オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の St Vincent’s Clinical School の研究者が、音楽フェスでの「パニック・オーバードーズ(過剰摂取)」現象についての調査結果を発表した。

「パニック・オーバードーズ」とは、警察等に逮捕されることを恐れて、参加者が違法薬物を大量摂取してしまう反応行動を示す言葉である。

イギリスの大手新聞「The Guardian」によると、1229人に調査したところ、その30%がドラッグを使用するつもりである、または既に使用経験があると回答。最も一般的なドラッグは MDMA だった。

MDMA 使用者と使用予定者の約半数(48%)は、逮捕されるのを避けるために、よりリスクの高い消費行動に頼ることを報告しており、これはフェスに参加する前にドラッグを複数回摂取することが含まれていた。

研究者たちは、このリスクの高い行動は、イベントで警察が参加者たちを監視していることに密接に関連していると推測。これには、警察によるパトロールや麻薬探知犬の導入、エントランスでのチェックなどが含まれている。

研究者たちは音楽フェスでの警察の動きが「パニック・オーバードーズ」のリスクが軽減されるような対策を望んでいるとのことで、「The Guardian」によると、ニューサウスウェールズ大学の研究者である Jonathan Brett 博士は「警察を(音楽フェスから)完全に排除するのではなく、警察の戦略の異なるアプローチについて話し合うことができることを本当に望んでいる。人々がより安全で健康になることを望んでいるため、最も合理的にそれを達成する方法について話し合う必要がある」と述べている。