ヒップホップの曲を聞いていると、ラッパー本人ではない人の声ネタが歌い出し直前に差し込まれていることが多々ある。様々なアーティストの曲を聞いているはずなのに同じ声ネタが使われている、なんてこともあるはず。

ヒップホップにおけるネームタグの存在

ヒップホップの楽曲は歌い手であるラッパーやシンガーだけに注目されがちだが、楽曲のインストやフックのメロディラインを作っているプロデューサーも重要な役割。楽曲のタイトルにプロデューサー名がクレジットされていることもあるが、もっとわかりやすくアピールするために曲の歌い出し直前にそのプロデューサーの "お決まりの声ネタ" をネームタグとして入れていることがある。

分かりやすい例で言えば DJ Kahled の「ディージェーキャレード!!」のシャウト。このシャウトは DJ Khaled が手がけたほぼ全ての曲に入っている。
 

人によっては自分の名前でなく自分を象徴するワードや動物の鳴き声だったりすることもある。ここからは最近流行りのトラックを手がけているプロデューサーのタグをいくつか紹介しよう。
 

Take A Daytrip


最近では Lil Nas X(リル・ナズX) の「Panini」や Sheck Wes(シェック・ウェス) の「Mo Bamba」など大ヒット曲のプロデュースを行なっている2人組プロデューサーデュオ Take A Daytrip(テイク・ア・デイトリップ)。彼のネームタグである「Daytrip took it to 10」というワードは彼がプロデュースした Jesse(ジェシー)の「Barbie&Ken」のリリックとして歌われていた後からネームタグとして他の楽曲にも使用されている。
 
 

D.A.Doman


Tyga(タイガ) とのタッグでヒットを量産している D.A.Doman(DAドーマン)「D.A. Got That Dope」というワードのタグがお決まり。他にも Kid Ind(キッド・インク)Chris Brown(クリス・ブラウン)など売れっ子アーティストたちをプロデュースしているので聞いたことあるかも。
 

Murda Beatz


Drake(ドレイク)の「Nice For What」や 6ix9ine(シックスナイン)の「Fefe」など大ヒットを生み出している超売れっ子プロデューサーと言えばMurda Beatz(マーダ・ビーツ)。

彼のプロデュース曲に使われるタグは「Murda on the beat so it's not nice(Murda のビートだからナイスじゃないね)」という少し皮肉めいたもの。これを使った曲が飛ぶように売れているのだから面白い。
 

以上のように、楽曲によってはプロデューサーのアイデンティとしてタグが使われていることがある。もしヒップホップの曲を聞いていて気に入った曲があったらプロデューサーを調べてみて欲しい。

Written by So-on