クラブで遊んでいると DJ ブースに置かれた MacBook が目に留まるはず。クラブに行ったことがない人でも、DJ のパソコンといえば MacBook、という印象を持っている人は多いことだろう。

かくいう筆者も DJ デビュー後に他社ブランドのノートパソコンから MacBook に乗り換えて、現在まで使い続けているうちの一人である。しかし、MacBook に買い換えるべき確固たる理由は特になく「 MacBook で DJ してる人たちカッケエじゃん!」というノリと勢いしかなかった。生まれて初めてスタバのテーブルで MacBook を広げた瞬間はさすがに照れ臭かったが、MacBook ユーザーになったんだという実感が湧いたし、MacBook を DJ ブースに置いて DJ をすると、それまで以上に "DJしている" という気持ちになった。その程度のかぶれ者だったのだ。

実際のところ筆者のように「みんな使っているから」という理由で MacBook ユーザーになった人は多いことだろう。正直なところ、MacBook と同等のスペックのノートパソコンはいくらでもある。では、そもそもなぜ MacBook を使う DJ が多くなったのか。その理由を海外のサイトを中心に調べてみた。

DJ に MacBook ユーザーが多い理由


・オーディオドライバの設定が簡単
Windows より Macbook の方がオーディオドライバの設定が簡単なため DJ 機材との接続が簡単である。さらに MIDI 設定も初期インストールされているアプリで簡単に確認できる。

・勝手に OS がアップデートされない
Windows だと起動時や使用中に自動的に OS やソフトウェアがアップデートされることがよくある。筆者の知り合いの Windows PC ユーザーの中にも DJ 中に Windows の OS のアップデートが始まってしまい、DJ が中断してしまうハプニングに見舞われている人もいた。これを防ぐにはソフトのインストールや細かい設定をしなくてはいけないが、MacBopk はインストール推奨の通知をしてくるだけで、設定で通知が来ないようにできるので心配無用だ。

・レイテンシーが低い
MacBook は音を鳴らしたり録音したりする時に発生するレイテンシー(遅延)が少ないため音楽に向いている。特に PC ソフトでビートを合わせたりスクラッチをする際にレイテンシーが多いと支障が出てしまう。さらに、MacBook での演奏中はソフトがフリーズしても音源は流れ続けていることが多いため、ステージ上でのハプニングも少ない。

予期せぬエラーが少ない
Windows で作業をしているとソフトが予期せぬエラーで強制終了されてしまうが、MacBook は予期せぬエラーの発生が少ない。

といった具合で、テクニカル面で Windows に勝るため、MacBook ユーザーが多いのだろう。しかし、MacBook の全てが良いわけではない。DJ がMacBook を使うのにはデメリットもある。
 

DJ が MacBook を使うデメリット

・高い
MacBook は安くても10万円前後と、Windows PC に比べると高価である。充電器をはじめとした純正アイテムも軒並み高いので、全体的にコストが高く付く。さらに MacBook は全て同じようなデザインなので置き引きの被害に遭いやすいし、買い替えにはそれなりの覚悟がいる。

・Windows との互換性がないものがある
DJ で使う MacBook を仕事や日常生活で使う人は多いのではないだろうか。しかし、国内のデスクトップ OSの約86%が Windows であり MacBook を使うことは世間的にマイノリティとなるため、肩身の狭い思いをすることも。互換性のないソフトが多く、送られてきた添付ファイルが表示されなかったり、作業に必要なソフトがインストールできなかったりと、不便なことも多々あるだろう。

もちろん Windows のパソコンでもスペックをかなり高くして設定を完璧に施せば MacBook より高い性能を発揮できる。だが機械系に詳しくないが DJ をやりたいという場合は、とりあえず MacBook を使うことをオススメする。

Written by So-on