カナダ・トロントを拠点に置く団体、Over The Bridge が、メンタルヘルスサポートに関する意識を高めるプロジェクトとして、AI(人工知能)ソフトを使用し、アメリカの伝説のロックバンド Nirvana(ニルヴァーナ)Amy Winehouse(エイミー・ワインハウス)といったアーティストの「新曲」を 制作し、コンピレーション『Drowned in the Sun – Lost Tapes Of The 27 Club』として YouTube 上で発表した。

▼ 1991年にリリースされた Nirvana の「Never Mind」アルバムカバー

NIRVANA といっても若い方の中にはピンと来ない方もいるかもしれないが、有名過ぎる上記のカバーアートで知られるアルバム『NEVERMIND』の1曲目に収録された「Smells Like Teen Spirit」は、多くの EDM アーティストにもリミックスされてきた名曲なので、きっと耳にしたことがある人は多いことだろう。
 

Over The Bridge の取締役 Sean O’Connor(ショーン・オコナー)は、Rolling Stone 誌に「もし、私たちが愛するミュージシャンたちがメンタルヘルスのサポートを受けていたら? なぜか音楽業界では、うつ病は正常化され、美化される。そして彼らの楽曲は本当の苦しみだと思われている」とコメント。

▼ Kurt Cobain​

AI(人工知能)のプログラムとして使用されたのは、Google の「Magenta」で、アーティストの過去の作品を参照して同じような流れで作曲するというもの。その後、別の AI を使用し「歌詞」を作成する。

Nirvana、Amy Winehouse の他にも27歳で亡くなった Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)そして Jim Morrison(ジム・モリソン)の楽曲も制作されている。

AI で作成された Nirvana のトラック「Drowned In The Sun」のボーカルを務めるのは、アトランタを拠点に置く Nirvana のトリビュートバンド NEVERMIND のボーカリスト、 Eric Hogan(エリック・ホガン)

▼ Nevermind the Nirvana tribute band(Facebook)

Eric Hogan は以下のようにコメントしている。

「Nirvana の Kurt Cobain によって最後に収録されたトラック "You Know You’re Right" と同じような雰囲気のトラックだ。Kurt は、自分が書きたいと思うものは何でも書いていた。もし彼が気に入ったのであれば、それはもう Nirvana の曲だった。Drowned in the Sun の特定のいくつかのアレンジは、あぁ、ここは In Utero(※Nirvana のアルバム)、ここは Nevermind(※Nirvana のアルバム) の雰囲気だ、と感じたよ。そしてこれが本当に AI なんだってことを理解した」

▼ Nirvana - You Know You’re Right​

更に、Eric Hogan は「この曲が言っているのは、僕は変人だ、だけど僕は気にしてない、ということ。それこそが Kurt Cobain なんだ。その感情は Kurt が発言していたとしてもおかしくない事だ。The sun shines on you, but I don’t know how(太陽はあなたの上に輝いている、だけど私にはどうすればいいのかわからない)、最高だ。

>>NVERMIND トリビュートバンドの詳細はこちらから!

▼ Drowned in the Sun - Lost Tapes of the 27 Club

>>「Lost Tapes of the 27 Club」公式 YouTube チャンネル、他トラックの視聴はこちらから!!