現在、変異株「オミクロン株」の大流行により、再度世界中で感染者数が急増している新型コロナウイルス
この急激な感染拡大を受け、音楽シーンでも来日予定の海外アーティストがキャンセルとなったり、ナイトクラブがイベントを自粛したりといった動きも再び出てきており、音楽ファンたちはヒヤヒヤさせられているのではないだろうか。

日本国内での新型コロナウイルスの状況は?

1日ごとに状況が目まぐるしく変わり続けている中、ここ日本でも2021年の年末から感染は拡大しており、2022年1月11日の時点で新たな感染者数が6,235人、7日間の平均5,961人となっている。

直近の新型コロナウイルス関連のニュースとしては、ワクチンの3回目のブースター接種(追加接種)の前倒しや、オミクロン型の濃厚接触者の隔離期間の短縮、また12歳未満の子どもへの接種の検討も日本政府から発表されている。
 

新型コロナウイルスとワクチンに関する世界の最新情報は?

オミクロン株はデルタ株と比較して入院リスクが53%、死亡リスクが91%低いという米疾病対策センター(CDC)の報告や、ワクチン接種によって死者数や重症化数は抑えられているという報告も。

しかし、欧州連合(EU)の医薬品規制当局は、1月11日、ワクチンの追加接種を頻繁に行うと免疫系に悪影響を及ぼす恐れがあると警告しているため、3回目以降の接種については各国の動きが分かれそうだ。

一方、重症化リスクの高いデルタ株と感染力の強いオミクロン株のハイブリッド「デルタクロン」が地中海の島国キプロスで発見されたというニュースも報道されている。

なお、ヨーロッパでは、今後6〜8週間で人口の過半数がオミクロン株に感染する可能性があるとの警告もWHOから出されている。
 

何が起きるかわからない新型コロナウイルスのパンデミック。一寸先は闇といった状況が続いているが、果たして2022年度の今年、日本、そして世界各国では、フェスやイベントが無事開催できるのだろうか!? 

ここ日本でも人気のビッグフェスが開催される国を中心に、いくつか世界の国々の現在の状況をチェックしてみた!


アメリカ

2022年1月10日時点……新たな感染者数:1,433,977人、7日間の平均:777,844人
これまでで最も深刻な水準となってしまっているアメリカでは、学校での対面授業を取りやめリモート授業に切り替えている地域も。また、現在流行中のオミクロン株は重症化しにくいとのことだが、感染者数が多すぎるため入院患者数は以前と変わらず増加してきており、医療機関がひっ迫しているという。
また、ニューヨーク州では感染急拡大で人員が確保できず、1月4日から3つの地下鉄路線が全面運休。航空便は年末年始の10日間で人員不足と悪天候の影響で1万4000便以上が欠航したとのことだ。
アメリカでは現在、三回目のブースター接種も進んでいるが、新型コロナウイルスのワクチン接種対象外となる4歳以下の子どもの入院率が増加しているとのことだ。

カナダ

2022年1月10日時点……新たな感染者数:33,483人、7日間の平均:39,456人
アメリカのすぐ北に位置するカナダだが、CDC は10日の時点で新型コロナウイルスの感染拡大によりカナダに対する渡航警戒レベルを「レベル4:非常に高い」に引き上げ、渡航回避を勧告している。
また1月11日、カナダのケベック州は、医学的理由以外で新型コロナウイルスワクチン未接種の住民に対し「多額」の保険税(100カナダドル/約9200円以上となる模様)を課すことを発表している。同州のデータによると、集中治療を受ける患者の45%がワクチン未接種者であるとのことで、同州では午後10時〜翌朝5時までの外出禁止令が出されているが、モントリオールの病院は既に満床であり、新型コロナウイルス以外の患者の受け入れを制限し始めているという。

なお、新型コロナウイルスワクチン接種拒否者に対するペナルティは他国でもいくつかの事例があり、ギリシャはワクチン接種拒否の60歳以上の市民に対し、1ヶ月おきに100ユーロ(約1万3000円)の罰金が、シンガポールではワクチン未接種者が新型コロナウイルスに感染すると医療費は本人負担となるとのことだ。

 

