Hip-hopには”サンプリング”という、他のアーティストが作った既存のトラックの一部を利用して自身の楽曲い取り入れ、新たなトラックを作り上げる手法が昔からあり、Hip-hopに限らず様々なジャンルのアーティストによってその手法が使われている。この"サンプリング"については著作権の問題をクリアしないとリリースできないため、"サンプリング"をすることが障壁にもなり得るのだが、トラックメイカーはサンプリングの技術を使って、いかに面白くかつカッコよくかつ斬新な曲を作れるかが腕の見せ所だ。

EDMのシーンでもサンプリングの技術を取り入れられることは多く、ジャズのクラシック的な名曲から最新ポップまで、幅広い分野からサンプリングされている。今回は近年リリースされ、フェスなどでも多くプレイされている楽曲から元ネタを紹介していこう。

Tiësto and The Chainsmokers - Split (Only U)


TiestoとThe Chainsmokersのコラボ曲。38秒ごろから始まる壮大なメロディー、そしてそのメロディーを踏襲したドロップがカッコいい。ちなみにこの2組はULTRA JAPANに出演予定。

この曲の元ネタは、下の動画23秒頃から。

R&Bシンガー、Ashantiの名曲「Only U」の特徴的なフレーズを大胆に使っている。Tiestoはサンプリングを使うことがEDMアーティストの中でも多く、長年ダンスミュージックシーンで活躍してきた彼だからこそできるディープなサンプリング技術も垣間見える。
 

Hardwell - Party Till the Daylight


フリーダウンロードの楽曲「Party Till The Daylight」。まさに「Hardwellらしい曲」と言えるオーソドックスなエレクトロサウンドだが、この曲の30秒あたりから始まる「Party Till The Daylight」のフレーズは2008年にリリースされたD.Ramirez Feat. TC 「With Me Or Against Me (Original Club Mix)」から。

5分57秒頃に注目!なかなか気づくことができなさそうなマニアックなネタの使い方だ。
 

SKRILLEX - Scary Monsters And Nice Sprites


Skrillexの代表曲と言っても過言ではないこの「Scary Monsters And Nice Sprites」。ドロップ前の「Yes!! Oh My Gosh!!」と叫ぶ女の子の声はSkrillex and Rick Rossの「Purple Lamborghini」でも使われている。

この曲の元ネタは下の動画の8秒ごろ。

「Sport stacking」という、コップを決められたルーティーンで立てたり崩したりするタイムを競うスポーツで自己新記録を出して大喜びする少女の声がそのままサンプリングされている。彼女はこの声ネタをきっかけに一躍有名人になり、Skrillexのグッズのシャツにまで登場した。


こんな場所からサンプリングを見つけてしまうあたりもさすがSkrillex。
いかがだろうか?EDMにも意外な使い方のサンプリングがあるかもしれない。ジャンルにとらわれず、色々な音楽を聞いて探求してみよう!