世界的な人気 EDM スターである KSHMR(カシミア)は、ここ日本でも非常に人気が高い DJ/プロデューサーの一人である。EDC JAPAN 2019 では、彼らしいオリエンタルでアッパーなサウンドで、フロアを KSHMR ワールドに染め上げてくれた。
EDC JAPAN 2019 出演時の KSHMR に、iFLYER は独占インタビューを敢行! 楽曲の制作について、そして日本への想いなどを語ってもらった。


 
 


iFLYER:今日のセットはどうでした?

KSHMR:
すごくよかったよ。



iFLYER:オーディエンスはどうでした?

KSHMR:
最高だった。エナジーをずっと感じられたし、手をずっとあげていてくれたり、一緒に僕の曲を歌ってくれたり、なんて言うか、DJ と観客のキャッチボールができていた。本当に素晴らしいオーディエンスだったよ。



iFLYER:あなた自身のルーツでもあるインドらしいサウンドで唯一無二の存在となっていますが、コラボ曲を作る際に気をつけていることはありますか?

KSHMR:
僕がコラボするとき? 最近は、みんなが様々なアイディアを送ってくれる。エスニック風な曲調だったり、僕と一緒に曲を作ることに適していると思ってくれているようなアイデアをね。だから、KSHMR 色を強くしたり、コラボ相手の曲調を強く押し出したりというようなことで、コラボレーションに関して今まで困ったことはないかな。
エスニックサウンドが僕の特徴ではあるけれど、僕は常に、曲が最高な形になるのであればオープンでいるよ。様々なものを付け加える前の曲を考えたときに、基本となるものはメロディー、もしくはボーカルだ。ボーカル=メロディーだね。それが曲の基礎となっているが、フィーチャー部分は、どんな特徴を持つ曲にするのか……ハウスにするのか、サイトランスにするのか、そういった部分をきちんと考えるようにしている。

KSHMR x KAAZE - Devil Inside Me (feat. KARRA)​ 

また、曲がきちんと一貫して筋が通るようにとも考えている。だから、メロディーから始まって、その後は、僕はどんなサウンドにもオープンでいる。様々なジャンルや曲調を探したり試したりするのが好きだ。だから時々、僕はインディアンテイストな曲をやり過ぎているような気がして、特に今は、他のアーティストがどんなアイディアを持っているのかに対して、とてもオープンでいるんだ。

例えば KAAZE、僕とのコラボ曲の元々のアイディアは彼が持っていた。そこから始めてみたら、こう、僕の頭のどこかにある音楽の感覚が目覚めた。だからそれに従ってやってみて、どういった楽曲になるのか試してみよう、ってね。



iFLYER:繊細で力強い Krewella のボーカルが素晴らしくマッチ​している "No Regrets"、は Yves Vのアイディアからスタートしたとのことですが、どいった経緯でこのようなメッセージ性の強い楽曲を作ろうと思ったのですか?

KSHMR:
元々は Yves V がアイディアを送ってきたんだ。ドロップとかが何もない状態だったけどね。ボーカルがとても良くて、その時点で非常にワクワクする何かを感じた。それで、その曲に10回、15回と違うものを付け加えたり、試したりした。非常に難しくて大変だった。

でも、どんなにいろいろ試しても、最終的に最初のものが良かったりすることもある。だからこの曲は、最初に試したドロップとメロディーにしたんだ。時々、その曲に様々なアイディアを出して長時間を費やしているうちに、曲に対して意気消沈してしまうこともあるし、様々なことを試しているうちに何がいいのか分からなくなってくることもある。でも、全てがスムーズに上手くいくときには、非常に前向きな気持ちで、楽しく熱心に楽曲制作を進められる。

KSHMR & Yves V - No Regrets (feat. Krewella)​

それから、「15分で曲を作る。もしその15分で上手くいかなかったら、その曲作りを止めて、別の新しい楽曲制作に取り組む」ってビートルズは言ってたんだけど、僕の性格的にはそれは無理だ。僕は、その楽曲が燃え尽きてしまうくらいまで、楽曲制作に取り組む。なんていうか、それが僕のプライドなのかもしれない。でも、時にはとても簡単にアイディアが浮かんできて、急速に曲が仕上がったりもするんだ。例えば “Like a G6” とかね。 “Secrets” もそうだし、他の楽曲にもそういうのがある。

よく、フェスやショーで Krewella と一緒になるんだけど、彼女たちはクールでとても良い子たちだし、彼女たちも自分たちのルーツを曲に反映させることに興味を持っていた。また、僕と Krewella には多くの共通点がある。だからコラボできてとても良かった。

ミュージックビデオに関しては、僕らはビデオに甚大なパワーを込めた。撮影はインドで行われたけど、非常に大変だった。僕はその場にいなかったけど、色々な人を集めて、レスリングの映像を撮影した。とても大変で苦しい撮影だったと僕は理解しているよ。




iFLYER:ミュージックビデオは KSHMR のご友人が題材になったと聞きましたが?

