9月17日(土)、18日(日)の2日間に渡って “TOKYO ODAIBA ULTRA PARK Ⅱ” で開催された『ULTRA JAPAN 2022』。ご存知の通り2020年頃からの新型コロナウイルスの蔓延と東京オリンピックの開催が重なり、2019年以来3年ぶり、通算7回目の開催となった。

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2日目は台風14号が接近していたこともあり雷注意報が発令され、一時 Zepp Diver City に避難するほどの暴風雨に。その影響で避雷針のない「 ULTRA PARK STAGE」は中断するなど、小さくはない影響が出ていたがなんとかイベント自体は続行した。
 

■ ULTRA PARK STAGE では気鋭アーティストが躍動、アートやパフォーマンスも充実!! 

ULTRA PARK STAGE には日本のダンスミュージックシーンの今後を担う国内外の気鋭アーティスト、AKIRA & BANK、Allen Mock B2B Herbalistek、AVADOX、DJ KOMORI、DJ Shimamura、DJ YU-KI、GOLDMAN FOX、MAMOT、Masayoshi Iimori、NORII、Us∀y、WATANABE SISTERS、YOSA & TAAR らが一堂に集結。 

▼ NORII​

それぞれが独自のサウンドを打ち出し、ULTRA MAIN STAGE に引けを取らない多様性に富んだステージを構築。新たな音楽、新たなアーティストとの出会いの場としても大きく機能していた。

▼ DJ KOMORI​

▼ Masayoshi IImori

また、ULTRA PARK STAGEにはOnitsuka Tiger ブースも併設。そこにはいくつものフォトジェニックなオブジェが並びつつ、 書道家によるライブパフォーマンスや様々なストリートパフォーマンスが展開され、クリエイティブかつ刺激的な空間に。さらに、会場内の至るところにチルアウトスペースが用意され、ホスピタリティも充実。ゆったりと時間を過ごすオーディエンスも散見された。

■ 2日目は一時悪天候に見舞われるも、国内の人気アーティストらがメインステージに集結!!

長いモラトリアムがありながらも開催発表後は大きな話題となり、その後チケットは完売!! 早い時間から多くのファンが詰めかけ、変わらぬ人気の高さを実証しつつ、当日も久々の開催を喜ぶとともに、ようやくフェスのある日常、ULTRA のある日常へ戻ってきたと思える1日になったのではないだろうか。

国内アーティストには、2Wasted、AmPm、DJ KEIKO、DJ TORA、SATOSHI、SHAPE8 らが出演!! 一時は悪天候に見舞われるも、超スペシャルなセットを披露してくれた。

▼ DJ KEIKO

▼ DJ TORA​

▼ AmPm

▼ SATOSHI

■ 日本にも熱狂的なファンを持ち、一度セットを観ればファンになること間違いなしの Nicky Romero !!

そんな悪天候の中、右腕に「プロトコル」と自身のレーベル名のタトゥーをカタカナで彫るなど、日本をこよなく愛してくれているオランダ人 DJ Nicky Romero(ニッキー・ロメロ)がメインステージに登場! Teamworx との “World Through Your Eyes” と共に姿を現し「ハイ!ウルトラトウキョウ、気分はどうだい?」とマイクを握り、大雨の中待ち受けたオーディエンスを釘付けに。

▼ Nicky Romero

ABBA の “Gimme Gimme Gimme”、Dua Lipa の “Levitating” とポップなサウンドでメロウな雰囲気にされたと思えば、“Harmony” と Galantis の “Runaway” のマッシュアップで会場を大きく揺らし、そのまま Dubvision とのプログレッシブミュージック "ID" を世界で初披露!

続いて会場に響いたのは Axwell Λ Ingrosso の “More Than You Know” のイントロ。彼のセットでこの楽曲がプレイされるとほぼ確実に “Toulouse” との神マッシュアップなのだが、今回も期待を裏切らず深く鈍いドロップが多数のアノニマスマスクを空に踊らせた。
その “Toulouse” と並ぶ彼の代表曲、“Warriors” がオーディエンスの合唱と共に大雨のお台場に鳴り響き、雨音をかき消したと思えば、今年7月にリリースされたばかりの “Easy” でオシャレにメインステージを揺らす。

そして “Like Home” のアカペラと共にマイクを握り、「ジャパン!3年も経ってしまったけど変わらずに僕たちをホームのように迎えてくれてアリガトウ、トウキョウ!」と感涙必須のスピーチを披露。会場のボルテージは最高潮に!!

