エレクトロニックダンスミュージックの急成長といわゆるオールジャンルのフェスでのヘッドライナーとしての拡大は、彼らのビジュアルプロダクションにも目を向けられることとなった。
ZEDDのコンサートでの脅威のビジュアルチームのドキュメンタリーやCoachellaでのTchamiのステージ演出などを紹介してきたが、今回はHalseyやThe ChainsmokersのCoachella 2016ステージの舞台裏でビジュアルチームとして活躍するVita MotusとElliot Dunwodyのビルボードとのインタビューを紹介する。彼らは去年のKaskadeのCoachellaステージも、EDCのBasspodステージ、Janelle MonaeとM.I.A.のセット、Electric ForestのTripolee Stageなどを担当した有名かつ魅力的なロスターを持つデザインカンパニー。
 

Halseyとのステージ構造を考えるときは、どのような経緯で?
ステージデザインにどれだけアーティストが関わるかの度合いは、アーティストによって違う。
Halseyの場合は、彼女の世界ツアーのキックオフという重要な初公演であったCoachellaのデザインは、幾度の電話やスカイプなどで念入りに本人とのクリエイティヴな会話が積まれた。
The Chainsmokersの場合は、彼らはすでにコンセプトを持っていたため、そのコンセプトをどのように引き出すかということに考えが重視された。結果として、僕らは、どのLEDライトを使用するかより、彫刻を築き上げることをモットーとするため、今回もLEDライトなどにより、The Chainsmokersが立つLEDライトによる彫刻のようなメインステージ部分を作った。

ショーデザイナーのHeatherは、この前に前職があったんだよね?
そう。僕は、実は、Audiという車のメーカーに勤めていて、その時は、車のデザインを担当していた。でも、そのスキルを音楽界で活躍する友人のために活用するようになってからは、パッション以上へと変化していき、現在に至るよ。10年前に、この業界で初の偉業を成し遂げたよ。それは、Coachellaの中でも、小規模かつアートに重点を置くDoLabのステージだよ。

EDMがプロダクションデザインに与えた影響はあると思う?
EDMは、何年もの間アンダーグラウンドであったけれど、常に新しいものを追求してきた。その精神は、公の存在となった今でも健全だと思う。
でも、そのうち、そのEDMの音楽の表現として存在するフェスティバルは、アーティスト以上に、その裏に存在するデザイナー、デジタルアーティストたちがフェスティバルカルチャーの成長と共に、もっとスポットライトが当たり、注目を浴びるようになるよ。映画のような概念だよ。いわゆる、その映画の出演俳優と同時に、どの監督、どのシネマトグラファー、どのプロダクションカンパニーかという軸で人々は映画を見るようになる。
このように、もっとアートの部分に重点を置くフェスティバルカルチャーが到来するよ。

今後のフェスティバルの動向は?
いわゆる何万人の観客を対象とする大規模のフェスティバルから、もっと小規模で、コラボレーションが満載の、きめ細やかなフェスティバルげ出てくるよ。