KSHMR:
そうだね。題材は僕の友だちだ。でも、僕の友だちの方がもっと難しいシチュエーションにいる。

僕の母親が長い間付き合っていた彼氏の Bill は、特殊教育の先生をしていたんだけど、彼の子どもには親友がいた。彼は Alex というんだけど、Alex はとても小さな男の子で、車椅子と呼吸模擬装置を使っていた。僕らはみんなでそこへ行って、僕の母親は彼氏の Bill と一緒にいて、僕はその Alex と遊んでいた。Alex はレスリングの “WWF” が大好きだった。僕もレスリングが好きで、Alex とレスリングの話をした。Alex は、彼の大好きなレスラーの写真を壁に貼り付けていた……。


どんなメッセージだったかは定かではないけど、その時に人生の重さを考えさせられたんだ。誰かを責めたり、怒ったりとかそういうことではない。ただ、人生ってなんて難しいんだろう、と考えた。だってまだ幼い彼は、車椅子に乗り、呼吸模擬装置を装着していて、できることが限られている。でも、レスラーが彼のアイドルなんだ。

なんていうか、すごくキラキラしている一方で、その事実はめちゃくちゃでもある。非常に重い問題だと思う。だから、そういったことへの興味を喚起させられるようなミュージックビデオが作れたら、と思ったんだよね。

KSHMR & Yves V - No Regrets (feat. Krewella) [Official Music Video]​


iFLYER:S2O でも披露された、日本語の印象的な VJ に込められた意味を教えてください。

KSHMR:
僕は最初にショーを始めたときから、他とは違う何かを皆に与えたかった。だから、ストーリー性を持たせようと思ったんだ。僕は、音楽にはストーリーがあると思っている。映画のような感じかな。

1番初めに出演したショーから、僕たちは様々なストーリーを制作してきた。恐らくその S2O でのストーリーは、一番新しいストーリーで、巨人と、幼い少女のストーリーかな。僕は既に復讐モノのストーリーや、勧善懲悪のストーリーはやってきたから、 S2O のストーリーは少し神秘的な感じというのかな……ミステリアスなキャラクターが登場して、そのキャラクター(巨人)に親しみがわいたところで巨人を殺すんだ。だってその方が面白いだろ。でも、彼は生き返ってくるんだ。だってそれが映画の醍醐味だろ? 好きなキャラクターは生き返らせなきゃな。



iFLYER:KSHMR の人生の中で一番大事なポリシーは何ですか?

KSHMR:
僕は発言や行動、全てに繋がりを持たせるようにしている。例えば、誰かが最低な奴だったとして、僕はそいつに対してそう感じていないような素振りはできない。でも、ごく稀にそうしてしまうときもある。すると、どんどん自分の中で怒りが溜まってしまう。

僕は友だちの言動などにとても迷惑している、というのを伝えられなかったときがあった。結果、彼らはそういったことをやり続けるから、非常に迷惑であるにも関わらず、僕は言えないでいた。

でも、彼らの何が僕にとって嫌なのかということをきちんと伝えなければならないと思った。でないと、友情関係・交友関係においてフェアじゃない。なぜなら、僕が彼らにそのことを話していないので、彼らは本当の理由を知らないままに、徐々に距離を置くことになってしまうからね。

だから、何を思って、何を言って、何をするか、この三つを頭に入れて行動するように心がけている。この内容って確か、ガンジーかマザーテレサの引用文があった気がする。

どんな自分を演出しようかとか、どんな自分でいようとかは考えず、混乱するべきではないと思う。そうすれば肩の荷が下りるし、少しはラクになれる。ただ自分に正直でいることだね。



iFLYER:日本のファンに向けてメッセージを下さい。

KSHMR:
いつも友だちと「どの国が一番最高か」と話しているけど、日本は常にそのリストの上位にはいるね。日本は僕の幼少時代に、僕らの国に最も影響を与えた国だと思う。

個人的には、僕はビデオゲームが大好きで、特に Final Fantacy 7が好きだったんだけど、このゲームが僕の人生を大きく変えたね。FF 7 の曲はピアノで習った。ピアノで弾いて、音楽、そして、リメイクがリリースされる。ビデオゲームについて話すのは、ちょっと変な感じがするかもだけど、ビデオゲームは僕の人生において大きな割合を占めている。

日本の存在はとても大きいけれど、実は小さな島国で、でもアメリカにも影響力を与えた国だと思う。アメリカは他の様々な国に影響を与え慣れているように見えるけど、日本は想像できないくらいそのアメリカに影響を与えたと思う。特に僕はね。だから、日本は僕の人生において大きな割合を占めているし、アメリカで育った多くの人々もそうだと思う。

とても感謝しているし、だからもしこれを見ている君には多分、全く関係ないことに感じられるかもしれないけど、君たちの国はとても素晴らしいことをしてきた。僕は、日本は本当にクールな国だと思うし、日本人であることは誇れることだ。本当にみんな大好きだよ。ありがとう。



 
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