昨年1月に Shakira(シャキーラ)の楽曲をサンプリングした「Whatever feat. Ava Max(ホワットエヴァーfeat.エイバ・マックス)」が大ヒットし、6月にリリースしたアルバム『KYGO(カイゴ)』が発表直後に iTunes Dance Music Chart にて一位を獲得するなど、日本でも絶大な人気を誇る KYGO(カイゴ)だが、約7年ぶりの単独来日公演を2025年3月1日(土)に開催、会場を興奮の渦に巻き込んだ、一夜限りのスペシャル・パフォーマンスのライヴレポが到着した。

ノルウェー出身のグローバル・スーパープロデューサー / DJ KYGO が2025年3月1日(土)、ららアリーナ東京ベイにて約7年ぶりとなる待望の単独来日公演を開催した。2024年9月からスタートしたワールドツアーの一環として行われた今回の公演では、オープニングアクトに Frank Walker(フランク・ウォーカー)と Victoria Nadine(ヴィクトリア・ネイディーン)が参加。当日は開場前から会場周辺に長蛇の列ができ、7年の空白を経て実現した本公演への期待の高さが伺えた。
定刻の20時、暗転したステージ後方のスクリーンに会場入りする KYGO の姿が映し出される。大きな歓声が巻き起こるなか、KYGO はまずセンターステージに置かれたピアノの前に座り、最新アルバム『KYGO』の収録曲「Intro」の演奏からライブを開始した。
次の Ava Max との人気曲「Whatever」では、火柱が次々と立ち上がる派手な演出により、会場のテンションは一気に上昇。曲の途中で KYGO は「東京、調子はどう?」と観客に呼びかけ、続けて「歌って!」と煽ると、会場からは大きな歓声と合唱が沸き起こった。こうして、ライブは序盤から高い熱量を帯びていく中、Zak Abel(ザック・エイベル)がステージに登場すると、2人は一緒にコラボ曲「For Life」を披露。その伸びやかな歌声と KYGO のサウンドが融合した瞬間から会場は大いに盛り上がった。続く「Me Before You」では一転、KYGO の繊細な鍵盤演奏に会場が聴き入り、爆発的な盛り上がりと繊細な感情表現という二面性が示された。

また、KYGO は「この曲は Avicii(アヴィーチー)に捧げる曲だよ」と語りかけた後、故 Avicii へのトリビュート曲「Forever Yours (Tribute)」と Avicii の代表曲「Levels」を続けて披露。KYGO が敬愛する Avicii に対する感動的な追悼の時間となった。
さらに過去のヒット曲「Stargazing」では、Justin Jesso(ジャスティン・ジェッソ)がステージに登場。同曲披露時には、観客席から3人の男性がステージに招かれるという、ファンサービス的なパフォーマンスも実現し、会場の盛り上がりに一役買った。続く Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)とのヒット曲「It Ain't Me」は、イルカやヤシの木などトロピカルな映像とともに披露された。この時は KYGO の「一緒に歌おう」の呼びかけに観客が応え、大合唱が起こるなど、会場は一体感に包まれた。
ライブ中盤では、今年1月にリリースされたばかりの OneRepublic(ワン・リパブリック)との最新コラボ・シングル「Chasing Paradise」を披露。一方、「Happy Now」ではギターイントロが鳴り始めた瞬間から大歓声が起こった。また、「Kids In Love」では紙テープが舞う華やかな演出も印象的だった。
後半戦の開始を告げる「Sexual Healing」では、スクリーンに巨大パンダが登場する演出も見られた。「Dancing Feet」からのアバ「Gimme! Gimme! Gimme!」、Donna Summer(ドナ・サマー)「Hot Stuff」と続くディスコタイムで会場の盛り上がりは最高潮に到達。さらに KYGO は Victoria Nadine をステージに招き入れ、未発表曲「Can't Get Enough」を披露。この思わぬ新曲の登場は、観客を大いに喜ばせた。また、「Fade Away」のピアノバージョンや、ストリングス隊の生演奏が加わるライブ感のあるアレンジでの「Louder」が披露されると、観客は静かに聴き入った。一方、再登場した Zak Abel との「Freedom」披露時には、誕生日を迎えた彼を会場全体が祝うという心温まる場面も生まれた。

また、「Stole The Show」では、パーソン・ジェイムズが力強い歌声で歌い上げたほか、マッシュアップされた「Calabria」のキャッチーなホーン風メロディーも観客を盛り上げた。そして、ライブ本編最後の曲「Fragile」では、Justin Jesso とストリングス隊が再びステージに登場。ストリングス隊の生演奏とJustin Jesso のハートウォーミングな歌声を加えたアレンジに会場が酔いしれた。
アンコールでは KYGO 最大のヒット曲にしてトロピカル・ハウスを象徴する名曲「Firestone」がピアノバージョンから始まり、曲後半ではビートが加わるフルバージョンへと展開。火柱と花火による演出も相まって、アンコールの幕開けにふさわしい盛り上がりを見せた。続く「Higher Love」では、曲のラストのサビのパートで KYGO が観客に向かってハートマークを示す場面も見られた。この曲は Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)が1990年に日本でのみリリースした楽曲を KYGO がリミックスしたという背景と合わせて考えると、日本のファンにとっては、自分たちへの深い愛情が感じられるものだったに違いない。

