Sky News が、今年の冬、新型コロナウイルスとインフルエンザに同時に感染した場合、死亡する確率が2倍になると、イギリスの健康安全保障庁(UKHSA)のジェニー・ハリス長官が警告していると報道している。


イギリスの元副主任医務官は Sky News の取材に対し、感染と重篤な状況を阻止するため「新型コロナウイルス」と「インフルエンザ」のワクチンを接種するようコメントしたそうだ。

昨年は新型コロナウイルスのパンデミックによる外出禁止令などの影響で、冬季のインフルエンザ流行は歴史的な低水準となり、そのため今年は初めて新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行する可能性が高くなったとのことで「Twindemic(ツインデミック/ Twin + Pandemic、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザの感染者が冬季に同時に増加すること)」が発生し、両方のウイルスに同時に感染した場合、死亡率がは新型コロナウイルスに感染した場合の2倍になることを初期の証拠が示しているとのことだ。

ジェニー・ハリス長官によると、今年の冬は複数のインフルエンザ株が存在する可能性があると警告。過去5年間で、平均11,000人がインフルエンザ疾患関連で死亡しているそうだが、米医学科学アカデミーは、今年は60,000人がインフルエンザで死亡する可能性があると予測しているそうだ。更に「インフルエンザが致命的な病気になり得ることを多くの人が理解していない」とも述べている。

更に、新型コロナウイルスのパンデミックによって昨年はインフルエンザの症例が減少したため、人々の免疫力とインフルエンザ株についてもはっきりしていないそうだ。また症例数が減少したため、今年は多種類のインフルエンザ株が出現する可能性もあり、引き続き新型コロナウイルスも流行しているため、同時に感染するリスクも、もちろんあるとのことだ。

公衆衛生研究所によると、昨年のアメリカ国内でのインフルエンザの広がりも限定的だったそうで、同研究所の研究では、今年はアメリカ国内でインフルエンザが大流行する可能性があることが示唆されているそうだ。

非常に強い感染力をもつ既存の新型コロナウイルスのデルタ株とインフルエンザの組み合わせは、驚異的な感染症となりツインデミックをもたらす可能性もあるという。

英国王立衛生大学のマーティン・マーシャル教授は Sky News に対し、もしインフルエンザウイルスに複数の異なる変異がある場合、インフルエンザワクチン接種はそれほど効果的でないという可能性もあると述べている。

アメリカやヨーロッパでは在宅勤務を終え、新型コロナ禍以前のように会社へ出勤している企業もあるため、ジェニー・ハリス長官は、冬に向け「少しでも体調が優れない場合は、会社へ出勤しないように」と警告している。

これらの対策として、やはりマスクや手洗いはかなり効果的であるようなので、今年の冬も欠かさず行うようにして欲しい。また、海外では、マスクを嫌がる人や手洗いをしない人も多いため、感染が広がりやすいというのもあるかもしれないが、日本では緊急事態宣言が明けた後もマスクを着用している人がほとんどで、手洗いもきちんとしている人が多い。
今年の冬も昨年度の冬のようにインフルエンザがあまり流行しないことを祈りたい。