貧困と不幸のどん底に落ちた哀れ過ぎる一人の男が狂気の悪のカリスマ、スーパーヴィラン(悪役)の「ジョーカー」へと変貌を遂げる、ヒーロー映画らしからぬ超絶陰惨なストーリーで社会現象を巻き起こしたバットマンシリーズのサイコスリラー映画「JOKER(ジョーカー)」の続編が発表された。監督は、前作に引き続きトッド・フィリップス、共同脚本のスコット・シルヴァーも続投となる。

これについては、トッド・フィリップス監督の Instagram にて発表され、次回作の真っ赤な拍子の脚本と共に、前作「JOKER」でジョーカー役を務めた俳優、ホアキン・フェニックスが脚本を読む様子の写真がポストされた。
 
前作「JOKER」トレーラー

昨年、配給会社のワーナー・ブラザースが JOKER 続編の脚本についての契約を結んだと報道されていたものの、監督のトッド・フィリップスは、以前に「1作目が持っていたような重みのあるテーマがなければ、続編は手がけない」「新作を手がける場合、アイデアを練る時間が必要である」と語っていた。また、主演のホアキン・フェニックスは以前「続編の計画については知らない」と語っていたが、脚本を読む姿の写真が公開されているので、こちらも主役続投となることは明らかだ。

「JOKER」続編タイトルは「Joker: Folie à Deux(原題)」
「Folie à Deux」とは、日本語では「フォリアドゥ(感応精神病)」と呼ばれる精神障害の妄想性障害の一つで、一人の妄想がもう一人に感染し、複数人で同じ妄想を共有することを特徴とするものであるとのこと。まさにジョーカーと、ハーレークインをはじめとするジョーカーの周囲に群がる手下のヴィランたち、そして影響された一般大衆、更には前作「JOKER」には直接的には登場しないが、シリーズの主人公であるバットマンとの関係性等に当てはめる単語としてはピッタリな言葉だ。

なお、前作公開時には、2012年公開のバットマンシリーズ映画で、Heath Ledger(ヒース・レジャー)がジョーカーを務めた映画「Dark Night(ダーク・ナイト)」公開時に銃乱射事件(オーロラ銃乱射事件)が起きたことが危惧され、異例の犯罪注意警告が出され、アメリカのいくつかの映画館では上映が見送られる等の対応がとられていた。

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一方で、前作「JOKER」はヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞、第92回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞を含む最多11部門にノミネートされ、フェニックスが主演男優賞、ヒドゥル・グドナドッティルが作曲賞を受賞、R指定映画初の10億ドルを超える興行収入と、高い評価を受けた大ヒット作となり、続編にも大きな期待が寄せられている。