1996年生まれ、若干20才のロバート・ホールドレンと 1997年生まれの19才のフレデリック・ケネットからなるプロデューサー /DJ デュオ、”Louis Te Child(ルイ・ザ・チャイルド)”。

2人の出会いはシカゴ/ウィネットカのニュー・トライヤー高校在学中で(ホールドレンは 2015 年のクラス、ケネットは 2016 年のクラス。)マデオンのコンサート会場だった。以来 2 人は高校の DJ クラブで仲を深め、 意気投合。すぐに”ルイ・ザ・チャイルド”を結成した。2013 年から小さな会場でライブ活動を開始し、同年「ディメンション EP」で デビュー。その後2015年にリリースしたシングル「イッツ・ストレンジ」をテイラー・スウィフトが「人生を素晴らしくしてくれる楽曲」とし てインスタグラムにアップ。2014年のグラミー賞で”最優秀楽曲賞”を受賞したロードも Twitter にて「イッツ・ストレンジ」の歌詞を投稿するなど SNS を中心に拡散され一躍大ブレイク。その後は同じくシカゴを代表する EDM アーティスト、カスケードの<オート マティック・ツアー2015>のサポーティング・アクトとしてギャランティスと同行するなど、約数年で<コーチェラ><エレクトリックズ― NY><ロラパルーザ><エレクトリック・フォレスト><コロナ・キャピタル>など数多くのメジャーフェスに出演。2016 年はアイコナ・ ポップとのコラボ「ウィーケンド」やイブリンとの「ファイアー」を立て続けにリリースし単独アメリカツアーも開催、完売公演が続出した。

Louis The Childは先日開催されたEDC JAPANで初来日を果たし、ファンを魅了した。

そんなLouis The Childのことを知るべくインタビューを行った。


 
I (interviewer): まず最初に、二人の音楽のバックグラウンドを簡単に話してもらえますか?

Freddy: オーケー、まず小さい頃はピアノを習っていて、簡単な曲の弾き方や楽譜の見方を覚えたんだ。それから少しして今度はドラムを始めて、それに加えて地元のカフェでやってるビートメイキングのコースにも通い始めた。その頃ちょうど野球もやってたんだけど、よく外野の守備についてる時にドラムを叩くフリをしてたよ。曲の作り方を徐々に覚えながら今度はLogicで遊ぶようになってきたんだ。あの時はLogic 9だったかな? そこで曲ってものがどうやって構成されていくのかってことに着目しだしたんだ。1つのループが組み合わさって曲になったり、ドラムのパート、ヴォーカルのパート、ベースのパート、、こんな感じでそれぞれの部分が1つの曲を作るんだなって。あと同じ時期に映像の編集もやってたから、DAWでの曲の組み立て方なんかを知るのには凄く役に立ったね。
でそのあとはサックスを始めて、それから音楽の概念やピアノのコード何かを高校時代に自分で勉強したんだ。とにかく音楽のそういうテクニカルな部分にハマってたね。こういう音の組み合わせがベストだ、とか こういう音の間隔が良い,とか、どの小説にどのコードを弾くのがベストか、だったりとか。
今でもどんなメロディーやハーモニーが良い組み合わせかってことを考える時にそんな過去の経験が凄く役に立ってるよ。
そんな感じかな。

Robby: 俺も最初はピアノから始めたかな。その頃は何となくピアノなんて親にやらされてるもんだ、みたいな感じでもうやりたくないって思ってたこともあったよ。親父がギターをやってて俺が大きくなった時も続けてたんだ。凄く上手くてね。それを見てるうちに自然と親父の事を尊敬するようになったし俺もギターをやりたいって思うようになってきたね。イケてるなって。それでギターを始めて。で同時にドラムもやり始めて一番自信があったかな。でまたピアノを始めて、最近はベースを練習してるよ。
まぁとにかくいろんな楽器はやったし、バンドもやってた。その間、俺の周りにいつも一緒にバンドをやったり一緒に曲を書いたりするギターをやってた奴がいてそいつと良く一緒にいたな。で、だんだんFreddyと絡むようになってエレクトロサウンドをやるようになって。それ以前からもDJやったりマッシュアップをやったりして、当時から、こういう音がクールだ、面白い、みたいなものを聴き分ける耳は持ってたね。

I: 2人とも初めはピアノからだったんですね〜ちょっと驚きです。
次にこのコンビ名「LOUIS THE CHILD」がどうやって生まれたのかを教えてくれますか?

