Spotify(スポティファイ)のロイヤルティ率について「低過ぎる」「最低限の報酬しか得られない」としてアーティスト等からの不満が続出している中、同社 CEO の Daniel Ek(ダニエル・エク)氏がこれについて言及した。


世界経済フォーラムの世論調査によると、現在、インターネットベースのストリーミングは音楽消費の64%を占めているとのことだが、Spotify のロイヤルティ支払い率に関しては、アーティストはストリーミング一回あたり平均0.003〜0.005ドルを受け取る。Spotify はそのロイヤルティの約30%を保持しているとのことだ。

Daniel Ek 氏は「Spotify は2023年に音楽業界に90億ドル以上を支払ってきた。過去には、480億ドル以上を支払ってきてた」と Linked In に投稿したビデオの中でコメントしており、更に「Spotify は個々のアーティストばかりではなく、レコード会社、出版社、収集団体に支払いを分配している」とも述べている。

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Daniel Ek 氏は選ばれた少数精鋭のみが持続可能な収入を得ることができる音楽業界をプロスポーツに例えてコメントしている。

私にとって最も最適な例えは、音楽業界はプロスポーツに似ているということだ。サッカーを例に挙げると、世界中で何億人もの人々がプレーしている。しかし、フルタイムでサッカーをして生活できる人は非常に少数だ。FIFA によれば、フットボールやサッカーで活躍できる人は約10万人いる。(そして)音楽業界で成功しようとしている何億人もの人々がいる。

Daniel Ek 氏は、上記にもかかわらず、Spotify の支払いのうち約45 億ドルは独立系セクターに支払われており、Spotify がアーティストの条件を改善するために企業努力をしているという点をアピール。しかし、Spotify はまだまだやるべきことはあると
言う声、Spotify が公正な報酬を保留していると非難する声は少なくない。

Spotify は2023年に収益が16%増加したにも関わらず、以前として YouTube Music に次ぐ最も低額のストリーミング・プラットフォームの一つである。