「蜘蛛の巣が楽器だったらどんな音がするだろうか?」と疑問に思ったロス・ハットン博士、アンドリュー・オットー博士、チェット・ユーデル博士の三人の好奇心により、音、物理学、動物の行動に関する知識を活用した、蜘蛛にインスピレーションを得たユニークな楽器「スパイダー・ハープ」が開発された。
この楽器は、複雑なコンピューター・モデルを生成し、蜘蛛が糸を調整した際に実際の糸がどのように動作するかを示すものとなる。
 
ロス・ハットン博士はこの「スパイダー・ハープ」について以下のようにコメントしている。

巣を張る蜘蛛は視力が非常に悪いことが多いため、巣の振動を通して世界を理解している。
そして、これは複雑な問題だ。振動する弦はたくさんある。しかし、系全体の振動が蜘蛛にどのような情報を伝えるのかという問題を解き始めるための入り口として使用できるエンジニアリングツールがいくつかあったんだ。

大きな巣が構築されると、その振動を我々人間に伝えるために「蜘蛛」を作る必要があった。
そこで研究チームはクモ型ロボットを作成し、その脚が蜘蛛の巣の中央からスパイダー・ハープのソフトウェアに振動を送信するようにした。ユーザーは、この楽器で曲を演奏することができる。
 

スパイダー・ハープのウェブサイトには、以下のように記述されている。

多くの種類のクモが足を通して巣の振動を聞いて獲物を見つけ、敵か味方かを判断していることが知られている。
巣の上のどこに、何が、どれくらい離れているかについて、より良い情報を入手するために巣の張り方を調整するクモもいる。スパイダー・ハープは、蜘蛛の巣の軌道の大規模なモデルとして始まった。振動が、クモが巣上の活動の位置を特定するために使用する情報に、どのように変換されるのかという謎を明らかにすることを目的としている。