Freddy: もちろん。あの頃俺らはまだ若くて、俺は中学3年、Robbyは高校1年だったな。ある日一緒に曲を作った時に自分たちの名前を何にしようかっていう話になったんだ。既に何個かアイディアはあったんだけどもっと良いのないかなってってことで探そうってことになって。んでネットでWikipediaのページからランダムにいろんな記事をクリックしまくって。クリックするたびに何のことかよく分からないページが出てきて、みたいな感じで。で200個くらいだったっけかな、いろんなアーカイブを見てるうちにこの「LOUIS THE CHILD」ってワードが目に飛び込んできて。最初次のページにいったんだけど「ちょっと待て。さっきのページに戻って。」って言って元のページのこのワードを見ながら2人で「… We are LOUIS THE CHILD!! … ん〜、これ結構よくね?」みたいになって。

Robby: んで実際に書き出して見てみたんだ。”LOUIS THE CHILD”とか”LTC remix”みたいにね。で、良いじゃん、って。しかもネットやソーシャルメディアとかも調べたけどまだ誰もその名は使ってなかったから、「よし、これでいこう」って。 

I: なるほど。LOUIS THE CHILD以外の名前の候補はどんなものがあったんですか?

Freddy: いっぱい変な名前があったよ。 Canning Randyとか。  
Robby: Foxtrot Motelも案の一つだったな。
Freddy: あとあれだ、The garbage boys。
Robby: それマジだったっけ?

Freddy: いや。でも今思うと良いアイディアだったな。よし、ゴミ野郎の名前でDJを始めてみようか、世界を席巻するぜ。 ゴミ袋を被ってDJするんだ。DJ Marshmelloがマシュマロを被ってDJやってるように、俺らはゴミ袋を頭から被って(笑)。 

I: ありがとうございます(笑)。
次に、近い将来やってみたいジャンルなどはありますか?

Freddy: そうだね、さっきも言った通り、俺らはいろんなジャンルの音楽性を持ってるし、Future Bassなリミックスも出してきてて、もう少しそういう曲も作り続けると思う。あとは今作でもあるようなスロウなラブソングだったりとか。カテゴリー分けをするのは難しいんだけどね。なぜならこのLOVE IS ALIVEの曲達も厳密に言うとベース、ヴォーカル、ドラムで構成されたロックだと思うし。ただ、そんなにロックでもない、みたいな。呼び方は人それぞれだ。ただ言えることはFuture Bassはこれからもやっていくスタイルだし、このLOVE IS ALIVEのでのスタイルも続けていくつもりだよ。

I: なるほど。今ちょっと話してくれましたが、今回のこのEP「LOVE IS ALIVE」のコンセプトや伝えたいメッセージを教えてくれますか?

Robby: これまで俺らはとにかく沢山曲を書いてきた。しかも大半は「こういうものを書く」って決めて書いてないものがほとんどだ。とにかく書いて書いて書きまくって、んでまた振り出しに戻って。その中でも俺ららしさが出てる音だったり、俺らの曲を聴いた時に感じて欲しい感情だったり、俺らが思うクールさだったり、そういうものが詰まった曲をチョイスしてるよ。

Freddy: そうだね、俺にとってこのEPを通して伝えたいことは、皆自分がやりたいことは何だってやれるんだってことだ。人を愛したり、人や自分を信じたり、とにかく何だってやれる。それが俺が伝えたい事だね。Robbyの言った事の続きになるけど、ポジティブなパワーだったり。そして皆に俺らが出来るいろんなスタイルの音楽を届けて、同時に俺ら自身も進化してもっと良い曲を書いていきたいね。
 

I: ありがとうございます。今回のEPを含め、2人にとって曲を書く時に一番難しい事はなんですか?

Robby: 部屋にこもってこいつと一緒に長時間を過ごさなけりゃいけないことだよ。
Freddy: そりゃ言えてる。見ろよこいつのこのジャケット。お前何でこんなの、、
Robby: こいつ、めっちゃオナラするんだ。しかも強烈なやつを。楽しいわけないだろ(笑)。
Freddy: もはや健康面で問題アリだな。
Robby: マジで。
Freddy: 誰にも言うなって言ったのに。。(笑)
Robby: ハハ、マジな話をすると、そうだな、曲を作る時に苦しい、とか辛い、とか思った事はないね。いつも本当に楽しんでやってるよ。

Freddy: だね。一番大変なのは、、大変ってよりも重要なのは常に何かに自分をインスパイアさせておくことかな。常に自分がこういうのが好き、とかこういう音楽を作りたい、とか。その状態を常に持ち続けながら自分を自由に解放してあげると、時に思いがけないアイディアに巡り会えたりする。何に対してでも常に順応できるようにしておくんだ。じゃないと、絶対こうやりたい、みたいに決めちゃうとそこにはまって抜けれなくなる。でもそうやって自分を常に自然に何でも吸収できるような状態にしておくともっと曲を書く時に楽に出来るよ。

I: なるほど。次にファッションに関してなんですが、自身のアパレルラインにもこの王冠のロゴが入っていますが、ファッションでこれまでに影響を受けてきたカルチャーなどはありますか?

