現在は、新型コロナの影響でリモートワークになり通勤時間が減った分、朝は以前よりも少しは長く寝れる、という方も多いかもしれない。だがそれにより、今までのルーティンや体内時計が少し狂ってしまった方もいるのでは……?

更にそれに拍車をかけそうな事実がある。多くの方が利用しているだろう、目覚まし時計や携帯電話にある「スヌーズ機能」。そのスヌーズ機能を定期的に使用していると「昼間は疲れやすくなり、夜は眠れなくなる」という悪影響が出るという。
快適な1日を過ごすために、スヌーズ機能がもたらす「悪影響」と「解決方法」をご紹介しよう。
 

スヌーズ機能とは...?

スヌーズ機能とは、目覚まし時計や携帯電話にある設定で、アラームを停止しても短時間後に再びアラームが鳴る機能である。「あと5分だけ」「あと10分だけ」と……と、アラームが鳴ってはスヌーズを押し、また眠る……というのを繰り返している人は多いことだろう。early bird によると、成人の3人に1人以上が、朝確実に起床するまでに約3回程度スヌーズ機能を使用しているという。また、20代から30代前半の成人は、毎朝スヌーズボタンを押しているそうだ。

スヌーズ機能が睡眠サイクルを破壊

ベッドに入り、眠気を感じ、眠り始める。この瞬間はまだ浅い眠りの状態で、心拍数と体温が下がる。浅い眠りが終わると深い眠りがやってくる。この「深い眠り」がとても重要な睡眠時間となる。なぜ重要なのかというと、この「深い眠り」の時間に人間は仕事で疲れた体の組織を回復させ、骨と筋肉を作り、免疫システムを強化するためだ。

深い眠りについた後、レム睡眠に移る。レム睡眠の最中、脳が非常に活発になるため、人は夢を見るそうだ。だが一方で、レム睡眠には非常に高い回復力を促してくれる作用があり、十分なレム睡眠を取ることによって翌日すっきりとした日中を送ることができる。レム睡眠を十分にとると、活発で集中力のある1日になるのである。通常このレム睡眠のサイクルは90分単位で、1晩中繰り返しているそうだ。


さて、このレム睡眠とスヌーズ機能の関係だが、通常、最後のレム睡眠のサイクルに入っているときアラームが鳴るそうだ。目覚ましが鳴り、起き上がったと同時にレム睡眠は終了する。だが、スヌーズ機能を押し、再度眠りに付くとレム睡眠のサイクルに戻ってしまう。

2度目のアラームが鳴り起きることにより、最後のレム睡眠に起きるのではなく、レム睡眠の途中で目覚めてしまうことになるわけだ。その結果、意識が朦朧とし、頭がぼんやりしてしまうことに繋がる。これは1日が始まる朝の目覚めにとって、とても不効率な事である。
 

スヌーズ機能を使用することにより起こり得る長期的な影響

前の夜にきちんとした時間に就寝していれば、体内時計が働いて、アラームが鳴ったときにきちんと起床できる。だがスヌーズ機能を使用し、再度睡眠に戻ると、体内時計のシステムが混乱した状態になってしまう。よって、スヌーズ機能を毎日使用していると、体内時計が狂い、体が「いつ起床するのか」「いつ就寝するのか」分からなくなってくるそうだ。


体が「いつ就寝するのか」を把握していないと、ベッドに入った時に寝つきが悪くなり、寝返りを打つことが多くなってしまうそうだ。その結果、必要不可欠な睡眠の質が低下してしまう。驚くことに、経った1週間の睡眠不足で体内にある何百もの遺伝子が破壊されるとのことだ。それによりストレスを感じ、免疫力が低下、炎症なども起こしやすくなるそうだ。ストレスを感じると集中力が低下し、イライラの原因となってしまう。

更に、免疫システムが十分に機能していないと病気にかかりやすくなる。新型コロナウイルスが猛威を奮っている今、必要なのは免疫力を高めることだ。病気にかかることにより、更に質のよい睡眠を取りづらくなってしまうため、悪循環である。
 

スヌーズ代わりにできることとは

答えはとても簡単で、1回目のアラームで起床することである。スヌーズ機能に慣れている方にとって、最初は不快に感じるかもしれない。だが、目覚ましをオフした数分後には、朦朧とした意識も自然と薄れていく。1度で目覚めることによって、その日1日を快適に過ごせるのである。


どうしてもスヌーズ機能を使ってしまいそうだと言う方は、アラームを別の部屋に設置するか、ベッドから離れた場所に設置するという昔ながらの方法を試してみるといいかもしれない。

スヌーズ機能を毎日使用しているという方は、1度スヌーズなしで起床し「昼間の気分」や「夜の睡眠」がどう変わるか試してみるのはいかがだろうか。