第59回グラミー賞では最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞を受賞、全世界で開催されたツアーはSold outが続出し、世界的なビッグフェスにも引っ張りだこ、現在最も注目すべきアーティストであるFlumeに、来日公演直前、iFLYERは直撃インタビュー! 東京・大阪を回るツアー前に、今回のジャパンツアーについて、そしてアルバム「Skin」の制作秘話などを聞かせてもらった。
 

最新アルバム「Skin」の1stシングル「Never Be Like You」はとてもパーソナルで感情的な曲に仕上がっていますが、この曲を作成するにあたり刺激となった人/出来事はありますか?
Never Be Like Youのボーカルのカイは非常に才能のあるボーカリストなので、この曲はサボタージュに関する感情的な曲になった。彼女とはニューヨークで初めて会って、実はそこで一緒に曲作りを始めたんだ。スタジオでセッションして音楽を作っていたけど行き詰ってしまったので、息抜きにニューヨークの街をぶらぶらしてたら、ちょっとずつ行き詰まりの原因が明確になったんだ。仕上げは別々にしたんだけど、それは本当に素晴らしいプロセスだったよ。彼女は素晴らしいね。
 


アルバム「Skin」を作成するにあたり、特に苦労した出来事や、何か逸話などはありますか?
僕は間違いなくたくさん時間を使って、努力して「Skin」を作ったよ。最初のレコードが良い感じになった後も、自分自身にたくさんのプレッシャーを掛けてアイデアを絞り出した。僕はこれをより良いものにしたいと考えていた。作曲家として何度も行き詰まったから、たくさん瞑想をしたんだ。瞑想することによって、凄く助けられたよ。
あと、僕は本当に行き詰ったときはどこか遠くに出かけるようにしているんだけど、以前行き詰まったときには1人でメキシコに行ったね。アルバムの1曲目の「Helix」は、そうやって生まれたんだ。 更に、その後タスマニアに行った際に「Free」ができた。それで、自分の脳の仕組みを理解したよ。


観光スポットにも行きましたか?
自然だけ満喫してきた。メキシコではビーチに、タスマニアでは国立公園に行ったよ。できるだけ街からは離れるようにしていた。



アーティストとしての来年の目標を教えてください。
音楽を作ること! ツアーにばかり回っていて、前みたいに充分な曲作りができていないから、もっと制作にフォーカスしたいと思っているよ。


今回、初の単独来日公演ということですが、どのようなお気持ちですか?
初めて日本で公演することに興奮してるよ。
このショーは去年から始めたんだけど、 それ以来多くの案を練っていて、
新しい音楽や新しいビジュアルなどについての構想がたくさんあって、
それを洗練させていったんだ。 かなり時間が掛かったけど、
ショーをこのレベルにまで持ってこれたことがとても嬉しいし、
新しい観客の前で演奏することにワクワクしているよ。
私は2年前にフジロックであなたの公演を観ました。そこからあなたがどのように進化してきたのか、非常に興味があります。
過去に僕が日本で演奏したのは、そのときだけだったよね。あのときは最高だったよ! でもそれは今回と比較してはるかに小さいショーだった。「Skin」のツアーの前だったからね。


次のアルバム制作に向けて、既にアイディアはありますか?
常に構想を練っているので、アイデアはたくさんあるよ。今はそれを終わらせなきゃいけないので、頑張ってる。物事を始めるのは簡単だけど、終わらせるのは難しいよね。


グラミー賞にて最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム部門を受賞されましたが、受賞にあたり1番感謝を示したい方は誰ですか? 理由も教えてください!
あのときは本当にヤバかった。その時僕はシドニーにいて、カイはカナダにいたんだけど、カイから朝の4時に「グラミー賞にノミネートされたよ!」ってメッセージが来た。それは本当に最高の瞬間だった。受賞しちゃったんだよ! 超ヤバイよね。自分が受賞するなんて思ってもいなかったから。今、LAを拠点として活動していることが、更に僕の活動の助けになっている。みんなが受賞をきっかけにコラボレーションしてくれたり、活動の間口を広げてくれたよ。


