DJ スクールや貸しスタジオなどをイギリス、アメリカ、ドイツ、アイルランドの4カ国にて運営する Pirate Studios が音楽業界の現状の認識を広げるために顧客である DJ に調査を行なったところ、回答した DJ の70% が、新型コロナウイルスの隔離期間中「再トレーニングをした、もしくは新しいスキルを習得した」と答え、更に DJ の67% が「隔離期間は音楽業界に良い影響を与えた」と回答したそうだ。
また、厳しい規制が課せられた期間中に DJ は「自身の DJ スキルを磨くことでロックダウンを乗り越えて来た」とのことだ。


この調査結果で分かったことは、DJ たちからは概ね前向きな回答が多かったということだ。
もちろん多くの DJ は、このパンデミックによって経済的に大きな悪影響を受けているが、その一方でロックダウンの期間中、上手くその時間を利用していた人が多かったようだ。

調査対象になった DJ のうち69%は、プロとして最低でも1現場を持っている DJ で、73% がフルタイムで DJ として活動しているか、または活動を希望していると回答。この数字には DJ に関わる音楽関係者、クラブ DJ、結婚式会場などでの DJ、プロモーターなどが含まれており、つまり隔離期間中に音楽業界が苦しんでいることを実感している上での回答となっている。

■ 70%の DJ が新型コロナの影響で再度トレーニングを受けた

調査によると、70% がロックダウン中に再トレーニングを受け、29% が音楽制作に切り替え傾注したとのことだ。DJ が新しいスキルを学ぶにしろ、基礎を更に磨くにしろ、彼らは今まで以上に次のプレイに向け準備は万端だと回答している。

実際、DJ の67% が「パンデミックにより何らかの良い影響を与えた」と考えている最大の理由は「音楽制作にかける時間がある」というものであった。

■ 67% の DJ が音楽業界に何らかの良い影響を与えたと考えている

新型コロナウイルスのパンデミックの影響が世界的に音楽業界に与えた利点の1つとして、Twitch やその他のプラットフォームでのライブ配信があげられる。

これは DJ やプロデューサーがフェスやイベントを開催できない中、ファンと繋がることができる唯一の場所で、一部のアーティストにとっては大きな収入源となった。また将来、バーチャルイベントやライブ配信について更に進化し続けていくだろうという前向きな考えをもたらした。

更に、調査参加者の31%がコントローラーを購入、26% が DJ のソフトウェアを購入、11% が CDJ を購入、8% がターンテーブルを購入したと報告されている。

■ 調査参加者の 26% は、新型コロナ以降に音楽キャリアを続行する可能性が低いと回答

一方で、残念なことに DJの26% がロックダウン後に音楽の仕事に就く可能性は低いと報告。世界中の DJ たちが苦しんでいることは確かではあるが、現在はワクチンの普及も始まり希望の光が見え始めているのも確かである中、才能を持った DJ やプロデューサーが音楽キャリアを捨てるのはとても悲しいことである……。

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