Sun, 05 Jul 2020
スモールプールズの物語は、そのほとんどが幸運な偶然の一致で占められている。ヴォーカルのSean ScanlonとギタリストのMichael Kamermanの出会いは2007年のSXSWで、当時二人はそれぞれ別のバンドに所属していた。音楽好きで気の合った二人は、鳴かず飛ばずのバンドでフラストレーションを抱えていた悩みも同じで、ついには力を合わせて一緒に東海岸を後にする決意を固めた。こうして2011年にLAへと出発した彼らだが(「持ち物を全部ヴァンに投げ込んで、ニュージャージから大陸を横断したんだよ」とKamerman)、どちらにもしっかりとした計画があったわけではなく、とにかく頑張って音楽を作って、その間食いつないでいければ、ぐらいな気持ちだけだった。「そのうち何か起きるべくして起きるだろう、って感じだった」とヴォーカルのSean Scanlonは思い起こす。そしてたまたま、その何かが起こったのだ。ベーシストで、ポートランドへ移住したばかりのJoe Intileとあちこちで顔を合わせることが続き(Joe Intile自身が同じようにあちこちで顔を合わせていたのがドラマーのBeau Kutherで、こちらはポートランドを追い出されて、仕事でLAにひょっこりやってきたばかりだった)、役者が揃ったバンドは、急成長する彼らのサウンドのテンプレートとなるだろう3曲をかき鳴らすために、アトランタでスタジオの時間を予約した。...
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