2018年に急逝した DJ/プロデューサー Avicii（アヴィーチー）の創作過程を紐解く新たなミニドキュメンタリーシリーズ『Stories on Stories』が、先日、公式 YouTube チャンネルにて公開された。本シリーズは、遺族が保管してきた膨大な映像資料をもとに、今年10月に発売10周年を迎えたアルバム『Stories』制作の裏側をファンに届けたいという Avicii 自身の願いを実現するものである。YouTube の字幕機能で日本語字幕が表示可能となっている。

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このプロジェクトは、2015年のインタビューで Avicii 自身が語っていた構想に基づいている。彼は当時、「すべてのセッションを撮影している。これを使って、スタジオで実際に何が起きているのかを人々に見せたい」と、YouTube シリーズの制作に意欲を見せていた。2019年以降、遺族は彼が遺したラップトップやハードドライブのデータを丹念にアーカイブ化しており、今回のシリーズは彼のビジョンを忠実に形にしたものとなる。
 
記念すべき第一弾では、シンガーソングライターの Alex Ebert（アレックス・エバート）をフィーチャーしたヒット曲 "For A Better Day" の制作風景が収められている。2014年のスタジオセッションの貴重な映像を通して、二人がメロディや歌詞のアイデアを交換し、楽曲の骨格を築き上げていく様子が映し出される。試行錯誤を重ねながら、一つのコードから名曲が生まれる瞬間を垣間見ることができる。Alex Ebert は当時のセッションを「僕たちは探検家だった」と振り返り、二人がいかにメロディを重視し、純粋な探求心で音楽を生み出していたかを語っている。
 
『Stories on Stories』は、Avicii の音楽的才能と、コラボレーターとの創造的な関係性を深く知るための貴重な記録である。このシリーズを通して、彼の音楽がどのようにして生み出されたのか、その魔法のようなプロセスを追体験できるだろう。