LOVE FOXX / CSS [LEAD VOCAL]
何の計画もメンバー構成もはっきりしないままに集まった。
フォトログ(写真やビデオ映像をシェアするソーシャルコミュニティサイト。ブラジルではえらい人気らしい。)で出会ったメンバーたちが何か新しい事を始めようとクラブに集結。
目の前にある楽器をどうやって演奏するのかという知識がないまま、実験は始まった。ある日、女性メンバーの一人がギターを忘れて来たので代わりにマイクを渡された。
突然そのマイクに向かって叫ぶ事ができることに気づいた。最終的にバンドは6人構成に拡大し、ギター担当の女性メンバー数人と新たにドラムを始めた男性メンバーは、やっていくうち徐々にスキルを何とか身に付けていった。
嘘くさいアーティストたちが空威張りする姿への苛立ちを原動力に、そして非有名人を讃えるべく、バンドの名前は決まった。それがCSSだ。
「ラヴフォックス(Lovefoxxx)は才能あるデザイナー、アナ(Ana)は映画業を勉強中、イラ(Ira)はファッション・デザイナー、カロリーナ(Carolina)はグラフィックデザイナー、ルイザ(Luiza)は美術学校の学生。」
2006年、母国語ポルトガル語に反してバンドはしまりのないビートと早いプログラミングにのせて英語で歌うことに・・・そして彼らは自分たちのシーンはサンパウロにあらず、インターネットであると主張する。
「パリス・ヒルトンとの出会い」「レッツ・メイク・ラブ・アンド・リッスン・デス・フロム・アバヴ」といった曲タイトルから察せられるようにCSSはポップ・カルチャーへの賞賛をあからさまに偏愛。
ファンキーなダンスホールと揺れ動き跳ねる音階のはざまでリードボーカルのラヴフォックスは叫び続け、全く恐れのない調子でボーカルをぶちまける。素晴らしく羞恥心のないままに。
か細いギターとかっ飛ばすドラム、そして躁病的なバカ浮かれたサビが曲を盛り上げる。分厚く脈打つ行き当たりばったりのシンセ(「Alala」)、そしてカモン!の呼びかけとその反応がキザなアティテュードらしき面影をぶっ壊す(「Art Bitch」「Patins」)。
CSSはCansei de Ser Sexy(Tired of Being Sexy = “セクシーでいることに飽きた”)でSub Popからのデビューを飾った。ロックスローガンを唱えるのと、何か新しい事をおっぱじめようという意図が半々にあるこのアルバムはジャンルを超え、世界地図をまたぐ。
ダンスのジャンルをフルスピードで疾走し、ワイルドなエレクトロ・ロックでイライラを表面化させながら、未知で手つかずの領域へと達する。
「音楽だけじゃない。ともに進んで行くという新しい形。この新しいグループは“目的地点”に到達するまで温存するのではなく、勇敢にも自分たちを見せびらかし、その全てを“スタイル”にしてしまっている。」
ファッション。アート。デザイン。映画。投げ込まれ、投げ返されるパンティ。ホットパンツとセクシーな脚線。一体どうやって?こうやって起こったのだった・・・。
そのCSSのリードシンガー、「顔」であるトレンドキャラクターのラヴフォックス(Lovefoxxx)がDJ SETとしてLUNAR CLUBに出演する。