音楽ストリーミング・サービスの Spotify（スポティファイ）から、これまで CEO を務めてきた Daniel Ek（ダニエル・エク）氏が退任し、日常業務から退き、執行会長に就任することを発表した数日後、新たに共同 CEO に就任した Alex Norström（アレックス・ノルストロム）氏と Gustav Söderström（グスタフ・ソーダーストロム）氏は、既に同社の将来についた野心的なビジョンを提示している。

Daniel Ek 氏はこの人事異動を、長年計画してきたリーダーシップの分参加の一環であり、「会社の長期的な成長」に引き続き注力していくと述べている。

9月末に行われた Spotify の経営陣向け最新情報発表の電話会議にて、Alex Norström 氏は「いつか世界人口の10％、15％が Spotify Premium 料金を支払うことになることも想像に難くない」と発言。Spotify の最高事業責任者（CBO）も兼務する同氏は、インド、パキスタン、バングラディシュ、そしてアフリカ全土といった地域における巨大な成長の可能性を挙げた。

これが実現すれば、Spotify の現在のリーチである約12億人からすると飛躍的な成長となる。2025年第2四半期時点で、Spotify は世界中で2億7,600万人以上の有料会員を抱えている。

その意見に、Alex Norström 氏と共に CEO を務め、更に最高製品・技術責任者（CPO）も兼任する Gustav Söderström 氏も以下のようにコメント。

チャンスそのもの、そして全ての人にリーチできるビジネスに携わっていること自体が、TAM（Total Addressable Market：総市場規模）という点で、他のどのコンシューマービシネスよりも大きいと考えている。本当にワクワクしている。我々は、毎月7億人以上のユーザーにリーチするコンシューマー向け製品を提供している。しかし、それでも世界人口の僅か3％しか加入していない。だから、チャンスは依然として以上に大きいのだ。

Daniel Ek 氏の CEO 退任の報道を受け、Spotify の株価は10月3日までの週に5.0％下落し、時価総額は75億ドル（約1兆1,264億7,750万円）近く減少した。