ドミニカ共和国サントドミンゴにある人気ナイトクラブ「Jet Set」にて、8日火曜日の深夜午前1時前に、人気メレンゲアーティスト Rubby Pérez の公演中、壊滅的な屋根崩落事故が発生、少なくとも124名が死亡した。救急当局の発表によると、Rubby Pérez 氏の遺体は水曜朝に収容されたとのことだ。

Rubby Pérez 氏は、崩落後も瓦礫の下敷きになったまましばらく生存しており、救助隊に自分の位置を知らせるために歌っていたとのことだが、事故発生から16時間以上が経過した時点で、救出される前に残念ながら死亡、また彼のマネージャーもその後死亡が確認されている。バックシンガーとして参加していた Rubby Pérez 氏の娘は、夫と共に生還している。
 

緊急対策本部の Juan Manuel Méndez によると、瓦礫の中からは145人が生還したと報告。しかし、この惨事の全容は依然として不明な点が多く、瓦礫の下に何人の被害者が埋まっているのかも不明であるとのことだ。なお、屋根崩落時、会場内に満員状態で、約300人がクラブ内部にいたという。

クラブ内部で撮影され、SNS で共有された動画には、恐ろしい崩落の瞬間が捉えられている。映像には、屋根が崩落する数秒前に天井から照明が落ち、続いて悲鳴が上がる様子が映っている。

マルコ・ルビオ米国務長官は、死者の中に少なくとも1名の米国市民と数人の米永住権保持者が含まれていることを確認したと発表。
フアン・マヌエル・メンデス所長によると、元メジャーリーガーのオクタビオ・ドテル選手、日本プロ野球にて複数の球団で活躍したトニ・ブランコ選手もこの事故に巻き込まれて死亡した。
2011年のワールドシリーズ優勝者であるドテル選手は瓦礫の中から生還したが、病院に搬送される途中で死亡。また、トニ・ブランコ選手は一緒にいた元レンジャーズ内野手のエステバン・ヘルマン選手い天井の一部が直撃しそうになった際に、ヘルマン選手を助けようと突き飛ばし、自身は瓦礫に飲み込まれて死亡したとのことだ。なお、ヘルマン選手は生き残った。

この事故により、ドミニカ共和国北西部のモンテ・クリスティ州知事で MLB オールスターのネルソン・クルーズ選手の親戚でもあるネルシー・クルーズ氏も死亡、また公共事業大臣エドゥアルド・エストレジャ氏の息子も行方不明であるとのことだ。

事故翌日の水曜日、崩壊したナイトクラブの外には悲しみに暮れる遺族たちが集まり、救助隊員が瓦礫の撤去作業を着々と進めた。CNN によると、水曜の時点で確認されていた124名の犠牲者のうち、33人の遺体の身元は未だ確認できていないとのことだ。
当局は、この会場の構造崩落の原因をまだ特定していない。