イギリスを本拠とし、世界80カ国以上で害虫駆除や衛生・ウェルビーイングサービス事業を行う多国籍企業「レントキル・イニシャル」が、同じくイギリスに本社を置く多国籍携帯電話事業会社「ボーダフォン」が提携し、1年半前に開発をスタートした、新たな "ネズミ駆除" が注目を集めている。
それは「顔認識」技術を使用し、ネズミの顔認識をしてネズミを追跡、習性を把握して退治につなげるというもの。

レントキルは数年前から顔認識技術の開発を進めてきているが、イスラエルの企業を買収したことにより、この開発が更に後押しされるかたちとなった。
実験室での試験を繰り返し、AI にネズミの習性を学習させた後、今後実際に居住者のいる住居での駆除実験が行われるとのことだ。

レントキルによると、ネズミは過去1,000年間に起こった全ての戦争よりも多くの死者を出していると考えられているという。
レントキルの最高経営責任者の Andy Ransom 氏は、フィナンシャル・タイムズ誌に次のように語った。

顔認識技術を使えば、一匹目のネズミと三匹目のネズミが違う行動を取ったことが分かります。

そして、この技術は、どのネズミが戻ってきたのか、どこで餌を食べて、どこで寝ているのか、どのネズミが被害をもたらしているのか、建物のどの部分から来て、どこから建物の中に入ってきたのか、先週問題を起こしたのと同じネズミなのか、常に識別することができます。

レントキルは、この技術を開発するために、ネズミを制御された環境で観察し、カメラで行動を監視し、それを AI システムに覚えさせた。そして、機械学習を用いて認識能力を向上させたという。

今後、この技術は顧客宅でのパイロットプログラムに行こうし、技術検証が行われる。まだ初期段階ではあるものの、同社は害虫駆除をより効果的に行えるようになると期待しているとのことだ。