ドイツはフランクフルトを拠点に活動を続ける、エレクトロ・ハウス・ シーンの代表的な DJ / クリエイターの一組であるM.A.N.D.Y.。元々友達同士だったという Patrick Bodmer とPhilipp Jung の二人は、'90年代初頭からデュオとして活動を
始める。当初は様々なプロジェクト名を使いながら活動していたが、'01年には正式にM.A.N.D.Y. と名乗り、その本格的なキャリアをスタートさせた。
M.A.N.D.Y. としての活動初期は、Sugerbabes や Daniel Bedingfield といったエレクトロ・ポップのリミックスを多数手掛けて
いるが、その中でも '02年に手掛けた Galleon 'So IBegin' のリミックスは、フランスでトップ5に入る大ヒットを記録する。しかし、コマーシャルな音楽を手掛けることに元々乗り気でなかった彼らは、商業的成功を収めていたにも関わらず、その手のリミックスを手掛けるのをあっさりと辞めてしまうのであった。同年、自由な音楽活動の場を求めていた彼らは、ドイツの権威ある音楽雑誌 Groove の創設者 DJ T、旧知の仲である BookaShade の二人、そして Peter Hayo と共に自身のレーベル Get Physical Music を立ち上げる。後にドイツのエレクトロ・ハウス・ シーンの代表的なレーベルの一つとなる同レーベルだが、その立ち上げに関わった DJ T と M.A.N.D.Y. が出会ったのは、レーベル設立の僅か一年前のことだった。
いつものようにフランクフルトの小さなクラブで M.A.N.D.Y. がプレイしているのを、偶然遊びに来ていた DJ T が見かけて衝撃を受ける。プレイ後、即座に声を掛けた DJ T は、あっという間
に彼らと意気投合。その後、長きに渡ってお互いを良き音楽的パートナーとして認め合う関係になるのであった。また、その日 DJ Tと共に会場に来ていたフランクフルトの名門クラブ Monza Club
の経営者 Patrick Dechent の紹介により、M.A.N.D.Y. は
同クラブでのレジデントを始めることになる。ちなみに Get Physical Music というレーベル名には、彼らのダンス・フロアへの愛情と、DJ
T や Patrick Dechent との出会いへの感謝の気持ちが込められているのだという。
Get Physical Music 立ち上げ後は、現在の音楽性に繋がる良質なエレクトロ・ハウスのトラックを次々とリリース。また、Royksopp、 Lindstrom、Mylo、Freeform Five といったエレクトロのビッグ・ネームのリミックスも数多く手掛けたことにより、その評判を一気に高めることにも成功した。'05年初めには Booka Shade とのコラボレーションでリリースされたトラック 'Body Language' が、世界中のクラブでヘヴィー・プレイの大ヒットとなる。エレクトロ・ハウス・シーンの枠を超えたクロス・オーヴァー的な人気を博し、The Ibiza DJ Award2005 ではこの曲が Track of the season に選ばれた。
同年には、その曲の名を冠したミックス・アルバム "Body Language Vol.1" をリリース。'Body Language' はもちろん、Booka
Shade、Lindstrom、Tiefshwarz、Luciano といったミニマム / エレクトロ系のアーティストのトラックを多数使用したミックスを披露し、エレクトロ・ハウス界の旗手としての地位を不動のものにした。