし、レコードや CD、カセットテープといった物理的なメディアの衰退のみならず、Spotify の等の音楽配信プラットフォームによるアーティストへの報酬モデルが変更され、それが結果的にアーティストに不利益をあたていることは確かだろう。

1999年に音楽共有を主目的としたファイル共有サービスである Napster が登場し、アーティストが作品から収入を得る方法の現状を覆して以来、音楽業界ではアーティストが収入を得るために苦戦し続けてきている。テクノロジーが、結果的にそれを阻害する状況に陥っているためだ。
インディーズアーティストたちが純粋に音楽一本で生活を続けていくのにはなかなか厳しい現状が伺える。