23年の歴史を持つイビサ島の老舗ナイトクラブ「Ibiza Underground」が、8月6日(火)、サンアントニオの地元当局により "事前警告なし" で突如、強制的に閉鎖されたとのことだ。サンアントニオ地元当局は、警察が同会場を閉鎖した理由として、Ibiza Underground が「ケータリング・ライセンスしか持っていないにも関わらず、ナイトクラブ・イベントを開催したため」であると述べている。
サンアントニオ市議会は、検査にてクラブイベントが開催されていることを確認、更に厨房が機能していないことも確認され、検査結果が不合格となったため、Ibiza Underground の施設の封鎖と活動の全面停止を命じたと述べている。

Nou Diary が確認した文書によると、ベニューオーナーは7月31日に Ibiza Underground の活動停止の決定を通知され、サンアントニオ警察は、火曜日に施設を封鎖するために会場に赴いたとのことだ。
 
サンアントニオ市議会の声明ではまた、Ibiza Underground のナイトクラブとしての営業は「施設の利用者と近隣住民の両方、そして彼らの急速の権利に深刻なリスクをもたらしている」と主張、「同施設は敷地内の音響処理が不十分なために騒音規制を満たしていない」と付け加えている。

その結果、市議会は Ibiza Underground に対し、音響設備が80dbを超える場合、施設にライセンスの保持を義務付けるバレアレス諸島法7/2013に違法したとして、6万ユーロ(約969万円)の制裁金を貸したと報じられている。

最近、イビサ島ではオーバーツーリズムに対する問題が激化しており、今回の出来事もそれを起因とするものなのではないかと見られている。
イビサ島では2022年には新たなアルコール規制が制定され、ハッピーアワーや無料ドリンク等の提供が事実上禁止に、更にオールインクルーシブ・リゾートではドリンクに6杯の制限が課せられ、ショップでは21時半以降はビール、ワイン、スピリッツが販売できなくなった。
更に今年初めには、イビサ島の住民たちがオーバーツーリズムに対する世界的な抗議活動に参加、数千人の住民がバレアレス諸島全域にて合同デモを行った。

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