オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州の様々な音楽フェスティバルにて、2016年〜2022年にかけて、未成年者を含む州警察がストリップ・サーチ(被疑者を裸にして検査する検査方法)を多数のフェス参加者に常習的に行っていた件について、レッドファーン法律センターとスレーター・アンド・ゴードン法律事務所が共同でニュー・サウス・ウェールズ州最高裁判所に提起、この集団訴訟に参加するよう、10万人以上が呼び掛けられているとのことだ。

レッドファーン法律センターのプレスリリースによると、州警察が未成年者を含むフェスティバル参加者を "違法薬物の所持" を疑って捜索する中で「暴行、障害、不法監禁などの違法行為」を行ったとされており、参加者の中には警察官から「衣服を持ち上げたり、脱いだり、胸や性器を持ち上げたり、裸になってしゃがんだり咳をしたりして、警察官が体腔を目視検査できるように」指示されたと主張する者もいたとのことだ。

訴訟の筆頭原告であるラヤ・メレディスは、2018年のスプレンダー・イン・ザ・グラス音楽フェスティバルで州警察による「襲来的な」全裸検査を受けたと主張、彼女はレッドファーン法律センターに対し、この試練はおよそ30分続いたと語った。

レッドファーン法律センターの警察責任担当上級弁護士のサマンサ・リーは、これについて以下のようにコメントしている。

私たちの調査では、ニュー・サウス・ウェールズ州のフェスティバルでの襲来的で違法な警察の捜査が日常的になっており、起訴されるケースはほとんどなく、何千人もの若者や未成年者が屈辱と深刻なトラウマを負っていることが明らかとなった。

Australasian Lawyer によると、ニュー・サウス・ウェールズ州政府の法務担当者は、全裸検査を受けた人々に共通する問題が不十分であるとして、訴訟の却下を求める申し立てを行ったが、却下されなかった。

スレイター・アンド・ゴードンのウェブサイトで証言した出席者の一人、ベッカ氏は以下のように語っている。

警察は人々の安全を守るためにいるはずなのに、もう警察を信用できないと感じた。

侵害されたと感じた経験について、苦情を申し立てる方法がないと感じた。

また、別の人物、ベン氏も以下のようにコメントしている。

上着とシャツを脱ぐように言われ、身体検査を受けた。
警官は私のパンツのウェストバンドの内側にも親指を走らせた。親指が私のパンツと肌の間にあった。その時は言われた通りにしただけだが、今思い出すと本当に不快な気持ちになる。

検察側は、潜在的な原告に対し、集団訴訟に登録し、グループ・メンバー・ガイドを通じて適格性を判断するように推奨している。
同裁判は、2025年5月5日に開始される予定であるとのことだ。