そして、最後に KYGO は「全てのリリースの中でも個人的に特に気に入っている曲のひとつであり、今夜日本のファンの前で披露することは特別なことだと感じているよ」と観客に語りかけ、「Freeze」を披露。ストリングス隊とマーチングドラム隊を加えて豪華なアレンジで約2時間に及ぶライブを締めくくると、日本語で「ありがとう」と感謝の言葉を口にし、ステージを後にした。
今回の単独来日公演では、最新アルバムからの楽曲のみならず、これまでの KYGO のヒット曲の数々が惜しげもなく披露されたが、共にヒット曲を作り上げたゲストシンガーたちの登場やレーザーや映像を含めた豪華な舞台演出も、ライブの没入感を高めることに一役買っていた。そして、ライブ全体を通じて会場では常に高い観客の熱量が保たれていたことは、KYGO の楽曲が時代を超えて愛され続けてきたことの証といえるだろう。
トロピカル・ハウスの先駆者としての原点を感じさせつつも、ジャンルの枠にとらわれない音楽的進化もしっかりと示してくれた KYGO。その進化の軌跡を肌で実感できた特別な一夜だった。
(文:Jun Fukunaga)
1. Whatever/For Life(with Zak Abel)
2.Me Before You
3. Forever Yours/Levels [Avicii Tribute]
4. Stay/Only You
5. Hold on Me
6. Stargazing(with Justin Jesso)
7. It Ain't Me
8. Can't Do It on My Own
9. The Feeling
10. Stars Will Align
11. Chasing Paradise
12. Happy Now
13. Kids in Love [The Him Remix]
14. Sexual Healing
15. Wait
16. Dancing Feet/Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)/Hot Stuff
17. Can't Get Enough(with Victoria Nadine)
18. Fade Away(Piano)
19. Louder
20. Lose Somebody(with Zak Abel)
21. Freedom(with Zak Abel)
22. What's Love Got to Do With It
23. Woke Up in Love/If I Lose Myself
24. Remind Me to Forget/Satisfaction
25. Without You
26. Stole the Show(with Parson James)/Calabria
27. Fragile(with Justin Jesso)
<Encore>
28. Firestone(with Justin Jesso)
29. Higher Love
30. Freeze
Kygo | カイゴ
最新アルバム『KYGO | カイゴ』

ノルウェー出身のグローバル・スーパープロデューサー / DJ KYGO が2025年3月1日(土)、ららアリーナ東京ベイにて約7年ぶりとなる待望の単独来日公演を開催した。2024年9月からスタートしたワールドツアーの一環として行われた今回の公演では、オープニングアクトに Frank Walker(フランク・ウォーカー)と Victoria Nadine(ヴィクトリア・ネイディーン)が参加。当日は開場前から会場周辺に長蛇の列ができ、7年の空白を経て実現した本公演への期待の高さが伺えた。
定刻の20時、暗転したステージ後方のスクリーンに会場入りする KYGO の姿が映し出される。大きな歓声が巻き起こるなか、KYGO はまずセンターステージに置かれたピアノの前に座り、最新アルバム『KYGO』の収録曲「Intro」の演奏からライブを開始した。
次の Ava Max との人気曲「Whatever」では、火柱が次々と立ち上がる派手な演出により、会場のテンションは一気に上昇。曲の途中で KYGO は「東京、調子はどう?」と観客に呼びかけ、続けて「歌って!」と煽ると、会場からは大きな歓声と合唱が沸き起こった。こうして、ライブは序盤から高い熱量を帯びていく中、Zak Abel(ザック・エイベル)がステージに登場すると、2人は一緒にコラボ曲「For Life」を披露。その伸びやかな歌声と KYGO のサウンドが融合した瞬間から会場は大いに盛り上がった。続く「Me Before You」では一転、KYGO の繊細な鍵盤演奏に会場が聴き入り、爆発的な盛り上がりと繊細な感情表現という二面性が示された。

