元がん患者が「脳の霧(Brain Fog/ブレイン・フォグ)」と戦うための革新的な方法を研究するシンシナティ大学の神経腫瘍学者 Soma Sengupta 博士と彼女のチームが、「脳の霧」と戦うための音楽療法として、ユーザーが独自の曲を作成できるアプリ「ARMcan Active ReceptiveMusic」を開発したと WFMZ-TV が伝えている。
このアプリは、抗がん剤の治療を受けて現在「脳の霧」の症状を抱えているがん生存者に向けたものとなっているそうだ。

「脳の霧」とは、記憶力、思考力、集中力低下等の認知障害が起こり、会話が詰まったり、作業能力が低下したり、頭がモヤモヤする等の症状が起こるというものだ。
抗がん剤の治療の影響で起こる認知トラブルとして起きるもので、他にも最近では新型コロナウイルスの後遺症の症状の一つとしても知られている。

このアプリは、Soma Sengupta 博士とそのチームが実施したランダム化研究で実装されている。
この研究は、脳の霧の症状を持つ乳がん生存者が、1日15分間音楽を聴くグループと、1日15分間、アプリを使用して自分で音楽を作るグループの2つのグループのいずれかに割り当てられ、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月目でそれぞれ MRI スキャンを実施し、脳の霧の進行状況を追跡、新たな形式の音楽療法がどれほど効果的であるのかを測定するというもの。

Soma Sengupta 博士によると、この技術が「通常では不可能な脳の領域の最配線と運動を支援する」ものであるとのことだ。