10 代の頃に始まったVlad Caia の音楽的実験は、ミディシーケンサー、フロッピーディス
クドライブ、キーボード、及び彼の周囲の熱烈なミュージシャンのサポートのみを駆使して、
彼のアイディアとサウンドスケープを形成させた。
彼の最初のソロリリースは2007 年前半にNext Dimension Music から発売され、続けてそ
の他の楽曲やリミックスも異なるレーベルからリリースされた。
DinkyのレーベルであるHorizontal Records よりリリースされたChango EP は、国際的な
注目を集め、後にCocoon とライセンス契約を結ぶこととなった。
2010 年にロンドンで開催されたRedbull Music Academy に招かれたVlad は、他の参加者
のとともにアイディアや音楽的知識の交換をし交流を深める事となる。
Vladは常に新しい事を試みる事を切望し、盟友Cristi Cons とともにSIT プロジェクトをス
タートさせる。プロジェクト初公演がルーマニアで行なわれている最大規模のフェスティバ
ル”Sunwaves 8 Festival”となり、このコラボレーション、彼らの最初のEP「Year 3000」を
Valentino Kanzyani のレーベル[Jesus Loved You]からリリースする事をより決定付けるもの
となった。
2011 年、Vlad はエレクトロニックミュージックの、既に”標準化された”原則から自由にな
るために、よりエクスペリメンタルな音に焦点を移し始めた。
新しい手法とアプローチを、音の合成とアレンジに引用し、それらがCristi Cons とのレー
ベル[Amphia]のコアコンセプトであり、独自のサウンドとして、明確化した。
多様な音楽的広がりをみせるプロジェクトと様々なリリース、例を挙げるとAmphia から
リリースされた田中フミヤによる「Projections EP」のリミックス、All Inn Black からの
「Routed EP」、Gilesku からアシッドエッセンスとジャズピアノのリフが注ぎ込まれた
「Connection EP」、アーティスト集団Pluie / Noir からは深い浮遊感漂う「Swan Lake」、
そして日本のFasten Musique からはGabriele Carasco のDark Shades のリミックス、
Rhadoo の「fabric72 compilation」に「Ticktockclockityclock」トラックを提供している。
そして2014 年にAmphia からリリースされた「Codex Voluspa」は彼の音楽史の中での重要
なマイルストーンである。
ジャズエッセンスのある複雑に並べ替えられたエクスペリメンタルな音、クラシックやオ
ーケストラ的アレンジまで、深く、ほとんど瞑想的と言っても良いような音のグルーヴ、彼
の作品を通して音楽の変化と多様性を感じる事ができるだろう。