ギリシャの元財務大臣である ヤニス・ヴァルファキス氏が、37年前となる1989年に、オーストラリア・シドニーにて開催された音楽フェスティバルにて、1錠の MDMA を服用したことをポッドキャストで語ったことで、ギリシャにおける麻薬法に違反するとして、同国の検察により起訴された。これにより、ヤニス・ヴァルファキス氏は2026年12月16日に出廷予定となっている。

元急進左派連合(Syriza)幹部で、現在は緊縮財政の撤廃、債務負担の軽減、教育や医療への投資、社会的解放を目指す政党である「MeRA25」の創設者/事務局長を務めるヤニス・ヴァルファキス氏は、風刺的かつ未来的なテーマを扱うポッドキャスト「3026: Human Algorithm」にてこの発言をした。その中で「エクスタシーの使用は当初は心地良かったものの、その後ひどい偏頭痛に襲われ、最終的に再びエクスタシーを摂取することを思い留まった、と述べている。
ロイター通信によると、ヤニス・ヴァルファキス氏は過去にマリファナを使用していたことを認め、後に「薬物使用の影響と中毒に伴う自由の喪失について警告するためにこの体験を語った」と述べている。

ギリシャでは、この事件が同国の麻薬法に違反する麻薬の扇動および販売促進の容疑がかけられていると報じられており、ヤニス・ヴァルファキス氏が有罪判決を受けた場合、少なくとも6ヶ月の懲役と最高5万ユーロ(917万円)の罰金を含む刑罰を受ける可能性があるとのことだ。

ヤニス・ヴァルファキス氏による政党「MeRA25」は「ギリシャの保守政権が著名な政治評論家に対して司法を武器にしている」としてこれを非難している。

この件に関して、ヤニス・ヴァルファキス氏は自身の X で以下のようにコメントしている。

人々は私に尋ねる。「オーストラリアで36年前にエクスタシーのピルを飲んだと言っただけで、どうして起訴されるんだ? 彼らは狂っているのか?」いいえ、皆さん、彼らは狂っていない。これは違法薬物とも、法律とも、私の実際のインタビューに関連するいかなるものとも無関係です。これは、西側諸国全体で起こっている政治の状況を反映したものであり、ギリシャ的な特徴を帯びている。

他のほとんどのヨーロッパ諸国とは異なり、そこ(ギリシャ)では新たな極右政党が伝統的な中道右派政党を弱体化させるために台頭した(例:ドイツのAfD、イギリスのReform、イタリアのメローニの兄弟党、フランスのルペン)。しかし、ギリシャでは主流の保守派相当政党(新民主主義党)が、世論調査や公共の議論で依然として支配的だ。

彼らの成功の理由は、ネオファシストを自らの陣営内に留め置いたからだ。実際、首相のミツォタキスは彼らをなだめるために、主要な閣僚ポスト(例:保健省、移民省)を彼らに与えた。彼らのような状況を維持し、ネオファシストが独自の政党を形成しないようにすることを望む首相は、彼らと取引を結んだ。

首相と彼の新自由主義的な主流派閥は、地元およびグローバルな企業寡頭との金融取引や、より広範な経済政策を独占する。その見返りとして、首相はネオファシストに、右派の文化戦争に関わる省庁(移民、家族法、保健、薬物との偽りの戦争など)を引き渡した。後者はその権限を利用して、選挙基盤に訴えかけるために、ギリシャ沿岸警備隊がエーゲ海で移民を溺れさせること、警察がファシストを保護すること、そして私のような人々が嫌がらせを受け、法廷に引きずり出されることを保証する。

要するに、私のばかばかしい起訴は、より広範で、西側全体に広がる、陰湿な新形態のファシズムの台頭の中で見るべきものだ。この文脈で、彼らの私を迫害しようとする決意によって、私は光栄に思う――それは、世界中から良心ある人々に呼びかけ、一緒に立ち上がり、彼らに反対する特権を与えてくれるからだ。