世界の音楽業界向けの大手情報および求人サービスで、2つのポッドキャストを配信する  Music Business Worldwide(MBW)によると、音楽配信サービス Spotify(スポティファイ)の CFO を務めてきた Paul Vogel 氏が、12月5日、自身が所持していた4万7,859株の Spotify 株を937万7,000ドル(約13億6,524万円)という巨額にて売却したとのことだ。注目すべき点は、この株式売却は Spotify が1,500人にも及ぶ人員削減を発表してからわずか24時間後に行われたという点である。
MBW の調査結果によると、2022年の Paul Vogel 氏の年間基本給は60万ドル(約8,733万円)だったが、618万7,000ドル(約9億58万円)相当のオプション賞も受け取ったとのことだ。

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Spotify のん最高経営責任者(CEO)である Daniel Ek 氏は、Paul Vogel 氏の退任に関する声明を発表し、成長機会を追求しながら支出を市場の期待に合わせるという過去2年k何の同社の「進化」を認めた。同氏はこれから Spotify は "目標のバランスを取る必要がある" ことを認め「Spotify が異なるスキルセットを必要とする新たな段階に入ったため、Paul Vogel 氏と袂を分かつことを決定した」とコメントしている。

一方で、Spotify は、投資家向けイベントの目標達成に向けて順調に進んでおり、新たな CFO 探しは有力な立場から行われると述べている。人員削減にも関わらず、Spotify は従業員への取り組みを強調し、最近の人員削減でリストラされた5ヶ月分の余剰人員手当と5ヶ月分の医療保険を提供したとのことだ。

しかしながら Paul Vogel 氏の退社や人員削減に関する一連のニュースは、Spotify の財務健全性と、ますます混沌とするストリーミング音楽市場での競争力に対する懸念を強めている。Spotify は一貫した利益を上げることに苦戦しており、Apple Music や Amazon Music 等のライバルとの競争激化に直面している。

なお、Spotify が2023年にリストラを実施するのは今回が初めてではなく、今年1月には600人を解雇し、6月にはさらに200人を解雇している。