2019年に今年20週年を迎えた名盤15枚。前回お送りした前編に加えて、今回は後編をお送りしたい。

1999年にはまだこの世に生を受けていない人も、この20年があっという間に感じられる人も、現在の音楽シーンのトレンドと比較しながら20年前の名盤の数々を聞いてみてはいかがだろうか?
 

Beck -『Midnite Vultures』

1999年11月23日にリリースされた、Beck(ベック)による7枚目のスタジオアルバム。 Beck のこれまでのアルバムと同様、多種多様なスタイルが盛り込まれている作品。2つ前のアルバム『Odelay』のような大ヒット作ではなかったが、それでも批評家の称賛を受け、商業的に成功した。

 

The Beta Band -『The Three E.P.'s』

スコットランドのグループ The Beta Band(ザ・ベータ・バンド)による最初の3枚を EP を一つにしたコンピレーションアルバム。『Champion Versions』、『The Patty Patty Sound』、『Los Amigos del Beta Bandidos』の3枚で構成されていて、1999年1月26日に米国でリリースされた。アルバムのジャケットは3枚の EP それぞれのメインイメージを使用。
米Q誌はこのアルバムを "史上最高の100枚" の74位にランク付けし、Pitchfork では "1990年代のトップ100アルバム" の23位にランク付けした。

 

The Flaming Lips -『The Soft Bulletin』

1999年5月17日にリリースされた、The Flaming Lips(ザ・フレイミング・リップス)による9枚目のスタジオアルバム。これまでのギターを多用してきたバンドサウンンドとは異なり、シンセサイザーなどを使い複雑にアレンジされたこの作品は評論家から賞賛された。ファンからも賞賛され、数多くの "Best of 1999" にランクイン。このリリースを皮切りに何年にもわたって賞賛され、現在では最も尊敬されているグループの1つに。 
作家の Robert Dimery(ロバート・ディマリー)は、 『The Soft Bulletin』と次作『Yoshimi Battles The Pink Robots』を "死ぬ前に聴くべき1001枚のアルバム" に選出。Pitchfork は、1990年代のトップ100アルバムの中でアルバム3位にをランク付けし、10点満点を付けた。数多くの音楽雑誌が絶賛したアルバム。

 

Red Hot Chili Peppers -『Californication』

1999年6月8日にリリースされた、Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)7枚目のスタジオアルバム。
タイトルの由来は、資本主義の象徴であるハリウッド映画産業を抱える "California" と「姦淫する」という意味を含む "fornicate" を合わせた造語で、一種のレベリズム(反逆精神)的なタイトルになっている。薬物中毒から立ち直ったジョン・フルシアンテがバンドに復帰して制作されたアルバムで、シングルカットされた「Scar tissue」で二度目のグラミー賞を獲得。また同年行われた30周年となるウッドストックでは、Red Hot Chili Peppers は最終日のトリとして出演した。

 

Moby -『Play』

 1999年5月17日にリリースされた、Moby(モービー)5枚目のアルバム。
このアルバムまで Moby はエレクトロニックダンスミュージックシーンで成功をおさめていたが、『Play』はシーンをこえて商業的にも成功。このアルバムは世界のチャートを独占し、また映画、テレビを通じて今まで彼の音楽を聞いていた人以外の人たちの耳に届くことに。最終的に史上最大に売れたエレクトロニカアルバムとなり、世界中で1200万枚以上売られた。
2003年と2012年に、アルバムはローリングストーン誌”史上最高の500のアルバム”341位にランクイン。グラミー賞とブリット賞の両方にノミネートされ、2000年にイギリスで最も売れているインディーズアルバムに。20カ国以上でプラチナ認定を受けている。

 

Built to Spil -『Keep It Like a Secret』

1999年2月2日にリリースされた、アイダホの5人組インディロックバンド Built to Spil(ビルト・トゥ・スピル)による4枚目のスタジオアルバムにして、彼らの作品の中で最高傑作とも言われているアルバム。面白みのある曲の展開も素晴らしく、アルバム全体の構成には脱帽。
Pitchfork が "90年代のトップアルバム" リストで41位にランク付けした。

 

The Dismemberment Plan -『Emergency and I』

1999年10月26日にリリースされた、ワシントン D.C.出身のインディロックバンド The Dismemberment Plan(ザ・ディスメンバメント・プラン)の3枚目のアルバム。 このアルバムを境にバンドは大きな転機を迎え、世界的に有名なバンドに。Pitchfork はこのアルバムを年間ベストアルバム1位に選出。2011年の再発売時にはレビューで10点満点を獲得した。

 

Wilco -『Summerteeth』

1999年3月9日にリリースされた、アメリカのオルタナティブロックバンド Wilco(ウィルコ)による3枚目のスタジオアルバム。 このアルバムは、20世紀の文学、そしてボーカルの Jeff Tweedy の夫婦間の問題に影響を受け制作された。 
バンドがイギリスのトップ40にランクインした初めてのアルバムで、数多くのメディアがこのアルバムを賞賛。Pitchfork は "1990年代のベストアルバム" の31位にランク付け。現在バンドは "アメリカの良心" と形容されている。