2010年代にプログレッシブ・ハウスの新星として頭角を現し、フェス向けの楽曲を次々と発表して世界的な注目を集めたポーランド出身の DJ/プロデューサー Tom Swoon(トム・スウーン)は、2017年に自身が起こした飲酒運転によって死亡事故を引き起こし逮捕、過失致死罪による有罪判決を受け、5年8カ月の実刑判決と永久的な運転免許取り消しとなった。その後、2018年には音楽業界から引退したが、最近刑期を終え、約10年の沈黙を経て SNS で音楽活動への復帰を表明した。
 
2016年に開催された「ULTRA JAPAN」のメインステージへの出演経歴も持つ Tom Swoon は、上の Instagram 投稿で以下の声明文を発表した。

(一部翻訳)
ほぼ10年の時を経て、もう一度自分にチャンスを与えることにした。再び音楽を世界に届け、この何年もの間、自分の中に溜まっていたすべてを唯一自分が表現できる言語=音楽で綴っていきたいと思う。大きな計画も、プレッシャーもない。義務のように感じたくはないんだ。ただ願うのは、いつも途中で止まってしまう16小節のループを完成させること。もしその音楽が誰かの一日を少しでも良いものにできるなら、それだけで自分が続ける理由として十分なんだ。

この数週間、世界中からたくさんのメッセージをもらった。本当にひとつひとつに感謝している。それが、これまでで最も暗い場所から自分を引き上げてくれた最後の後押しになった。

今の自分はまったく別の人間だ。だからこそ、完全にゼロから始めようと思う。それ以外にやり方はないと感じている。作ったものを SoundCloud で無料公開するのか、それともいずれレーベルからリリースされるのか……まだまったくわからない。ただ一歩ずつ、一日ずつ進んでいきたいんだ。そして、いつの日か振り返ったとき、そこに少しでも光が差していることを願っている。