その後も “Afterglow vs. Fade Into Darkness”“Lift vs. Under Control”“Laktos vs. A Sky Full Of Stars vs. Heartbeat” と、パンデミック以前を思い出させてくれるようなマッシュアップを披露し、ラストは4年前に亡くなった旧友、Avicii の “Without You” “I Could Be The One” で永遠に我々の心に残るであろう感動のセットは幕を閉じた。

■ ピカチュウの帽子を被りキュートな一面を見せつつも音楽の世界観は圧巻の Oliver Heldens 登場!!

Nicky Romero の感動的なラストの余韻が残った会場に、Tiësto との “Wombass” と共に「ハロー、ウルトラジャパーン!」と登場したのは、ピカチュウのキャップを被り、ゴース⇨ゴースト⇨ゲンガーと、初代から愛され続ける3代進化のポケモンシャツを着た Oliver Heldens(オリバー・ヘルデンス)

▼ Oliver Heldens

お茶目な格好とは裏腹に、Madonna の “Hung Up” と Madcon の “Beggin” という2000年代の名曲を操り、スロービートでオーディエンスを心地よく揺らしてフューチャーハウスの申し子によるステージがスタート。

Dima Love、Sasha Leo の “Bucovina” と Enrique Iglesias の “Bailamos(アカペラ)” に続けて Calvin Harris と Dua Lipa の “One Kiss - Oliver Heldens Remix” 、さらには Avicii の “Waiting For Love” も自身の別名義の HI-LO からリリースしている “Mercury” と組み合わせ、様々な楽曲を自身のセットに馴染ませる技術はさすがオリヘル!と讃えたくなる。


Mr. Belt & Wezol との “Pikachu” では、被っていたピカチュウのキャップを嬉しそうに振り回し、ステージのライトアップも鮮やかなピカチュウカラーに。ステージが黄色に彩られ、普段はあまりお目にかかれないような光景に遭遇できた。

“Gecko” で心地よく会場を揺らし「アイラブユージャパン!ありがとうございます!」と流暢な日本語を披露。続けて Lenno との “Turn Me On”、Empire Of The Sun の “We Are The People” とマッシュアップされた “Melody” と、Oliver Heldens の代表曲が次々と投下される。


最後は公式リリースはされていないものの、名リミックスとして語り継がれる Energy 52 の “Cafe Del Mar - Oliver Heldens Remix” でクールにセットを締める。Oliver Heldens 名義の楽曲はもちろん、HI-LO としてリリースした楽曲も数多く披露され、なんとも贅沢な1時間半となった。

■ 超ハイレベルなマッシュアップを次々投下!! これぞ ULTRA JAPAN と感じさせてくれた Afrojack が登場!!

続いて雨も完全に止んだ夕暮れ時に現れたのは、日本人とも数多くコラボしており知名度抜群、身長も抜群に高い(208cm) Afrojack(アフロジャック)
Fedel Le Grand との “1234"、NLW 名義の “Lasers” で、レーザー光線とともにお台場をロック。


Afrojack の DJing には欠かせない相棒の MC Ambush も乗っけからハイテンションでマイクを握り、Afrojack の持ち味でもあるトリッキーで変態的なドロップが絶え間なくプレイされるとオーディエンスは常に踊り飛び、自ずと会場が一つにまとまっていく。

ヒップホップながら DJ の間でもよくプレイされる Masked Wolf の “Astronaut In The Ocean” では、MC Ambush が「みんなのライトを空に掲げてくれ!!」と煽り、それに応えるように星空のようなライトがオーディエンスを埋め尽くす。


Sheck Wes の “Mo Bamba” と Joyryde の “Damn” の厳ついマッシュアップで激しく会場を揺らしつつ、“Don’t You Warry Child vs New Memories vs Heaven”“Heaven Is A Place On Earth vs. Calling”“Titanium vs. Hands Up vs. Hey Brother vs. Hot Drum vs. Tremor”“Titanium vs. Hands Up vs. Hey Brother vs. Hot Drum vs. Tremor” など、他人には真似できない、様々なジャンルの楽曲を組み合わせたハイレベルなマッシュアップを続々と披露し、様々なジャンルのファン層に愛される所以を見せつける。

セットの終盤には、お馴染み “Ten Feet Tall” のイントロと “Feels Like Home” のドロップに合わせて「1、2、3、4!」と日本語でカウントダウンする姿も見られ、 Afrojack も MC Ambush も日本でのプレイを大いに楽しんでいるのが伺えた。


David Guetta との “Hero” で台上に登り、サウンドに合わせて手を左右に振り、別れを惜しむように何度も「アリガトウ!」と話しながらステージを去った。

■ どの曲も名曲揃い!! ULTRA JAPAN DAY 2 のラストを締めくくるに相応しすぎるセットを披露してくれた ZEDD!! 

