アメリカでは ”アメリカ合衆国” という国家自体を皮肉ったり、世情を風刺したりする内容の歌をリリースするアーティストはとても多い。それもこれも「自由の国アメリカ」と自らを誇りつつも、しかし未だに人種差別や銃による問題、医療問題、他国との関係性や軍事問題等々、様々な問題を孕んだ世界一巨大な寄せ集めで新しい国家だからこそ…といった感じがあるが、昨日、CHILDISH GAMBINO(チャイルディッシュ・ガンビーノ)が、新たに政治的・社会的な風刺を利かせた新曲「THIS IS AMERICA」をリリースした。
 

CHILDISH GAMBINO はこの歌の中で、ヘヴィーな政治問題や銃問題についてを取り上げており、MVでは、頭に袋を被せられ椅子に座らされた死刑囚?の頭を突然打ち抜いたり、その後もゴスペルシンガーたちを次々と撃ち殺したりとショッキングなシーンも。陽気なメロディ、CHILDISH GAMBINO の軽やかなダンス、そして突然起こる惨劇との対比が観る者に強く印象付けるMVとなっている。
ハッピーそうに踊る人々や CHILDISH GAMBINO​ の背後では、悲惨な事件が起こっているが、華やかなメディアによってそれが見えなくなってしまっている。白馬に乗った死神の向こうにはパトカーが走っている。アメリカの現代社会の闇を切り取ったMVはリリース直後からアメリカ中を騒然とさせている。