Robby: そうだね、もちろん昔のオールドスクールなファッションスタイルなんかは好きだし影響を受けたね。あとは世界を旅をすると違った文化やファッションスタイルと出会えるし凄く刺激になる。例えばこの日本のストリートのやつらのスタイルなんてアメリカとは全然違うだろ? いろんな意味でクールだよ。あとは最近ヨーロッパに行ってショッピングをした時にも刺激を受けたね。とにかく世界のいろんなスタイルを見ることは音楽・ファッションどちらの面でも良い刺激になるよ。



I:  今回のEDCは初めての日本でのライヴとなったわけですが、日本のオーディエンスについてはどう思いましたか?

Freddy: 最高だよ。
Robby: そうだな、最高に楽しかった。
Freddy: 俺らの曲は英語で違う言語なのにちゃんと歌ってる人もいたり。もちろん英語だから分からずに口だけ動かしてる人たちもいたけどそれは当然だし、そういった普段と違った環境でライヴをして違ったオーディエンスの反応を見るのは本当興味深いことだ。前にメキシコでやった時も客の皆が「LOUIS, THE, CHILD! LOUIS, THE, CHILD!」って盛り上がってて。あんなのは初めてだったし見てて超クールだったよ。
とにかく日本のファンの皆は凄く素敵な笑顔だしとても最高だったよ。
 


Robby: 前の列のファンの皆なんかは俺らの服を着てくれてたり俺らの昔の写真入りのカスタムしたフラッグを持ってきてくれてたり、凄く愛されてるんだなって感じたね。こういうリアルな体験はSpotifyやSoundcloudなんかじゃできるものじゃないから、俺らがやってる音楽はこうやって世界中の人々にインパクトを与えてるんだなって体感出来るんだ。
Freddy: だね。クールだよ。

I: 今回の来日で、日本という国自体にはどういう印象を受けましたか?

Freddy: そうだな、とにかく綺麗、ファッションシーンもイケてるし人々も凄く親切だね。
Robby: 食べ物も最高。
Freddy: 間違いないね。
Robby: 昨夜行った焼肉屋なんかも俺らからしたら凄く未知の体験だったね。世界中の文化の違いを見るのはいつだってクールだ。

I: 日本の有名人やアニメだったり、何か日本の事について知っていることはありますか?

Freddy: ハヤオ・ミヤザキって日本の人だったっけ?
I: そうです
Freddy: あぁ。彼の作品は凄く好きだよ。あとカニエのアルバム「Graduation」は分かるだろ? あのアートワークをやったのは日本人だったと思うんだけど、彼の作品も大好きだ。俺にはちょっと難しい名前だから間違えたくないからここではあえて言わないけど。あとは5~6年前に見つけたんだけどNhatoてっていうアーティスト。彼も日本人だったかな。2010年辺りのエレクトロサウンドで2曲お気に入りがあるんだけどね、凄くクールだよ。

I: 普段よく聴くアーティストは誰ですか?

Robby: Kendrick Lamar、ニューアルバムもよく聴いてるよ。 DJ Khaledもクールだ。
Freddy: 俺はAnderson. PaakとKnxwledgeの『NxWorries」をずっと聴いてるね。彼らの70年代のサウンドは凄くクールだしAnderson. PaakのサウンドはJames Brownのように聴こえて大好きだよ。あとはVince Staplesかな。ここ数週間はずっとラップにハマってる。Vince Staples、Kendrick Lamar、Anderson. Paakがそのトップ3だ。

I: 近い将来一緒に曲をやってみたいアーティストは誰ですか?

Freddy: そうだね、Kendrick Lamar、DJ Khaled、Vince Staples、今挙げたやつらかな。
Robby: Chance The Rapperなんかも最高だろうね。あとは誰だろうな。。ん〜誰だって大歓迎だよ。

I: LOUIS THE CHILDの今後の目標を教えて下さい

: とりあえず日々成長、前進していきたいね。もっとデカい規模の場所でもやってみたい。できるだけ多くの人々にポジティブなメッセージで影響を与えたいしね。後は好きな音楽を作り続けていくだけさ。

I: 最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

Robby: いつもLOUIS THE CHILDを支えてくれてありがとう。今回のEP、まだチェックしていない人がいたらきっと好きになると思うから是非聴いてみてくれよ。
Freddy: いつもありがとう。これからも俺らの音楽を聴き続けてくれると嬉しいね。
いつも俺らの音楽を楽しんでくれて本当に感謝だよ。