イギリス

2022年1月11日時点……新たな感染者数:115,280人、7日間の平均:155,868人
イギリス政府は1月8日、新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、新型コロナで亡くなった人が15万人を超えたと発表している。
また、スコットランドでは、12月31日と7日の時点での新型コロナウイルス感染者数は、897人→1362人と50%以上増加しているとのことだ。
イングランドでは現在、大半の屋内公共施設でのマスク着用、大規模会場への入場時のワクチン接種証明提示、可能な限りの在宅ワーク推奨といった「プランB」の感染対策が実施されている。
なお、イギリスでも三回目のワクチン追加接種が進められている。

ベルギー

2022年1月11日時点……新たな感染者数:21,311人、7日間の平均:22,276人
ベルギーでは、全成人の約70%が新型コロナウイルスワクチン接種は完了しており、9月から規制が一段階緩和されていたものの、現在では徐々に増加傾向にあるとのことだ。
また、ワクチン接種完了、感染からの回復証明、直近の陰性証明を提示するための Covid Safe Ticket が導入されており、イベント等で  Covid Safe Ticket を使用する場合、のみ、マスクやソーシャルディスタンスの義務がなくなる等、比較的制限派緩いようだ。
ただし、その他のイベントではマスク着用が義務付けられており、更にナイトクラブ等でのダンスについては厳格な規則が伴っている。
なお、今現在必要不可欠な理由がない限り日本からの渡航が禁止されているが、果たして Tomorowland 開催までにその規制が緩められるのか、状況は厳しいかもしれない……。
 

イスラエル

2022年1月11日時点……新たな感染者数:31,502人、7日間の平均:25,329人
イスラエルでは新型コロナウイルスワクチンの追加接種が進んでいるが、イスラエルにおける CDC の研究結果によると、追加接種を行うことで接種済みの状態と比較して新型コロナウイルスにおける死亡率が90%低下するとのこという。
なお、イスラエルでは40万人が四回目のワクチン追加接種済みであるとのことだ。

インド

2022年1月10日時点……新たな感染者数:168,063人、7日間の平均:130,790人
2021年3〜5月にかけて、新型コロナウイルスの第二波で医療崩壊に陥ったインドだが、現在は変異株のオミクロン株の影響で、軽症者が多いが感染者数は8日時点で前日比20%増加。首都のニューデリーでは、7日の夜から生活用品の買い出し等以外、不要不急の外出禁止令が出されているため、街は閑散としているとのことだ。また、7日以降、海外からの旅客全員に7日間の自宅隔離が命じられており、1月1日以降レストラン、ホテル、駅等に入る際には新型コロナワクチン証明書の提示が義務付けられている州も。
更にインドにはアジア最大規模のスラム街の一つであるダラビ地区があり、そこでの感染拡大が懸念されている。

中国

2022年1月6日時点……新たな感染者数:174人、7日間の平均:173人
世界的に見ると感染者数が非常に少ない現在の中国だが、新型コロナウイルスオミクロン株が中国の天津市で感染拡大しているとのことで、天津市は感染者がいる地域を封鎖し、全市民への PCR 検査の実施を決定。天津市は北京オリンピックを約1ヶ月後に控える北京に隣接した都市であるため、緊張が高まっているとのことだ。
更に、河南省の安陽市でも感染が確認され、こちらもロックダウンとなった。

 

ロシア

2022年1月11日時点……新たな感染者数:17,396人、7日間の平均:16,150人
ロシアでは、感染者数が減少傾向にあるとのことだが、ロイター通信の報道によると、ロシア政府対策本部のデータでは新型コロナウイルスによる死者数は30万人超となっているが、実際の死者数は約65万9000人に上り、役ばい以上の差があると指摘、これは世界で2番目の多さであるとのことだ。
新型コロナ規制に関しては地域ごとに分かれているが、ワクチン接種や感染歴を証明するQRコードの提示がサロンやショッピングセンター、飲食店、娯楽施設、都市間の交通機関で必要となる場合が多いようだ。
なお、ロシアでは2020年12月よりロシア製ワクチン「スプートニクV」の接種がスタートしており、現時点で接種完了者は人口比46.8%。

 

オーストラリア

2022年1月11日時点……新たな感染者数:84,408人、7日間の平均:87,815人
現在のオーストラリアでは、ワクチン接種が進んだことから政策をウイルス封じ込めからウイルスとの共存に転換、しかし現在、新型コロナウイルスオミクロン株の感染拡大により、記録的な感染状況となり、感染者数は累計100万人を突破した。
ただし、16歳以上のワクチン接種完了率は92%で、三回目のブースター接種プログラムも順調に進んでいるとのことで、現在の感染における死亡率は低く抑えられている。