「Skin」の中ではどの曲が特に思い入れ深いですか?
「Free」が一番のお気に入りだね。タスマニアに行ったときにできた曲だから。その時は作曲にとても苦労していた時期で、本当にヤバかったんだ。だから、その曲がついに出来上がった瞬間、長い間自分の目の前に立ちはだかっていた壁が壊れたような気がした。それからは、アルバムの他の曲もサクサク作ることができた。あれは本当のターニングポイントだったね。
 

「Skin」のアルバムコンセプトは何でしょうか?
「Skin」という名前にしたのは、僕にとって肌とはとても奇妙で、そしてまるでエイリアンみたいで、同時にとても有機的であり、安心できて温かく、生を感じさせるものだからなんだ。そして、僕はそれを音楽に落とし込みたいと思った。少し不快で、奇妙でエイリアンみたいで、しかし同時に生き生きとして温かく、そこに魂があるように感じてもらいたい。


次世代のアーティストたちに向けて、成功のためのアドバイスをお願いします。
あらゆる種類の音楽にチャレンジしてみて欲しい。一つだけではなく、ね。たくさんのプロデューサーが自分のジャンルやスタイルを確立しようとするあまりに、他のジャンルについてを学ぼうとする姿勢がなくなってしまう。もしあなたが少し風変わりで独特なものが作りたいと考えているなら、まずはルールを学んでからそれを壊すと良いと思う。そうすることによって、違いが分かるからね。だから、インディーロックサウンドを作って、スコアをつけてみたり、ポップなトラックを書き込んでみたり、ハウスミュージックを作ってみたり、様々な方法を学んだ方が良いよ。そして、様々な異なるジャンルのインストゥルメントやサウンドが、異なるBPMではどのように動作するのかを知れば、様々なジャンルからいいとこ取りができる。インディーロックから少し、ダンスミュージックからも少し、ヒップホップからも少し、といったようにね。それからあなたは全部の要素を一つにして、あなたのアイデンティティにできるんじゃないかな。


あなたの音楽に将来的に取り入れてみたいジャンルはありますか?
今現在、ジャンルはあまりにも曖昧だ。僕は気が向いたままに曲を聴く。気に入った曲があると、それは僕の音楽にさりげなく影響したりして、大体うまく調和していくんだよ。



ストリーミングサービスは音楽業界に変革をもたらしていますが、ご自身の創作活動にはどのような影響を与えていますか?
間違いなく変わってきているよね。間違いなくシングルの存在価値は変わってきていると思うよ。僕にとって、個人的には、自分の音楽の一部は本当に独特でありながらポップで、でも自分の曲の全てがポップというわけではないので、シングルだけでキャリアを作り上げるのにかなり苦労しているよ。
ドレイクはプレイリストを面白い手法で賢く使っていたんだよね。僕はSpotifyが大好きでいつも使っていて、そこで多くの音楽を見つけている。Spotifyのアルゴリズムはすごく優秀なので、音楽を見つける過程が素晴らしいものになった。色んなジャンルのものに目が向くようになったね。だから今はありとあらゆるジャンルを聴いているよ。
たとえ一昔前ほどでなくても、アーティストがお金を支払われて、誰もがそのアーティストたちの楽曲を聞くことができるシステムをSpotifyが作り出してくれて嬉しく思うよ。でも、今の時代はライブが大事だよね、本当に。だって僕は音楽だけではほとんど稼げないような時代に生まれてきたんだ。僕が子供の頃はNapsterやKazaaのようなファイル共有を使って違法にダウンロードしていたからね。当時は、今みたいに音楽に価値を見いだす時代になるなんて思いもしなかった。本当だってば(笑)。


ストリーミングサービスはこれから数年後の音楽業界にどういった影響を与えると思いますか?
良い質問だね。まだはっきりとはわからないな。それがどういうことを指しているのかわかってないと思う。間違いなく曲数の多いアルバムからは遠ざかっていて、一曲一曲を聴くという方向に向かっていると思う。でも確かじゃない。本当にわからないんだ。アルバムというものがなくならないことを祈るね。
 

今回インタビューに応じてくれたFlumeのサイン色紙とポラロイド写真をセットで2名様にプレゼント!

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Interviewer: Kiri、Chucky