また、KYGO は「この曲は Avicii(アヴィーチー)に捧げる曲だよ」と語りかけた後、故 Avicii へのトリビュート曲「Forever Yours (Tribute)」と Avicii の代表曲「Levels」を続けて披露。KYGO が敬愛する Avicii に対する感動的な追悼の時間となった。
さらに過去のヒット曲「Stargazing」では、Justin Jesso(ジャスティン・ジェッソ)がステージに登場。同曲披露時には、観客席から3人の男性がステージに招かれるという、ファンサービス的なパフォーマンスも実現し、会場の盛り上がりに一役買った。続く Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)とのヒット曲「It Ain't Me」は、イルカやヤシの木などトロピカルな映像とともに披露された。この時は KYGO の「一緒に歌おう」の呼びかけに観客が応え、大合唱が起こるなど、会場は一体感に包まれた。
ライブ中盤では、今年1月にリリースされたばかりの OneRepublic(ワン・リパブリック)との最新コラボ・シングル「Chasing Paradise」を披露。一方、「Happy Now」ではギターイントロが鳴り始めた瞬間から大歓声が起こった。また、「Kids In Love」では紙テープが舞う華やかな演出も印象的だった。
後半戦の開始を告げる「Sexual Healing」では、スクリーンに巨大パンダが登場する演出も見られた。「Dancing Feet」からのアバ「Gimme! Gimme! Gimme!」、Donna Summer(ドナ・サマー)「Hot Stuff」と続くディスコタイムで会場の盛り上がりは最高潮に到達。さらに KYGO は Victoria Nadine をステージに招き入れ、未発表曲「Can't Get Enough」を披露。この思わぬ新曲の登場は、観客を大いに喜ばせた。また、「Fade Away」のピアノバージョンや、ストリングス隊の生演奏が加わるライブ感のあるアレンジでの「Louder」が披露されると、観客は静かに聴き入った。一方、再登場した Zak Abel との「Freedom」披露時には、誕生日を迎えた彼を会場全体が祝うという心温まる場面も生まれた。

また、「Stole The Show」では、パーソン・ジェイムズが力強い歌声で歌い上げたほか、マッシュアップされた「Calabria」のキャッチーなホーン風メロディーも観客を盛り上げた。そして、ライブ本編最後の曲「Fragile」では、Justin Jesso とストリングス隊が再びステージに登場。ストリングス隊の生演奏とJustin Jesso のハートウォーミングな歌声を加えたアレンジに会場が酔いしれた。
アンコールでは KYGO 最大のヒット曲にしてトロピカル・ハウスを象徴する名曲「Firestone」がピアノバージョンから始まり、曲後半ではビートが加わるフルバージョンへと展開。火柱と花火による演出も相まって、アンコールの幕開けにふさわしい盛り上がりを見せた。続く「Higher Love」では、曲のラストのサビのパートで KYGO が観客に向かってハートマークを示す場面も見られた。この曲は Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)が1990年に日本でのみリリースした楽曲を KYGO がリミックスしたという背景と合わせて考えると、日本のファンにとっては、自分たちへの深い愛情が感じられるものだったに違いない。

そして、最後に KYGO は「全てのリリースの中でも個人的に特に気に入っている曲のひとつであり、今夜日本のファンの前で披露することは特別なことだと感じているよ」と観客に語りかけ、「Freeze」を披露。ストリングス隊とマーチングドラム隊を加えて豪華なアレンジで約2時間に及ぶライブを締めくくると、日本語で「ありがとう」と感謝の言葉を口にし、ステージを後にした。
今回の単独来日公演では、最新アルバムからの楽曲のみならず、これまでの KYGO のヒット曲の数々が惜しげもなく披露されたが、共にヒット曲を作り上げたゲストシンガーたちの登場やレーザーや映像を含めた豪華な舞台演出も、ライブの没入感を高めることに一役買っていた。そして、ライブ全体を通じて会場では常に高い観客の熱量が保たれていたことは、KYGO の楽曲が時代を超えて愛され続けてきたことの証といえるだろう。
トロピカル・ハウスの先駆者としての原点を感じさせつつも、ジャンルの枠にとらわれない音楽的進化もしっかりと示してくれた KYGO。その進化の軌跡を肌で実感できた特別な一夜だった。
(文:Jun Fukunaga)
▼ KYGO「KYGO WORLD TOUR PART 2」セットリスト
0. Intro1. Whatever/For Life(with Zak Abel)
2.Me Before You
3. Forever Yours/Levels [Avicii Tribute]
4. Stay/Only You
5. Hold on Me
6. Stargazing(with Justin Jesso)
7. It Ain't Me
8. Can't Do It on My Own
9. The Feeling
10. Stars Will Align
11. Chasing Paradise
12. Happy Now
13. Kids in Love [The Him Remix]
14. Sexual Healing
15. Wait
16. Dancing Feet/Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)/Hot Stuff
17. Can't Get Enough(with Victoria Nadine)
18. Fade Away(Piano)
19. Louder
20. Lose Somebody(with Zak Abel)
21. Freedom(with Zak Abel)
22. What's Love Got to Do With It
23. Woke Up in Love/If I Lose Myself
24. Remind Me to Forget/Satisfaction
25. Without You
26. Stole the Show(with Parson James)/Calabria
27. Fragile(with Justin Jesso)
<Encore>
28. Firestone(with Justin Jesso)
29. Higher Love
30. Freeze
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リリース情報
Kygo | カイゴ
最新アルバム『KYGO | カイゴ』