8月3日(土)、ロサンゼルス州立歴史公園(LA State Historic Park)にて開催されたダンスミュージックフェスティバル”HARD SUMMER 2013”にA-トラックとアーマンド・ヴァン・ヘルデンによるユニットDuck Sauce(ダック・ソース)がヘッドライナーとして出演した。

超満員のメインステージ、イギリスの人気ダブステッププロデューサー・フラックス・パヴィリオンのプレイが終わると、ステージ袖から何やら大掛かりで重工な骨組みと巨大な布のかたまりが登場。一体どうなるのかと見守っていると、みるみると”アヒルちゃん”が膨らんでいくではないか!ご存知ダック・ソースといえばこのアヒルのモチーフでおなじみだが、今回登場したのは高さ3mを超えるであろう超巨大なアヒルちゃん、ステージ上でふてぶてしく構えながら本人たちの登場を待った。



いよいよ照明が暗転され、ステージ上部と両側に設置された巨大モニターに「QUACK IS BACK.」の文字が流れると、「おかえり!待ってました!」と言わんばかりの大歓声が彼らを迎え入れる。胸元にDuck Sauceの頭文字である”DS”のワッペンが刺繍されたお揃いの金のナイロン製スタジアムジャケット(ちなみにその巨大アヒルちゃんもお揃いの衣装)に身を包んだ彼らがブースに登場すると、まもなくアーマンドが1曲目をドロップ。残念ながら楽曲名はまだ公表されていないが、アルバムには収録される楽曲だ。彼らにとっては伝統芸である、ディスコチューンのサンプリングを用いたこの曲で一瞬にして超満員の観客のテンションを最高潮に持って行く。それまでこのメインステージで打ち鳴らされていたであろう、いわゆるEDMと言われるようなヘヴィー・ベースと高音シンセ重視のエレクトロニックサウンドではなく、生音を重視したこの温かみのあるディスコライクな楽曲を1曲目に持ってくるあたりが何ともニクく、愛らしい。ダンスフロアは笑顔とハッピーなヴァイブスが溢れているが、曲中に二人で背中を合わせてポーズをとったり、満面の笑みを浮かべながら会話をしている彼らも本当に楽しそうだ。

ヘッドフォンを耳に当てたアーマンドがCDJを巧みに操りながら2曲目をミックスしていく。そのイントロで早くも反応した一部の客が歓声をあげる中、ドロップされた2曲目が彼らのカムバック作となり世界中で目下ヒット中の『It’s You』だ。1950年代のドゥーワップスタイルの楽曲をサンプリングしたこの曲、バーバーショップで撮影されたミュージックビデオは”髪の毛が踊る!”として話題にもなっている。

器用にエフェクターを使いながら、絶妙なバランスで抑揚をつけていきフロアの温度をさらに上げていく。後半になるといつの間にかこの曲のGregor Saltoによるリミックスヴァージョンに。

さらにピークタイム仕様となったこのリミックスで観客は上げた両手を下げることはできない、ここまでくればもうダンスフロアーは彼らのものだ。この日の60分のセットの中ではA-トラックによる超人的なスクラッチが披露されたり、アヒルちゃんの目からレーザーが発射されたり、Fool’s Goldガールズがステージに登場して更なるパーティー感を演出したりと最後まで休ませる暇無く、観客を魅了した。

最後にプレイしたのは一番の大ヒットチューンである「Barbra Streisand」。間違いなくこの日一番の大合唱がロサンゼルスの夜に響いた。

ダック・ソースとしての初アルバム「QUACK」は、この秋リリースが予定されている。待ち遠しくてたまらない!

Photo : Yusuke Oishi (Marco Monk fiLm)

 

 

Release Information

 

Artist: DUCK SAUCE
Title: IT'S YOU- REMIXES
Release Date: 2013/09/04

iTunes Store(Japan) 

TRACKLIST:
1. It's You (Ridiculous Mix)
2. It's You (Chris Lake Remix)
3. It's You (Gregor Salto Remix)
4. It's You (LiL TExAS Remix)
5. It's You (Pascal & Pearce Remix)
6. It's You (Suicide Kings Remix)
7. It's You (DJ Snake Remix)