90年代のイギリスのレイヴカルチャーとフリーパーティー・ムーブメントを描いた新作ドキュメンタリー映画「Free Party: A Folk History」が、今月後半に公開される。
アーロン・トリンダーが監督を務める同作品は、Spiral Tribe、Colin Dale、DiY Sound System のメンバー等、当時のシーンの中心人物たちの証言を通し、90年代のレイヴカルチャーと、それに対する当局による取り締まりが音楽、文化、抗議活動に与えた影響を探究するドキュメンタリー映画で、1992年の「Castlemorton free festival」、1994年の刑事司法法の施行等も本作の主要な参考点となっている。
 

同作品は、2023年の「Doc'n Roll film festival」にて限定プレミア上映されたもので、2025年5月30日に全世界バーチャルプレミアが開催される。このプレミアでは、映画本編に加え、インタビューや未公開シーンなどの特典映像が先行公開される。

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アーロン・トリンダー監督は、同作について以下の声明を発表している。

この映画は、文化史においてこれまであまり語られることのなかったこの瞬間を、独自の視点で捉えている。
デジタル時代以前の、最後の偉大な若者の結束を促すムーブメントであり、当局に挑み、環境意識と音楽を結びつけ、土地の権利や不法侵入に関する法律に疑問を投げかけた。
ヨーロッパ全土で不法侵入や抗議活動が犯罪となる新たな法律が施行される中、この物語はこれまで以上に重要な意味を持っている。

Spiral Tribe の共同設立者である Mark Angelo Harrison(マーク・アンジェロ・ハリソン)は、以下のようにコメントしている。

英国の体制側は、権力者を称揚しながら草の根運動を犯罪化することで、人々の歴史を葬り去ってきた。フリー・フェスティバルやフリー・パーティーがそうであったように。
このドキュメンタリーは、英国で最も非合法とされてきた文化ムーブメントの一つの、語られざる物語を掘り起こす。
知的で、独立心があり、反抗的なこのムーブメントは、商品化された社会空間の概念に意義を唱え、容赦ない弾圧にも屈せず、新たな動きを生み出し続けるムーブメント讃える。まさに、脈々と受け継がれる生きた歴史だ。