2022年7月8日(金)公開のマーベル映画「Thor: Love and Thunder(ソー:ラブ&サンダー)」に登場する、MCUの中でも最も驚異的なヴィラン(悪役)の一人と言われる「Gorr the God Butcher(ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー)」。
 

上のトレイラー動画を見る限りだと「マリリン・マンソンに影響されたのかな?」とでも思いたくなるような外見のキャラだが、同キャラを演じる俳優 Christian Bale(クリスチャン・ベール)は、実は同キャラを演じる際に、IDM シーンの奇才 Aphex Twin(エイフェックス・ツイン)が1997年にリリースし、今尚語り継がれる傑作「Come to Daddy」のミュージックビデオに触発されたことを語っているのだ。

▼トレイラー動画に出てくるゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー。え、マンソンさんじゃないの???

「Come to Daddy」の MV は「I want your soul(お前の魂が欲しい)」とひたすら Aphex Twin(Richard D James)がシャウトする、超不穏な雰囲気のドラムンベーストラックで、犬を散歩する可愛らしい老婆が、気持ち悪い顔が浮かぶ廃棄されたテレビを見つけ、Aphex Twin の顔の子どもたちの集団に襲われ、テレビの中から現れた? 素っ裸で禿げたガリガリ体躯の Aphex Twin に物凄い勢いで叫ばれる、という悪夢のような内容で、観る者に強烈な印象を残す MV だ。
 

クリスチャン・ベールは、テレビ番組、映画、コンピュータゲームの分野のニュースを提供する、情報ニュースウェブサイト「Screen Rant」に対し、以下のように語った。

僕の(ゴアのキャラを演じる上での)リクエストは一つだけだった。それは、Aphex Twin の「Come to Daddy」のビデオを参照したことだ。
そこには、ゴアに関して僕にインスピレーションを与えたキャラクターがいて、僕は タイカ
(タイカ・ワイティ監督)に言ったんだ。
「これは取引だ、僕は悲鳴を上げたい」
そして、ビデオを見れば、何を意味するのか理解できるだろう。僕は「映画の中でその悲鳴を上げたい」と言ったんだ。

しかし、結局そのシーンは PG-13(13歳未満の鑑賞には保護者の強い同意が必要)指定の「ソー:ラブ&サンダー」には、刺激が強過ぎたようだ。クリスチャン・ベールは以下のように続けている。

まあ、理解しているけど、その取引は維持されなかった。PG-13 には少し極端過ぎるものだったんだ。

(怖過ぎて)出口に向かって走っている人がいたかもしれない。でも僕らはやった。そしてそれは、どこかの編集室の床にある(使われなかった)。


このシーンは映画からカットされてしまったが、もしかしたらいつの日か、ディレクターズカット版等で日の目を見る日が来るかもしれない……? ファンはそれを祈ろう。