イベントプロモーター/会場運営会社の Live Nation (ライブ・ネーション)が、現在の米国連邦最低賃金の3倍の額に5,000人以上のアメリカ、カナダのクラブ従業員の最低賃金を引き上げることを決定した。
Live Nation は最近、コロンビアのプロモーター・ブランド「Páramo Presenta(パラモ・プレゼンタ)」を買収しているため、今後さらに支援の対象は拡大されるものと見られている。

このプログラムの支援対象となる米国とカナダの Live Nation 会場の基本最低賃金は、このプログラムによって1時間あたり20ドル(約2,950円)となる見込みで、この引き上げ額は米国連邦最低賃金の時給 7.25 ドル (約1,050円) のほぼ 3 倍となる。支援対象には、ゲストサービス、制作スタッフ、アーティストのアテンド、案内係、駐車場係員、清掃員、チケット売り場スタッフ、サステナビリティコーディネーター等、何らかの形でショーの準備と運営をサポートするほぼすべての従業員が対象となる。


この動きは、Live Nation が提唱する「On the Road Again プログラム」に沿ったものとなる。同プログラムは、ウィリー・ネルソンによる1980年リリースの名曲「On the Road Again」にインスパイされたものであるとのことで、ツアー中のアーティストがより楽になり、全国の多くの都市でファンの前でパフォーマンスを続けることができるようになることを目指すものであるとのことだ。

Live Nation は「On the Road Again プログラム」を2023年9月にスタートしており、当初はクラブのアーティストやクルーの成長のサポートが目的とされていた。
アーティストの生計を支えるショーを開催するための支援活動が行われ、アーティストのツアーのガソリン代や旅費、クラブにおける商品販売手数料の免除といったアーティスへの直接的な支援のみならず、2023年の労働時間が500時間以上のツアー担当者や会場スタッフ、地元プロモーターへのボーナス等、ツアーを支える人々への支援も含まれていた。

Live Nation の CEO/President の Michael Rapino は、以下のようにコメントしている。

ライブ音楽業界は長年の成長軌道にあり、素晴らしいキャリアパスを提供している。最低賃金を引き上げることで、スタッフがライブでの旅を始める際に更に力強いスタートを切れるよう支援しています