新型コロナからもうすぐ1年が経とうとしている。未だ全世界で猛威を奮っている新型コロナウィルスだが、全世界で新型コロナウィルス感染者ゼロの国はあるのだろうか……?
いくつかのレポートとデータを検索した結果、感染者ゼロの国も存在するようだ(※2020年1月3日時点のデータ)。

また、感染者がゼロでなくとも、いち早く厳格なロックダウンを行って感染を抑え、フェスティバルを開催したり、マスクなしで普通に暮らせている国もある。それは、先日7,000人規模で野外ダンス・ミュージックフェスティバルを開催したニュージーランドと台湾だ。
 

NHK によると、1月6日の時点で、全世界合わせて感染者数:86,405,927人、死亡:1,868,768人となっているが、少し日を遡って、2021年1月3日(日)時点で感染者ゼロの国を調べてみた。(2020年9月22日時点で、北朝鮮とトルクメニスタンは世界保健機関(WHO)に「感染者ゼロ」と報告しているが、両国は独裁体制によって情報が統制されているため、除外する

1. サモア(ほぼ 0)
2. キリバス共和国
3. ミクロネシア連邦
4. トンガ王国
5. パラオ
6. ツバル
7. ナウル共和国


2021年1月6日時点で上記7か国ではコロナ感染者が0名となっている。では、なぜ世界で100万人以上(回復者含)も感染しているのにも関わらず、上記の国は全く感染者がいないのだろうか?
 

サモア

サモアは、南太平洋に位置する島国である。面積は鳥取県よりも若干狭い程度。
人口:198,413人

サモアでは、2020年3月25日からロックダウンを行っている。現在も非常事態宣言が発令されたままで、国を出入りする全ての国際旅行が一時停止となっている。緊急事態宣言の発令後、新型コロナウイルス感染者は確認されていなかったが、11月19日に初の新型コロナウイルスの感染者が確認された。感染者は船員で、ニュージーランド経由で帰国後の PCR 検査で陽性反応が出た。


 

キリバス共和国

キリバス共和国は、南太平洋に浮かぶ33の島からなる小国。面積は奄美大島程度。
人口:11,600人

キリバスでは新型コロナの症例が0名となっている。だが緊急事態宣言を発令し、2020年3月30日から約2週間に渡って休校となった。新型コロナウイルスの警戒レベルは4段階あるうちの1番下「レベル1:十分注意してください。」となっている。


 

ミクロネシア連邦

ミクロネシア連邦は、太平洋の赤道の北半球側に沿って点在する607の小さな島々と環礁からなる島嶼国。東・西カロリン諸島という名称でも知られている。面積は奄美大島と同規模。
人口:112,640人

2020年2月初旬から、中国からの入国や中国を旅行した人に対する全面的な入国禁止を実施。新型コロナウイルスの警戒レベルは4段階あるうちの1番下「レベル1:十分注意してください。」。しかしその一方で、ミクロネシア連邦は現在デング熱が発生しているとのことで、蚊に刺されないようにとのアラートが出ている。


 

トンガ王国

トンガ王国は、南太平洋に浮かぶ大小約170の島が4つの諸島を構成した南太平洋の島国。面積は奄美大島よりやや大きい程度。
人口:105,323人

トンガ王国は2月から厳しい渡航規制が敷かれており、2020年の3月29日からロックダウンを行っている。2021年1月18日までの期間で非常事態宣言が発令されており、夜間の外出禁止(午前0時~午前5時)、集会の規制、ソーシャルディスタンスの確保などの国家指示が出されている。


 

パラオ​共和国

パラオ共和国は、太平洋のミクロネシア地域に位置する。200以上の島々から成るパラオだが、人が住んでいる島は最大都市があるコロール島を含め9島のみ。世界遺産に登録されている「ロックアイランド群と南ラグーン」がある。面積は屋久島とほぼ同じ大きさ。
人口:17,907人

以前、グアムから帰国した男性がコロナの疑いがありテストを受けたが、結果は陰性だったとのこと。現時点で新型コロナウイルスの感染者は0名だ。また2月の段階で、中国本土、香港、マカオへの渡航歴があるか、これらの地域で乗継をした旅行者の入国を禁止する措置が取られていた。


 

ツバル

9つの島からなるオセアニアの小さな国で「天国に一番近い国」と呼ばれている国、ツバル。面積は東京都品川区とほぼ同じ大きさ。
人口:11,000人

ツバルは2月から、ツバル上陸前の30日以内に中国への渡航歴を有する渡航者全てが入国禁止といった厳しい規制を行っていた。更に世界で最も観光客が少ない国の1つとして知られており、年間の観光客は約200人程度とのこと。人口自体も少なく、こういった条件が重なりコロナ・フリーの国となっているようだ。


 

ナウル共和国​

太平洋南西部に位置するナウル島にあるナウル共和国。ナウル共和国は2020年10月1日に日本語の公式 Twitter を作り投稿。わずか1週間でフォロワーが2万人となり話題となった国だ。誰が呟いているのか不明だが、ツイートがなかなか面白いことから人気急上昇中だ。
人口:10,823人

ナウル共和国は、ツバルと同じく世界で最も観光者が少ない国の1つとして知られており、それがコロナフリーの国としての大きな要因となっていることは確かだろう。そんなナウルも早期に鎖国政策をし、2020年7月に国家非常事態宣言を発令。週1便の飛行機を除き、全ての入国規制を行った。


 
 
 

コロナフリーの国々は以上となるが、全ての国に共通して言えることは「人口が少ない」「島国」そして「新型コロナ初期段階から厳格にロックダウンや渡航規制」をした国が感染者0名となっていることがわかる。ニュージーランドや台湾も同じく島国であるが、上記の国のように際立って小さい島国ではない。

一方、日本も島国ではあるが面積は比較的大きく、人口も多い。他国と比べるのはナンセンスではあるが、下記がニュージーランド、台湾、日本の面積と人口である。

ニュージーランド
面積:日本の約4分の3
人口:5,005,882人

台湾
面積:九州よりやや小さい
人口:23,600,000人

日本
面積:日本は東アジア最大の島国である。世界で4番目に大きい島国
人口:124,271,318人


面積や人口の違い、そして経済的な理由もあるだろうが、外国からの入国を緩和した日本政府の政策は、新型コロナ対策としては結果的にかなりマイナスとなってしまったことは確かだろう……。