年明け一発目の超絶EDM系フェス「electrox」は1月4日(土)幕張メッセにて開催された。

今回国内で初めてとなるエレクトロダンスミュージック系フェス「electrox」にDJ MAGのTOP100にランクインされている海外アーティスト、日本を代表するアーティストと新進気鋭のDJ陣そして、全国から1万1千人ものダンス・ミュージック・ファンが来場した。

全4ステージとフードブースの構成で新年の幕開けにぴったりな豪華な空間を楽しめる作り。そして、幕張メッセの4・5・6・7号館を贅沢に使用し、メインとなるelectrox STAGEを核として、SONIC BEATS STAGE、SUNRISE STAGE、とIBIZA STAGEが設置された。巨大なミラーボールが、入場を終えたオーディエンスを迎え入れ、"electrox神社"がすぐ目に入る。ピカピカ光る巨大ロボットがドーンと立ち、その横にあるアーティストオフィシャルグッズショップも大盛況だった。

鳴り響く低音と色鮮やかなライティングに早速テンションが上がる。各ステージでは初っ端からBABY-T、WILDPARTY、DJ KAGuLA、YAMATO、CTSといったダンスミュージックシーン注目のDJが会場を盛り上げた。メインのelectroxステージではDaishi Danceがアゲアゲな選曲で素晴らしいパフォーマンスを披露。彼は後ほどIBIZA STAGEに登場し、ファンには贅沢なダブルプレイを果たした。

急いでSUNRISE STAGEに戻り、スティーブ・アオキともコラボをしたカナダの女性シンガー、KAYのライブパフォーマンスをチェックした。ソロ・デビュー・アルバム『MY NAME IS KAY』を発表したばかりのKAYは収録曲をショーケースし、ヴォーカルスキルで観客を魅了。彼女はスティーブ・アオキのステージにもサプライズで登場し、コラボ曲「Singularity」を披露。初のエントリーにも関わらずDJ MAGにランクインしたオランダ出身のデュオ、Blasterjaxxはリンキンパークからアヴィーチーまで、ビッグチューンを次々と流し、そのハードなエレクトロ・ビートとアゲっぷりはまさにEDM!

次はTommy Trash。連続のEDMセットでテンションが上がる。オーストラリア出身のエレクトロ・ハウス DJ、Tommy Trashはとにかく長い髪を激しく振り回していた。EDMアンセム「In My Mind」が掛かり、「東京!手を挙げろ」とオーディエンスを呼びかけ、Sebastian IngrossoとJohn Martinとの大ヒットコラボ曲「Reload」はもちろん、Steve Aoki「Ladi Dadi」のリミックスやEurythmicsのリミックスで観客を多いに盛り上げた。

続くKryomanのDJ setで登場した派手なLEDライトに身を包んだロボットには驚きました。ロボットの両手から白い煙が吹き出したり、ステージのわきから花火が飛び散ったり、音楽もヴィジュアルも刺激的。KRYOMANのパフォーマンスは単純に格好良かった。次にArmin Van Buuren主宰のレーベル、Armada Musicにサインしているアジア系DJ、SHOGUNことアンドリュー・チェンがSONIC BEATS STAGEに登場。トランスをメインとしたセットでは彼の代表曲「Skyfire」の生演奏が一番印象に残った。

次はelectroxステージにダッシュ!にこやかな笑顔でDJブースに立つLaidback LukeはEDMアンセムはもちろん、トランス、ハウス、からトライバル系まで、幅広いサウンドをスムーズに兼ね備えたセットを披露。ライオンキングの「サークルオブライフ」を流したり、色々な音源を使用してオーディエンスを最後まで楽しませた。

Laidback Lukeとスケジュールが被ったのが、エレクトロ・ポップ・デュオ、Capital Cities。EDMフェスとはいえ、バンドとの貴重なライブ・パフォーマンスは最高の盛り上がりを見せた。2013年のサマーソニックで来日した彼らは、アルバム「In a Tidal Wave Of Mystery」をショーケースし、ヒット曲「Safe and Sound」やBee Geesの「Staying Alive」のカヴァーを披露してオーディエンスをヒートアップさせた。

ダブステップ・モードに気分切り替え、Zeds DeadとModestepを見に行った。カナダ発のダブステップ・デュオ、Zeds Deadは体に叩きつけられるようなハードな重いビートと、自然と体が動いてしまうリズム溢れるセットをプレイした。そして、ModestepはDJ、ギター、ドラム、サンプラー、キーボード、MCのセットで登場した。ダブステップとロックをミックスしたクロスオーヴァー・サウンドが刺激的だった。

