The Music Radar が発表した調査のレポートによると、現在、音楽プラットフォーム Spotify などで毎日リリースされている楽曲の数は、1989年度内にリリースされた全ての楽曲の数よりも多いということが明らかとなった。また同レポートによると、世界には7500万人以上の音楽クリエイターが存在し、その数は2030年までに2倍以上になると予想されているとのことだ。


The Music Radar は、「音楽制作の経済」についての現状を調査、その中で最も重要な発見の1つは、2024年度にストリーミング・サービスなどを通じてリリースされている楽曲数は、1989年の1年間にリリースされた合計楽曲数よりも多いという点である。
Spotify の元チーフエコノミスト Will Page(ウィル・ペイジ)は、以下のようにコメントしている。

より多くの音楽がアーティスト自身によって制作されています。つまり、音楽制作に使用するソフトウェアに対する需要が高まっている、ということです。


また同レポートによると、2021年から2022年の間に音楽クリエイターは12% 増加し、7,590万人にも上るという。更に音楽クリエイターの数は、今後10年後までに2倍以上に増加し、2030年には1億9820万人になると予測されている。
レポートでは「カジュアルに音楽を作ることがメインストリームになるだけでなく、音楽クリエイター経済をかつてないほど広げる引き金となるだろう」とコメントされている。

2023年には、Spotify やその他のストリーミングサービスに毎日12万曲がアップロードされ、年間合計では4300万曲以上という数字となったことが報告されている。

Spotify の CEO である Daniel Ek は最近、音楽制作について以下のようにコメントしている。

現在、コンテンツの制作コストはゼロに近く、人々は信じられないほどの量のコンテンツを共有することができる。現在、私たちが見たり聞いたりするものの多くは、すぐに時代遅れになってしまうが、時代を超えたアイデア、何十年、何世紀にもわたって語り継がれている音楽もある。私たちが今作っているものは、今から何百年、何千年経っても評価され、議論されるようなものなのだろうか。

しかしこのコメントは、多くの音楽ファンやミュージシャンから「常識外れだ」と批判を浴びるに至った。