共に今月頭から自身のSNSを駆使してカウントダウンを始め、5月17日同時にニュー・アルバム『IGOR/イゴール』をリリースした Tyler, The Creator（タイラー・ザ・クリエイター）と『Father of Asahd/ファーザー・オブ・アサド』をリリースした DJ Khaled（DJキャレド）。
 

西はLAを拠点にストリート・カルチャーのアイコンとして絶大なる人気を誇る Tyler, The Creator、そして東はビヨンセ、ジェイ・Z、ジャスティン・ビーバー、クリス・ブラウンからリアーナまでを自身の作品に集結させてしまう驚異の人脈を持ったマイアミの絶対覇者 DJ Khaled、この二人の東西頂上決戦の行方は発売当初より全世界のメディア、そしてファンから大きな注目を集めていたが、今週ついにその決着がついた。

結果は１週間のストリーミング数で DJ Khaled が 1億２千320万再生、Tyler, The Creator が１億２千290万再生とわずかにキャレドが上回るも、アルバム単位の週間セールスで Tyler, The Creator が7万4千枚、DJ Khaled が3万４千枚と大きく引き離し、最終的な軍配は Tyler, The Creator に上がった。なお、この勝敗を予見するように、世界最大級の大手音楽配信サービス Spotify の USトップ50 が、アルバム発売日に１位から５位まで、全てタイラーの新作からの楽曲で占められた事も話題となっていた。
 
 

なお、共にファン向けのグッズ付きアルバムにも力を入れていた事も興味深い。Tyler, The Creator はTシャツとステッカー、そして”イゴールに一票を”と記された立て札のセット（アメリカでは選挙の際に自分の庭に応援する候補者の名を記した立て札を立てる慣習がある）、DJ Khaled は若年層を意識した”目の覚めるエナジードリンク”とエナジー系サプリのセット用意しファンにプッシュ。今回は”イゴールに一票を”という Tyler, The Creator の想いにファンが答える形となり、悲願のキャリア初全米アルバムチャート初登場１位の座を今回手にし、その喜びを自身のソーシャルで思い切り表現している。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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ストリーミングの普及により単曲聴きが主流となっているアメリカにおいて、今回の結果は特に大きな注目を集めているが、ストリーミング時代の死角をついて自身初のNo.1を勝ち取った Tyler, The Creator の才覚には脱帽するしかない。