そしてついに ULTRA JAPAN 2022 の2日間のラストを担うのには相応しすぎる Zedd(ゼッド)が満員のメインステージに登場!ここ数ヶ月、彼のセットのイントロとして使われ、リリースが期待されている Justice の “Phantom - Zedd Remix” で会場のボルテージは一気に最高潮に。


そのまま Selena Gomez との ” I Want You To Know”、Maren Morris、BEAUZ との “Make You Say”、Hailee Steinfeld、Gray との “Starving” と自身の大ヒット曲を連投したと思えば、“The Time (Dirty Bit) - Zedd Remix” ” Tokyo Drift - Zedd Remix”、“Die For You - Zedd Remix”“Stay The Night” のセルフリミックス、“Rude - Zedd Remix”と、原曲よりも評価を集めてもおかしくないリミックスを続々披露。


ゲーム好きとしてもよく知られる Zedd が2011年にリリースした “The Legend Of Zelda” を、先日発表された超名作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の続編の発売日が発表されたこのタイミングで踊れるのは Zedd 本人にとっても、オーディエンスにとっても最高のひとときではなかっただろうか。

“Addicted To A Memory” “Stay”“Find You”“Spectrum” と、オールタイムヒットメドレーを披露。


どの曲をとっても大ヒット曲しか出てこない Zedd 劇場に心を奪われる中、昨日のお返しと言わんばかりに Martin Garrix がサプライズ登場! “Tremor”“True Colours” を本人たちから聴ける、一生に一度あるかないかの超激レアマッシュアップを並んでプレイし、昨日と同じように共作 “Follow” を披露。ここはラスベガスの高級クラブか!? と思える最強タッグを存分に堪能でき、オーディエンスもこの上ない多幸感に包まれる。

Martin Garrix がステージから去った後には DJ Khaled の “All I Need Is Win” で会場をコントロールし、またしても “Happy Now”“The Middle”“Break Free” とヒットメドレーを披露。オーディエンスを縦横に揺らす。


2日間の最後を彩るのは “One More Time - Zedd Remix” から “Clarity”“Alive - Zedd Remix”、“Straight Into The Fire” とノスタルジー溢れる Zedd らしい美しい VJ とサウンド。2015年ごろから欠かさずプレイされている大アンセムと、VJ に日本国旗を映し出し、「アイラブユージャパーン!!」と残し ULTRA JAPAN 2022 のフィナーレを飾った。
 

■ ⻑きに渡るコロナ禍を経て、ようやく開催へと辿り着いた待望のULTRA JAPANを多くの人たちが待ち侘びていたことが伺えた ULTRA JAPAN 2022

2日間通じて感じたのは、パンデミック以前の楽曲やマッシュアップがとても多く、日本に戻ってこれた嬉しさと、早くバンデミック以前のあの頃のように戻りたいという願いを各 DJ からメッセージをもらっているようにも感じられた。


もちろんこの期間にリリースされた新曲なども多く披露され「この人のこの姿が見たかった!」と思う場面もあれば「新しい姿を見られた!」という喜びもあり、ダンスミュージックはこれからも進化し続けていくことを確信させてくれる2日間であった。


新型コロナウイルスの流行は未だ収束する気配はないが、その中でもこうして大規模イベントが開催され、多くのファンと共に最高の音楽を楽しめたことは一生忘れることのない思い出として刻まれることだろう。


​Written by Takeru Shigyo

ULTRA JAPAN 2022

タイトル:ULTRA JAPAN 2022 
開催日程:2022年9月17日(土)、18日(日)
時間:開演11:00 / 終演21:00 (開場10:00)
※ 雨天決行・荒天中止
開催場所:TOKYO ODAIBA ULTRA PARK II (お台場ULTRA JAPAN特設会場 / 江東区⻘海)
公式URL:https://ultrajapan.com
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主催・企画・制作:ULTRA JAPAN 2022実行委員会