最後のダブステップアクトはSONIC BEATS STAGEのトリとして登場したNero。イギリス発のダブステップ・デュオは今年デビューアルバム『Welcome Reality』に続く2作目となる、ニューアルバムをリリースしますね。巨大LEDステージにブームボックスが映し出され、ドラマチックなライトショーが繰り広げられました。フロア・アンセムにして全英ナンバー・ワンを記録した「Promises」がかかると同時に女性ヴォーカリスト、アラナ・ワトソン(Alana Watson)も登場し、パワフルなヴォーカルと太いベース音で観客を魅惑した。

ヨーロッパ・ハード・ダンス・スタイル・シーンを代表するheadhunterzは今回出演アーティストの中で、唯一のハード・スタイルDJでした。海外ではハード・スタイルフェスが開催されるほど隆盛を誇るジャンルではありますが、まだ日本では認知度が低いこともあり、ハードスタイルのトップスターであるheadhunterzを間近で見れる超贅沢なチャンスでした。アドレナリンが湧き出るビートに合わせてメルボルンシャッフルを踊るファンを多数見かけました。



Boom Boom SatellitesとはEDMに影響される事の無い最高のセットで堂々としたLIVEパフォーマンスを見せた。会場を冷ますことなく、絶妙のタイミングでBROKEN MIRRORの流れは音楽ジャンルを問わず最高に盛り上がり、ライティングとのコラボレーションでオーディエンスを魅了した。

そして、すぐその後にSUNRISE STAGEのファイナリストm-floが満を持して登場。今回のDJセットでは☆Taku Takahashiが制作中の楽曲からEDM・ドラムンベースセットとVerbalのクラウドを煽り続けロックするラップとのマッシュアップでステージを最高潮へと引き上げ、先日発表されたニューアルバムからタイトル未定の新曲がドロップし最高な形でSUNRISE STAGEの幕を閉じた。

electroxで一番の盛り上がりを見せたのは、やっぱりパーティー番長、スティーブ・アオキのステージ。「CAKE ME」の看板を振り回すお客さんや肩車される美女らがフロアを埋め尽くし、会場のエナジーはマックスを達した。スティーブはひたすらステージを駆け回ったり、DJブースの上にのぼってダンスしたり、オーディエンスに負けないテンションを見せた。大評判のケーキ投げはもちろん、ジャンパンファイトやガス鉄砲などのエンターテイメントで観客を盛り上げた。なんとこの日は植野有砂がステージに選ばれ、巨大ケーキを投げつけられた。

次に、元Swedish House Mafiaの一員、スティーブ・アンジェロが登場!オープニングでは真っ暗な大ホールの巨大スクリーンにロゴがパチパチ光り、「TOKYO! My name is Steve Angello」と叫び、「You got to show me love」のリミックスでセットをスタート。「Greyhound」、「Antidote」、などSwedish House Mafia曲は当然の盛り上がりを見せた。「Don't You Worry Child」で会場内が一つとなり、大合唱がスタートした。Steve Angelloのセットは単純に格好良く、技術面も、ヴィジュアルも、すべて完璧だった。

そしてelectrox STAGEとフェスの大トリを務めたのはLMFAOのRedfoo & The La FreaK Crew。序盤からParty Rock Anthemで会場は一気にパーティーモード。日の丸鉢巻きを締めたRedfooはダンサー達とステージを飛び回り、アゲアゲのマイクパフォーマンスとダンスを見せた。時にはステージ上でウォッカを一気飲みもしてましたね。ダンス・クルーは切れのいいダンスでステージを熱くした。

今回のelectroxで感じた事は、全体的なオーディエンスの年齢層の幅広さだった。若い世代から中高年までEDM系音楽に対する様々な期待感を感じられた。特に今回のアーティストは長めのDJプレイはあまり見られないが、インパクトのある照明やレーザー、パフォーマンスによるエンターテイメント性の高い演出が特徴的で、矢継ぎ早に変わる選曲や中弛みの無い演出はこれからも多くの音楽ファンを取り入れる事だろう。クラブ系のジャンルで昼から夜にかけてのフェスではあったが幕張という場所を考えると、とてもありがたい配慮であった。

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