人気爆上がり中!「WDJFJ 2025」で話題をさらった "Speed House (スピードハウス) " シーンのクイーン、DJ/プロデューサーのCHYL (チル) に注目!

The Chainsmokers、Nicky Romero、Alesso 等、様々なビッグアーティストが惜しげもなくラインナップされ、大喝采のうちに幕を閉じた韓国発、日本初開催の「World DJ Festival Japan 2025」。数々のビッグアーティストが出演した同フェスだが、今回はその DAY2 の Dream Stage に出演した DJ/プロデューサーの CHYL(チル)に注目したい。


中国系カナダ人で、現在はアメリカの LA を拠点に活動する DJ/プロデューサーの CHYL は、今最も注目すべきダンスミュージック・アーティストの一人であることは間違いないだろう。
ハウスミュージックのサブジャンル “Speed House(スピードハウス)” の先駆者として知られており、そのジャンル名の通りのゴリゴリな疾走感とアッパーなパフォーマンス、キュート過ぎる笑顔でフロアを爆上げしてくれるアーティストだ。

高速&ブっといベースで心拍数爆アゲな “スピードハウス” ってどんなジャンル? 

“スピード” と名が付くだけあり、スピードハウスはハウスミュージックながらに非常に速いテンポで、一般的なハウスミュージックが BPM 120〜128程度であるところ、スピードハウスは120〜150、ハードスタイルよりは少し遅いが、ダブステップと同レベルの速さである。
強いキック、エレクトロっぽさのあるシンセサウンドやレーザーサウンドを取り入れつつ、腹に響く太いベースライン、攻撃的なドロップを特徴とし、そこに時折小気味良いブレイクビーツやトランシーなサウンドも織り交ぜてくる曲調を特徴とするジャンルだ。

2017年頃よりジャンル名が使われ始めた Speed House、本格的に人気になり出したのは2020年頃で、アメリカ、オーストラリアといった国々の若手プロデューサーの間で人気を博してきた。
TikTok、SoundCloud 等で Speed House 風の編集がバイラルとなり、また “Speed House Movement” というアーティストのコミュニティもジャンルの人気の火付け役として一役買っており、まさに SNS 世代の心をガッチリと掴んできたジャンルだ。
 
スピード・ハウスのアーティストには、CHYL の他、“Speed House Movement” をスタートさせたアーティストの Haus of Panda(ハウス・オブ・パンダ)、ZOOTAH(ズータ)、R4ZOR(レイザー)等が挙げられるが、その中でも CHYL は “Speed House Queen” と呼ばれる、シーンを牽引するアーティストの一人である。
 

シーンを爆走中の Speed House Queen、CHYL のキャリアは?

Chyl は中国生まれでその後カナダへと移住、アメリカのコロンビア大学で金融を専攻し、卒業後は金融アナリストとしてウォール街で2年間勤務。しかし、音楽への情熱を捨てきれずにいたところ、Avicii の死を受けて「情熱を追いかけるべきだ」と決意し、金融アナリストというキャリアから音楽の世界に本格的にシフト、ロサンゼルスを拠点とする EDM 音楽制作スクール ICON Collective に入学し、サウンドデザインやミキシング、マスタリング、作曲についてを1年間に渡って学美、その間にベースハウス。エレクトロ、UK ハードハウスといった彼女自身が好きなジャンルを分析し、現在の Chyl のスタイルであるスピード・ハウスの基礎を作っていった。


ICON Collective 卒業後は、コロナ禍と被ってしまったためしばらくライブ出演は少なかったものの、SoundCloud、TikTok、YouTube といったプラットフォームで短尺のスピード・ハウストラックを多数投稿、数多くのバイラルを連発した。
2021年リリースの「Boom Boom」は、CHYL がスピード・ハウスを本格的に探求し始めた初期の象徴的トラックであり、彼女のマイルストーンとなった一曲だ。この曲以降、彼女の曲はより激しくスピード感のあるトラックへと発展していく。
 
2022年には、カナダ・バンクーバーで開催された Monstercat による屋外フェス「Monstercat Compound」に出演、これが CHYL がオフィシャルで出演した大舞台デビューとなった。これがきっかけとなり、2023年には Monstercat からのデビュートラック「Fool Me」をリリース。エモーショナルなメロディとパワフルなベースサウンドが融合された、エネルギーに溢れたフロア向けのスピード・ハウス・トラックで、高い評価と再生回数を得て、メジャーシーン進出への大きな足掛かりとなった。
 
Dim Mak からリリースした Fahjah とのコラボ曲「Hooyah!」も大ヒットを記録!スピード・ハウスにメインステージ EDM 的サウンドを融合させた同曲は、EDC、HARD Summer 等のビッグフェスや世界中のナイトクラブでハードプレイされ、Dim Mak のコンピアルバム『Dim Mak Greatest Hits 2023』にも収録された。
 

自身の愛する "レースカルチャー" をモチーフとしたブランディング、男性顔負けのガールズパワーが印象的!

また、CHYL は F1 を始めとする "カーレース" にのめり込んでいるとのことで、自身のブランディングにもレースカルチャーをテーマとして取り入れている。


彼女の Instagram を見ても分かるとおり、ファッション、ビジュアル、トラック名やツアー名等、一貫してカーレースへの情熱が詰め込まれたものとなっており、現在開催中のアメリカ、日本、カナダで開催中のツアータイトルも「Pretty Race Girl Tour(プリティ・レース・ガール・ツアー) PART II」。なお、同ツアーの PART 1 は完全ソールドアウトとなった。
 

そしてもう一点、CHYL のイメージとして印象的なのが、カッコ良さとキュートさ、女性らしさとパワフルさという真逆の概念を併せ持ち、男性主体のダンスミュージックシーンに挑む姿勢だ。レーシングスーツやオーバーサイズのスウェットといった一見男性的なアイテムの中に、レースやピンク、コルセットやヘソ出しルック等のガーリーさをミックスさせたファッションに身を包み、アグレッシブに攻めたプレイで会場を揺らす CHYL は、男性中心のダンスミュージックシーン、スピード・ハウスシーンに、タフでキュートなガールズパワーを武器にフルスロットルで挑む、期待のホープであることは間違いないだろう。
 

今回、「World DJ Festival Japan 2025」で2回目の来日公演を果たした CHYL。今回見逃してしまった方も、日本のファンの心をガッチリと掴んだ彼女の再来日公演を楽しみに待とう!
 

CHYL

Official
X
Instagram
Spotify
SoundCloud
YouTube

タグ

ChylチルSpeed HouseDJProducerartistチェル
More
Back to top ↑