アメリカ出身の女性ラッパー、Jordan CapozziことLil Debbie(リル・デビー)
幼い頃からMac Dre, The Jacka, J. StalinといったベイエリアのアーティストからMadonnnaThe Spice Girls、その他ブラジルのジャズまで様々な音楽をを聴いて育ったLil Debbieは、15歳のときに女性ラッパーのKreayshawnV-Nastyと出会い、後に女性ヒップホップグループ「The White Girl Mob」を結成する。


しかしメンバー間に軋轢が生まれ、Lil DebbieはThe White Girl Mobを脱退。2012年からソロとしてキャリアをスタートしたものの、そもそもLil DebbieはKreayshawnのデビューシングル「Gucci Gucci」のミュージックビデオに登場したことがデビューのきっかけである上に、The White Girl Mobの中でも一番年下で、他のメンバー2人からは妹のように可愛がられて存在であっただけに、ソロ活動を始動したことへの反感を買ってしまい、グループ脱退後はKreayshawnから誹謗中傷を受けたりしたという。
 

だが、元メンバーだったV-NastyやラッパーのRiff Raffらとともに「Squirt」, 「2 Cups」, 「Gotta Ball」といったヒット曲を生み出し、2013年には自身初となるEP『Queen D』を発表。翌年には『California Sweetheart』、『California Sweetheart Pt. 2』の2枚のEPを出し、2013年と2014年にそれぞれ出したミックステープ『Keep It Lit』、『Young B!tch』などで人気を獲得していった。
 

Kreayshawnや彼女のファンをはじめとする多くの人から虐げられつつも、懸命に音楽活動を続け今の地位を獲得したLil Debbie。デビューEP『Queen D』を聴いても分かるように、今ではむしろそんなヘイターたちに向けた曲を作ることで、負のエネルギーをプラスに転換している。


今では大御所ラッパーのSnoop Doggからも大絶賛されている彼女だが、ヒップホップシーンだけにとどまらずEDMシーンからも注目されている。2015年にはオーストラリア出身のDJ、Will Sparksの「Get Lit」に、2016年にはWiwekYellow Clawがコラボした「Pop It」Yellow ClawFS Greenがコラボした「All My Bitches」にフィーチャリングとして参加。
 
 

2017年3月には4枚目となるEP『XXIII』をYellow Clawのレーベル Barong Familyからリリース。このEPではCesqeaux, Moksi, The Galaxy, Yung Felix, Yellow Claw, FS Greenとコラボするなど、すっかりBarong Familyの一員としての地位を確率したことを示すかのようなゲスト勢で、多くのファンを喜ばせた。「彼女のラップはMoksiのダンスフロア向けのサウンドやCesqeauxのヘビーなドロップなどとも抜群に相性が良い」とYellow Clawも太鼓判を押している。


同年4月にはYellow Clawが出したアルバム『Los Amsterdam』の収録曲でもある「City On Lockdown」でラッパーのJuicy Jとともに客演を務め、Los AmsterdamツアーでGTADOLFらとともにゲストで登場したりしていることからも、Yellow Clawからの信頼を寄せられていることが分かるのではあいだろうか。
 

ちなみに「宿題が多すぎるから」という理由で中退したものの、名門ファッションスクール「Fashion Institute of Design & Merchandising」でデザインについて学んでいたLil Debbieは、ラッパーだけでなく、モデルやファッションデザイナーなどマルチに活躍をしている。今後も目が離せないアーティストのひとりだ!

Written by MNN